外部パートナーの視点からhayaokiを紐解く本シリーズ。今回はその第2弾をお届けします。
今回お話を伺ったのは、心の機微やノスタルジーを繊細に描く筆致で多くの読者を魅了するエッセイストの中前結花さん。hayaokiの代表・高田とは元同僚であり、hayaoki booksから『好きよ、トウモロコシ。』『ミシンは触らないの』を刊行しています。
高田の「本を書きなよ」という一言から始まった出版プロジェクトは、どのように動き出し、どのようなチームで形になっていったのか。編集者との関係性や制作プロセスを通して、hayaokiというチームの在り方を描き出します。
現実味のなかった「本を書く」が、実現するまで
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ーー中前さんはフリーランスで「書く仕事」をするようになる前から、元同僚である高田に「本を書きなよ」と言われていたそうですね。当時、どう受け止めていましたか?
中前:当時は会社員として仕事にかなり没頭していて、エッセイは週末のわずかな時間を使って、いろんなメディアに細々と寄稿しているというような取り組み方でした。なので「いつか本を出すようなことができれば嬉しいけれど、現実味がない」という距離感でした。
最初は「どこかで本を出しなよ」というニュアンスで言っていただいていて、当時はまだhayaoki booksというレーベルもなかったので、「いつかできたらいいですね」と返していいたんです。その後、実際にhayaoki booksを立ち上げられたタイミングで、「うちから出そう」と声をかけていただいて、ようやく現実的に考えるようになりました。
ーー最終的にhayaokiから本を出そうと思った決め手は何でしたか?
中前:ひとつは、hayaoki booksというレーベルを立ち上げてまで「やりなよ」と言ってくださったことです。
一方で、「誰かに発見されて出版社からデビューしたい」という憧れもあったので、昔から知っている方が立ち上げたレーベルから出版することへの複雑さもありました。ただそのタイミングで、たくさんのヒット作を手掛けていらっしゃる有名出版社の編集者さんに、「本は自分の名刺になるからやってみた方がいい」と言っていただいて、決心がつきました。
自分の文章が商品になると思ってださっていることは、非常に嬉しかった一方で、昔から知っている高田さんに初稿を見せるのは少し恥ずかしくて。それを伝えたら「信頼できる編集者を連れてきていい」と言ってくださったんです。
大切な友人であり、以前からよくエッセイの仕事でお世話になっていた編集者の鼈宮谷(べっくや)さんに「デビュー作の編集者という役割を、どうしてもあなたに引き受けてほしい」と懇願して、ようやく具体的にプロジェクトが動き出しました。5〜6年かけて形になりました。
作家に伴走しながら最適解を探すチーム
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ーーーデビュー作『好きよ、トウモロコシ。』は1万5千部を突破しました。中前さんにとって、どんな作品になりましたか?
中前:デビューするまで書き溜めてきたエッセイのベスト版のような一冊です。自信のあるものを選び抜き、書き下ろしも何度もボツにしながら厳選しました。本当に全身全霊で作った一冊です。
これから先も本は出していくと思いますが、ここまで特別なものはもうないと思いますし、おそらく一生の代表作になる感覚があります。
年齢や性別に関係なく、どんな方にも薦められる自信があって、「まずこれを読んでください」と言える本です。読んでもらえれば伝わるという確信があります。
ーーー『好きよ、トウモロコシ。』や『ミシンは触らないの』を制作する中で、意見のすり合わせはどのように行っていましたか?
中前:本文に関して大きくぶつかることはほとんどなかったんですが、『好きよ、トウモロコシ。』も『ミシンは触らないの』も、タイトルだけはすごく悩みました。鼈宮谷さんと、思いついたものをスプレッドシートにどんどん書き出していくと100案くらいになるんですが、見返しても「どれもしっくりこないね」となる。意見が食い違うというより、二人とも決めきれない状態が続くんですよね。
最終的にその100案すべてを高田さんに見てもらうと、「これ以外ありえない」とはっきり決めてもらえて。その一言で「あ、これだったんだ」と腑に落ちる感覚がありました。しかも選ばれるのは、いつも自分の中では捨て案だと思っていたものなんです。
私の文章は、入口から想像していないところに読者の方を連れて行けるような「飛躍」を意識しているので、その特性が一番活きるように、具体的で強いタイトルを選んでもらっていたんだと思います。結果的に、そのタイトルに合わせて書き出しや構成も整えていきました。
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ーーー制作の中で、難航した部分はありましたか?
