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「長く続く文化」をつくる。変化を長い時間軸でとらえる、muiの価値観・プロダクトとは? | mui Labのデザイナー

こんにちは、mui Lab採用チームです。mui Labでは現在、スマートホームやIoT関連のサービス開発を行うデザイナーを募集しています。

今回はmui LabデザイナーのEriさんに「muiへの入社理由」「muiの魅力」「今後の展望」などを聞いてみました。

デザイン部 UI/UXデザイナー 西原 英里 (Nishihara Eri)
武蔵野美術大学空間演出デザイン学科卒。株式会社サイバーエージェント、Quipper Limited.、デザイン・イノベーション・ファームTakram、株式会社LiB、フリーランスを経て、2023年にmuiにジョイン。UXリサーチからUIディレクションまで幅広い業務を担当。

メガベンチャー、デザインファーム、フリーランスを経てのmui Lab入社

── mui Labに入社するまでは、どんなキャリアを歩んで来られましたか?

武蔵野美術大学 造形学部 空間演出デザイン学科を卒業後、サイバーエージェントにデザイナーとして新卒入社しました。

当時は仮想空間で着せ替えやゲームを楽しむ「アメーバピグ」最盛期で、アメーバピグや自社メディアのデザインを担当していました。チームの先輩にも恵まれ、社外展示に挑戦したり、業務もやりがいを感じながら働いていたものの、ゲーム開発が全盛期で、社内でもどんどんゲームの新規開発が進む中、「さほどゲームが好きではない」という自分の指向性から、徐々に違和感を覚え、次のキャリアを考えるようになりました。

セカンドキャリアとして選んだQuipper Limited.(以下、クイッパー)は学習コンテンツをクイズ形式で出題するアプリケーションを作っている会社で、当時インドネシア・メキシコ・フィリピンの3カ国でサービスを提供していました。クイッパーを選んだのは、これまでの「ゲーム作り」「仮想空間づくり」の経験が教育アプリのデザインに活かせるのではないかと考えたこと、探求学習の領域に興味を持ち始めていたこと、業務の中で英語が使えそうだったことの3つでした。

その後、自社プロダクトだけではなくさまざま案件に幅広く関わりたい気持ちが生まれ、デザイン・イノベーション・ファームTakramに転職しました。サイバーエージェント、クイッパーでの業務は、特定のプロダクトへの知見や経験を深めることができました。一方、デザイン会社には多種多様なクライアントがいて、客観的な視点でデザインをつくる、数をこなす力が必要になってきます。様々なサービスのデザインを経験することで、自分のデザインの幅が広がると考えました。

Takramで自社サービスの開発とは違う、クライアントワーク中心のスケジュール感で働くなかで、働き方と暮らしのバランスについて考える機会が増えました。当時の年齢は30歳。キャリアだけでなく、今後のライフプランについても思考を巡らせることが増えたタイミングで、女性のキャリア支援の文脈で貢献したいと思うようになり、個人と組織のワークシフト支援を行う株式会社LiBに転職しました。そのころも副業でデザインの仕事を続けていて、多くのお引き合いをいただいたことがきっかけでフリーランスに転向。2017年から6年ほど、フリーランスのデザイナーとして活動していました。

── メガベンチャー、デザインファーム、フリーランスと多様な経験を積まれてきたんですね。一貫して意識してきたことはありましたか?

学びやスキルアップの場を持ち続けることは、どの組織に所属していても意識していたように思います。フリーランスになる以前は、複数のワークショップや教育プログラムに参加し、自分にまだないスキルを伸ばすよう心掛けていました。

たとえば、福井市の事業創造プログラム「XCSHOOLでは、既存のデザイン・クリエイションの概念にとらわれないもの・こと・仕事づくりを目指し、福井の地場産業であるお弁当屋さんと連携し、半年かけて新商品の提案を行いました。

他のプログラムにも複数参加し、デザインリサーチ、エスノグラフィ(調査対象の生活の場に研究者自身が身を置き、対話や行動を通して記録する調査手法)などを通して、デザイン思考を学んでいきました。


それは生活者や環境にとって本当に良いものなのか?デザインの仕事をする意味を考えるなかで、カーム・テクノロジーの視点に共感

── mui Labに入社したきっかけを教えてください。

フリーランスになった後も、これまでの経験を生かしてアプリケーション開発などのIT系のデザインを中心に携わってきました。そのなかで「アテンションエコノミー」(「人々の関心を惹くこと」が経済的価値を持つという概念)のような話が気になってきていたんですよね。

