医学部在学中に起業。「人を理解するAI」で、世界をもっと優しい場所にしたい。|Cross Medicine代表 中井洸我
プロフィール紹介
経営者としてのこれまでのキャリア
はじめまして。株式会社Cross Medicine(クロスメディスン)代表取締役CEOの中井洸我です。
2000年、奈良県生まれ。徳島大学医学部で医学を学びながら、2022年にCross Medicineを創業しました。
もともと私は、誰かの役に立つことや、人の人生に良い影響を与えることが好きでした。
大学では医学を学ぶ一方で、研究活動にも取り組み、2023年にはスタンフォード大学医学部の精神医学領域で研究を経験しました。また、学生自治会長や学園祭の運営、サッカー部のキャプテンなど、さまざまな組織のリーダーも務めてきました。
振り返ると、昔から何かをゼロからつくり、仲間と一緒に大きな目標を達成することが好きだったのだと思います。
起業後は、赤ちゃんの泣き声をAIで解析する育児支援サービス「awababy(あわベビ)」の研究開発と事業化に取り組んできました。
現在は、大学や医療機関との共同研究、自治体・大企業との事業連携、海外展開など、さまざまな方々と協力しながら事業を進めています。
私自身、医療とAIという二つの領域をつなぎ、研究成果を社会に届けることに大きな可能性を感じています。
経営者として今、力を入れていること
現在、私が最も力を入れているのは、「優れた技術を、本当に社会で使われるサービスにすること」 です。
どれだけ研究として素晴らしい技術でも、必要としている人に届かなければ、社会は変わりません。
私たちが開発しているawababyも、AIの解析精度を向上させることだけが目的ではありません。
育児に悩むお父さんやお母さんの不安を減らし、産後うつや孤立を予防し、家族みんなで子育てに向き合える社会をつくることが目的です。
そのため、個人向けのアプリだけでなく、企業の福利厚生や自治体の子育て支援、医療機関との連携など、社会に広く届けるための仕組みづくりに挑戦しています。
もう一つ、特に力を入れているのが組織づくりです。
創業者一人が頑張るだけでは、世界を変えるような会社にはなれません。
一人ひとりが自分の仕事に誇りを持ち、自ら課題を発見し、新しい挑戦を生み出せるチームをつくりたいと考えています。
創業、そして現在に至るまで
創業、あるいは参画の原体験
私が起業した原点には、医学を学ぶ中で感じた、一つの疑問があります。
「人は、病気になってからでないと救えないのだろうか?」
医療は、人の命を救う素晴らしい仕事です。
しかし、病気になる前の不安や孤独、日常生活で抱える小さな困りごとに対しては、医療だけでは十分に支援できないことがあります。
特に、子育てはその一つだと思っています。
赤ちゃんが泣いている理由がわからない。誰に相談すればよいかわからない。周囲に頼りたいけれど、頼れない。
そんな日々の小さな不安が積み重なり、育児の孤立や産後うつにつながることもあります。
一方で、赤ちゃんは自分の気持ちを言葉にすることができません。
「もしAIが、赤ちゃんの泣き声を理解できたら?」
そんな問いから、awababyの開発が始まりました。
ただ、今では赤ちゃんの泣き声は、私たちが実現したい世界への最初の入り口だと考えています。
人間は誰もが、言葉では伝えきれない感情や悩みを抱えています。
AIが人をより深く理解できるようになれば、これまで見過ごされてきた小さなSOSに気づき、誰かが支えられる社会をつくれるかもしれません。
「人を理解するAIで、人の可能性を広げる。」
それが、私たちの挑戦の原点です。
苦難と乗り越えた経験
起業してからの道のりは、決して順調なことばかりではありませんでした。
医学の勉強と研究を続けながら、資金調達、プロダクト開発、営業、採用、組織づくりなど、経験したことのない仕事に次々と向き合ってきました。
研究として実現できることと、ビジネスとして成立することは違います。
良いサービスをつくれば自然と使ってもらえるわけでもありませんし、社会的に意義のある事業だからといって、必ず売上が生まれるわけでもありません。
自分たちの思いが伝わらず、悔しい思いをしたことも何度もあります。
特に経営者として難しいと感じるのは、限られた資金や時間の中で、仲間の生活や会社の未来に責任を持ちながら意思決定しなければならないことです。
私自身、まだまだ未熟ですし、今も多くの課題と向き合っています。
それでも、ここまで挑戦を続けてこられたのは、私たちのビジョンを信じ、応援してくださる方々、そして一緒に挑戦してくれる仲間がいたからです。
研究に協力してくださる先生方、サービスを利用してくださるご家族、事業の可能性を信じてくださる企業や自治体の方々。
一人ではできなかったことが、少しずつ形になってきました。
困難を一度ですべて乗り越えられたわけではありません。
しかし、困難に直面するたびに学び、仲間と議論し、次の行動につなげる。その積み重ねが、会社を成長させてきたと感じています。
経営課題とやりがい