中前:原稿そのものというよりは、本の厚みや帯の文言、イベントの進め方といったパッケージの部分で、少し認識のズレが出ることはありました。そうして進行が滞りそうになると、高田さんが間に入って整理や判断をしてくれるんです。センスや感性を信頼しているので、最終的にちゃんと着地させてくれる安心感がありました。
高田さんは、会話の中でも「この人の目は信用できるな」と自然に思えるんです。なにぶん初めてのことなので、「信じるしかない」という面もありましたが、結果として、私にはこうして「エッセイスト」として独立できたという現状があるので、初めての方でも安心して任せられる存在だと思います。
また、鼈宮谷さんも高田さんもとても寄り添ってくれて、たとえ異なる意向を伝えたとしても、押し返すのではなく、著者である私の意見を汲んだ上で「どうすれば理想に近づくか」を一緒に考えてくれます。
鼈宮谷さんは編集者としての信頼はもちろんですが、それ以上に「初稿を安心して出せる人柄」というのが大きくて。できることなら全部の原稿を最初に読んでほしいと思うくらい信頼しています。
そういう関係性もあって、常に読者にどう届くかを軸にしながら、一緒に最適な形を探っていける。対等というより、全力で作家に寄り添ってくれるチームだと感じています。
才能に光を当て、「あと一歩」を世に届ける
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ーーーhayaokiに、どんな個性を持った人が加わると面白いと思いますか?
中前:前提として、自分の頭で考えて動ける人じゃないと難しいチームだと思います。その上で、やりたかったことを持ち込める人や、自分から動ける人にはチャンスが多い環境じゃないかと思います。
「才能に光をあてる」というコンセプトに共感できる人であれば、自分自身の才能にも光が当たる場所。やりたいことがある人や、誰かを応援したい人にぴったりなんじゃないでしょうか。
ーーー作家視点で見たとき、hayaokiチームのおもしろさはどこにありますか?
中前:私にとっても鼈宮谷さんにとっても初めての書籍作りでしたし、hayaoki booksさんとしても2冊目の本で、全員が手探りながらも、貪欲にチャレンジされているチームの姿が印象的でした。
そして何より、作家にとても寄り添ってくれるチームです。単なるビジネスではなく、「どうすればその人の才能に光が当たるか」を軸に動いてくれる。執筆中に「この文末どっちがいいですか?」といった細かい相談もできて、常に二人三脚で進んでいる感覚がありました。
もちろん、歴史や規模、知見のある出版社の魅力もありますが、その上で、ここまで近い距離で伴走してくれるのはこのチームならではだと思います。最近は「hayaoki booksの本はおもしろい」と言ってくださる読者の方や書店さんも増えていて、そういう姿勢が結果につながっていると感じます。
ーーー作家やクリエイターでいうと、どんな人がhayaokiと相性がいいと思いますか?
中前:「才能はあるけど、まだ光が当たりきっていない人」だと思います。あと一歩で届きそうなのに、まだ見つかっていない人。フォロワー数やバズだけでなく、ちゃんとこれまでの作品をじっくり読まれた上で、著者さんにお仕事をお願されているんだろうなという印象があります。
まさに才能に光を当て、世に出してくれる場所だと思います。私自身も、この本があったからこそ活動が広がったので、一冊を丁寧に作って名刺にしてくれる土壌があるチームだと感じています。
全てのポジションで積極採用中です!
事業は毎年成長を続けており、組織拡大に伴い、“核”となる人材が不足しております。次の株式会社 hayaokiを創っていける世代のリーダーとなる方を全部門で探しています。
まずはカジュアル面談やお試し副業からでも構いません!
「話を聞きたい」または、「ご応募」をお待ちしております。
執筆:伊藤美咲