自分が関わったアプリも、本当に人の生活に必要なものなのだろうか。人の気を引いてモノを売るためだけに作ってしまっていないか。会社の売上になったとしても、それは生活者や環境にとって本当に良いものなのか──。考えるうちに、自分が仕事としてITの領域でデザインをする意味がわからなくなってきてしまいました。

そんなとき、muiで働く知人の投稿がきっかけでmui Labのカーム・テクノロジーについての対談を聞きました。今後ITの領域に身を置くならこういう視点が必要だと強く共感し、muiへのジョインを決めました。

また、muiに参画したいと思った理由のひとつに、売上や成長を追い求めるスタートアップの風潮に疲弊していたこともありました。スタートアップである限り、売上と成長を求め続けることには責任があります。ですが、資本主義のレールに乗っているスタートアップは、自分たちの売上や成長を重要視するあまり、本質的な人間の幸せや、個人の暮らしの豊かさに目を向けられていないのではと思うようになったんです。

「本当に、そのプロダクトは人々を豊かにしているのか?」。そこに立ち返るとなおさら、カーム・テクノロジーというmuiが掲げるコンセプトが今の自分にフィットしているような気がしました。


デザインを起点に話が進む。デザイナーが持っている感覚を、エンジニアや事業開発メンバーが汲み取ろうとしてくれる文化

── 現在のmuiでの業務内容について教えてください。

muiには、自社プロダクトとクライアントワーク(受託制作)の大きく2つの業務があります。その中で私はクライアントワークのUXデザインとUIディレクション、自社プロダクトのUXデザインのサポート、社内メンバーへの学びの企画を行う「ラーニング委員会」を担当しています。

UXデザインには、戦略→要件→構造→骨格→表層というステップがありますが、私が担当するのは主に戦略から構造の部分。インタラクションデザインやビジュアルデザインに落とし込む仕事は、主にチームメンバーやパートナーである業務委託のデザイナーが担当してくれています。

muiもスタートアップなので、一般的なスタートアップと同じように、売上や成長は追っています。特徴的なのは、自社の持つ思想とのバランスを取ろうとしている点ではないでしょうか。

たとえばmuiには、ミッション・ビジョン・バリューのほかにクレドが存在します。

  1. mui Labを安心できる居場所にしよう
  2. みんなが成長できる環境を作ろう
  3. 相手の心に寄り添い、対話を大切にしよう
  4. お互いに称賛しよう
  5. 素早く行動を起こし、諦めず挑戦を続けよう
  6. 多様性を認め合おう
  7. 誠実なプロダクトを世の中に届けよう
  8. 未来に誇れる「新しい価値」を共に創り出そう
  9. 「人と自然とテクノロジーの調和」を目指そう
  10. 世の中に「暮らしの余白を楽しむ文化」を創ろう

そのなかのひとつが「世の中に『暮らしの余白を楽しむ文化』を創ろう」。一般的なスタートアップでは成長だけに目が向き、そこで働く人の暮らしがおざなりになってしまうことも多いように思います。

一方muiでは、クレドで「暮らし」を大切にすることが明文化されていて、そこに向けて組織として努力を続けていますバリューやクレドについてディスカッションする時間を意識的に取っている点にも、社風が表れていると感じます。

また、開発の中にもmuiらしさがあります。自社プロダクトを持つスタートアップの多くは、ビジネスメンバーやエンジニアメンバーが事業の主導権を握っていることも多いです。
そのため、デザイナーは「この数値を改善するためにデザインを改修してほしい」というように、ビジネスの目標とする数値を追うために業務を行うケースも多くあります
特に大きな会社だと、プロデューサーやPdMが決めたことを具現化するためにデザイナーが所属していることも少なくありません。

しかしmuiには、デザイナーメンバーが持っている感覚、暮らしに対しての価値観や思想を、ビジネスメンバーやエンジニアメンバーがくみ取ろうとしてくれる文化があります。製品コンセプト、開発背景、開発指針、デザインの思想をデザイナーが考えるんです。

実際にmuiボード第2世代の開発でも、デザイナーの立てた指針やデザイン思想をベースに「機能を削る」という意思決定をしています。

デザインを起点に話が進むという点は、muiならではの特徴なのではないでしょうか。


長く続く老舗企業とも近い。mui Labの、「文化をつくる・つなぐ」スタンスが好き

── Eriさんにとっての、「muiの好きなところ」を教えてください。

muiの持つ「文化をつくる・つなぐ」スタンスです。先ほどお伝えした通り、muiのクレドには「暮らしの余白を楽しむ文化」という言葉が使われています。そこには、長く続く老舗の企業と近いスタンスがあるように思っています。