経営の面白さと難しさ
経営の一番の面白さは、「まだ世の中に存在していない未来を、自分たちの手でつくれること」 だと思います。
昨日までは単なるアイデアだったものが、研究によって技術になり、プロダクトになり、誰かの生活を変える。
さらに、一人のアイデアが、仲間や企業、自治体を巻き込み、社会全体の仕組みを変えていく可能性もあります。
これほど面白い仕事は、なかなかないと思います。
一方で、経営には厳しい現実もあります。
社会課題を解決するという理想と、持続可能な事業として売上や利益を生み出すという現実。その両方を実現しなければなりません。
また、会社が成長するほど、私自身の判断や行動だけでなく、組織として成果を生み出せる仕組みが必要になります。
今、私が経営者として乗り越えたいのは、創業者が何でも決め、何でも動かす組織から、仲間一人ひとりが自律的に挑戦し、成果を生み出す組織への進化です。
私よりも優れた専門性を持つ人が集まり、私が思いつかなかったアイデアが次々と生まれる。
そんな会社になったら、とても面白いと思っています。
組織文化・働き方の特徴・こだわり
私が大切にしているのは、「誰もが挑戦でき、誰もが成長できる組織」 です。
年齢や役職、これまでの経歴だけで、人の可能性を判断したくありません。
大切なのは、何を実現したいのか、そのためにどれだけ自ら考え、行動できるのかだと思います。
学生であっても、新しく入社したばかりであっても、良いアイデアであれば積極的に取り入れたいですし、重要な役割にも挑戦してほしいと考えています。
また、私たちはAIを開発する会社だからこそ、自分たちの働き方もAIによって進化させていきたいと思っています。
単純作業や情報整理など、AIに任せられる仕事はできる限り任せる。
その分、人間は創造性や意思決定、そして人と人とのコミュニケーションに時間を使う。
少人数でも大きな価値を生み出せる、AIを前提とした新しい組織をつくりたいです。
そして、何より大切にしたいのは、人に対する優しさです。
私たちは、人を理解し、支えるためのサービスを開発しています。
だからこそ、まずは一緒に働く仲間を理解し、尊重し、困っている人がいれば自然に助け合える組織でありたいと思っています。
高い目標に挑戦することと、人に優しくあること。その両方を大切にする会社にしたいです。
ビジョン・今後の展望
5年後、10年後、社会にとってどんな存在になっていたいか
私たちが目指しているのは、単なる育児アプリの会社ではありません。
「Human Understanding AI(人を理解するAI)」を通じて、人々の人生を支える社会インフラになること です。
5年後には、awababyが日本だけでなく世界中の子育て家庭に届き、育児の不安や孤立を減らす存在になっていたいと考えています。
育児に困ったとき、当たり前のように私たちのサービスがそばにある。
お母さんだけでなく、お父さんや祖父母、地域社会も一緒になって子どもを育てられる。
そんな社会を実現したいです。
さらに10年後には、赤ちゃんだけでなく、子ども、働く世代、高齢者まで、人生のさまざまな場面を支えるAIへと進化させたいと考えています。
音声、映像、行動、さまざまなデータから、一人ひとりの状態や気持ちを理解する。
孤独を感じている人がいれば、人とのつながりを生み出す。
助けを必要としている人がいれば、その小さな変化に気づく。
一人ひとりが持つ可能性を、テクノロジーによって広げていく。
AIが進化するほど、人間が人間らしく、優しく生きられる社会にしたい。
私は、日本からそんな未来をつくり、世界に届けたいと思っています。
未来の仲間へのメッセージ
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
私は、Cross Medicineを自分一人の会社にしたいとは思っていません。
同じ未来を目指す仲間たちが、それぞれの夢や目標を実現できる場所にしたいと思っています。
私自身、まだ26歳です。
経営者として知らないことも、できないことも、たくさんあります。
だからこそ、自分よりも優れた人たちと一緒に働き、学び合いながら成長していきたいです。
完成された組織で決められた仕事をするよりも、まだ何もないところから新しいものを生み出したい。
誰かに指示されるのを待つよりも、自分から新しい挑戦を始めたい。
そして、自分の仕事が誰かの幸せにつながっていると実感したい。
そんな方と、ぜひ一緒に働きたいと思っています。
これからのCross Medicineには、まだまだ多くの課題があります。
しかし、それ以上に大きな可能性があると信じています。
世界を変えるというと、大げさに聞こえるかもしれません。
でも、私は本気で、人々の生活や社会のあり方を変える会社をつくりたいと思っています。
AIが人を理解し、人が人をもっと大切にできる世界へ。
私たちと一緒に、そんな未来をつくってみませんか?
まずは気軽にお話しできたら嬉しいです。
株式会社Cross Medicine
代表取締役CEO 中井洸我