文化は土着的なものです。その土地ごとに根付いている文化には歴史があり、土地ごとの美意識、感覚、捉え方が脈々と続いてきている。それらを身体的に理解し、くみ取って次世代につなげていくことが本質的に文化をつくる・つないでいくことだと私自身は考えています。

スチュアート・ブランドが提唱する「ペースレイヤリング(Pace Layering)」という考え方があります。

この縁の外側に行けば行くほど変化のスピードが速くなり、内側ほどゆっくりと変わっていく。muiがアプローチするのは、中心から2番目のところにある「CULTURE」なんですよね。スピード感のある急成長だけを目指すだけではなく、変化を長い時間軸で捉えて実現しようとしている。そこにmuiらしさが表れていると思います。

私たちのつくるmuiボードにもこの「らしさ」は表れていて、muiボードの在り方は建材に近いんですよね。家の一部になっていて、触れると情報が浮かび上がってくる。その存在感は、お寺の「しつらえ」に近いものだと思っています。

日本のお寺では、額に入った絵画ではなく、ふすまや壁、天井、いたるところに画が書かれていたり、彫刻がほどこされていたりしますよね。その環境と同化している存在になっている。それらの「しつらえ」は、絵師や彫師の人たちが何年もその寺に住み、その場所に流れる時間、季節を自分の中に取り入れ、湧いてきたイメージを描いたり組み立てたりしてできていると聞きました。

西洋的な絵画は額に入って、その家や飾られる場所の環境とはある種切り離されて、別の存在として扱われている。スマートホームに使われる家の機器を操作する壁付けのダッシュボード(タブレット)で考えると、いわゆるタブレットが壁に付けられていると、どうしても「デジタルデバイス」の存在感になり、それは額に入った絵画と同じ様な印象を受けます。

一方、muiボードは木でできており、建材の一部であるかのように、家や環境に溶け込んでいる「しつらえ」的な存在なのではないかと思います。

「しつらえ」は、日本人の中に脈々と続いていく感覚だと思うんです。その感覚をどうやってデジタルデバイスに転用し、引き出していくのか。そんな風に、脈々と続く文化にテクノロジーという文脈が入ってきたときに、どのように受け継いでいくのかにトライする。muiのそんなところが好きですね。

── 最後に、muiにはどのような人がフィットすると思いますか?

まずは、ミッション・ビジョン・バリューに共感できる人ではないでしょうか。

ミッション

⼈と⾃然とテクノロジーが穏やかに調和した⼼ゆたかなくらしと社会を創造する

ビジョン

未来のくらしのあたりまえ
私たちのプロダクトが未来のくらしにとけこみなじむデファクトスタンダードとなる

バリュー

誰もがクリエイティブに考え、行動する。
誰もがお客様のために、心をこめた仕事をする。
誰もがサステイナブルに考え、行動する。
誰もがチャレンジを楽しむことができる。
誰もが素敵なこだわりを持つプロフェッショナルである。
誰もが日々のくらしを大切にする。

私も、既存のITサービスに対しての問題意識・課題感があるので、muiの「人と自然とテクノロジーの穏やかな調和によって心ゆたかなくらしと社会を創造する」というミッションにはとても共感しています。同じような意識を持っている人がmuiには多いので、新たに参画してくださるメンバーも、近い目線を持ってくださっているといいなと思っています。

また、具体と抽象を行き来する力のある方も、muiには向いているように思います。muiにはここまでお話したような思想や哲学がありますが、スタートアップとして成長しなければならないという現実もあります。

根底にある思想・哲学に共感しつつ、目の前のクライアントワーク、作らなければいけないものに対して責任感を持ち、推進する。そのバランスを取ったり、ときには抽象的な思想に立ち戻って、再度具体化する……抽象と具体の行き来が自然にできると、muiでの仕事はしやすいのではないでしょうか。

このあたりは、muiという組織としての伸びしろでもあります。クライアントワークをする中で、どうやってmuiの思想やデザインプリンシプルを反映していけるのか。組織として共通認識を持てるのか。会社としても試行錯誤している最中ではありますが、そのフェーズで参画することの面白さもまた、あるように思います。

私は長くフリーランスをやってきて、「もうちょっとやりたいのに」と思いながらプロジェクトを離れなければならない、というシーンにも遭遇してきました。正社員になれば、自分が心から共感できるプロダクトで、やりたいことを叶えられる。muiで「暮らし」を大切にしながら、やりたいことを叶えていっていただけたらうれしいです。




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