「ベンチャーに転職して、もっと裁量権を持って働きたい」
「でも、整った環境を捨てて、本当にやっていけるのか不安だ」
キャリアの分岐点に立つとき、この「期待」と「恐怖」の板挟みになるのは、優秀なビジネスパーソンであればあるほど当然のことです。
CINCAは、自由です。しかし、その自由は「放任」や「楽」とは対極にあります。
私たちが求めるプロフェッショナルの基準とは何か。
「教科書通りの優等生」は、ここでは通用しない
――これまでのインタビューで、CINCAには「圧倒的な裁量」や「自由な社風」があることが分かりました。しかし、自由には責任が伴うはずです。あえて厳しめに伺いますが、CINCAで「絶対に活躍できない人」とは、どのような人でしょうか?
阿部: 一言で言えば、「当事者意識(オーナーシップ)を持てない人」ですね。これに尽きます。
私たちが手がけているのは、クライアントの未来を左右する新規事業です。 もし、この事業資金が「自分自身の財布から出したお金」だったとしたら、どう動くか。赤字を出さないために、売上を1円でも伸ばすために、必死で考え抜くはずです。
「言われたからやりました」「予算内だからいいと思いました」というスタンスの人は、残念ながらCINCAでは活躍できません。
――指示待ちではなく、自分の事業だと思え、ということですね。他にも特徴はありますか?
阿部: 「教科書通りにしか動けない人」も厳しいですね。
新規事業というのは、競合他社がひしめき合う市場の中で、あえて誰も手をつけていない隙間を見つけていく作業です。そこには、教科書には載っていない「市場の隠されたルール」が存在します。
――市場の隠されたルール、ですか?
阿部: ええ。例えば、「この業界は顧客満足度を上げるのに莫大なコストがかかると言われているが、実はここを工夫すれば低予算で劇的に改善できる」とか、「一見顧客がいないと思われているこの領域に、実は潤沢な予算を持った企業が困っている」といった、まだ誰も気づいていない事実のことです。
CINCAには、新規事業を効率的に立ち上げるための「型(テンプレート)」やマニュアルがあります。でも、それはあくまでショートカットのための道具に過ぎません。
マニュアルをなぞって満足するのではなく、「自分だけの発見」を面白がれる知的好奇心があるか。ここが、プロの事業家になれるかどうかの分かれ道だと思います。
「失敗」は前提。だからこそ「チェックポイント」を設計する
――オーナーシップを求められると、逆に「失敗したときのリスク」が怖くて動けなくなる人もいそうです。メンバーが失敗した際、阿部さんはどうフォローするのでしょうか?
阿部: まず前提として、CINCAでは「失敗すること」自体はとがめません。新規事業なんて、失敗の連続ですから(笑)。
重要なのは、「どうやって失敗をゼロにするか」ではなく、「どのタイミングで確認すれば、失敗のダメージを最小限にできるか」という考え方です。これを私たちは徹底しています。
――致命傷になる前に気づく、ということですね。
阿部: そうです。例えばプロダクト開発でも、いきなり完成品を作ってから「売れませんでした」では、開発費が丸ごと損失になりますよね。だから、開発前にモック(試作品)で顧客に売り込み、反応がなければ作らない。これで「最小コストの失敗」で済みます。
これは日々の業務も同じです。 入社したての方に資料作成を依頼する場合、完成してから持ってくるのではなく、「見出しができたら確認」「1章書けたら確認」というように、チェックポイントを細かく刻みます。
――なるほど、それなら手戻りも少なくて済みます。
阿部: 社内ではこれを「ワークプラン」と呼んでいます。タスクを依頼する側が、「どのタイミングでチェックするか」までセットで設計して渡すんです。
「自由にやっていいよ」と言って放置するのは、ただの無責任です。 私たちは、挑戦の結果としての失敗は許容しますし、その失敗が致命傷にならないためのセーフティーネット(仕組み)も用意しています。だから安心してバットを振ってほしいですね。
自分の市場価値を測るための「お試し転職」
――求める基準が高いことは分かりました。ただ、外から見ている求職者にとっては、「自分がそこまで通用するのか」という不安も大きいと思います。
阿部: おっしゃる通りです。新規事業の立ち上げを連続して行うという業務は、特殊な環境ですから、向き不向きがはっきり分かれます。
だからこそ、私たちはいきなり転職するのではなく、「副業」からスタートすることも許容しています。
――副業であれば、リスクを抑えてチャレンジできますね。具体的に、副業で入るとどんなメリットがありますか?
阿部: 一番のメリットは、「新規事業のリアルな現場」を体感できることです。
CINCAでは、職種を固定しません。営業がAIを使ってコードを書いたり、エンジニアがマーケティング戦略を練ったりします。「自分の専門外のことも、売上のために何でもやる」というスタンスが求められます。
一見すると、専門性が薄れるように見えるかもしれません。でも実際にやってみると、これが今の市場でいかに希少で、市場価値の高いスキルセットかが分かるはずです。
――確かに、「なんでも屋」ではなく「事業をつくれる人」としての経験値は、実際にやってみないと想像しにくいかもしれません。
阿部: そうなんです。 「やり方が分からない」「どんなスキルが必要かイメージが湧かない」という状態で転職を決めるのはギャンブルです。
まずは副業としてプロジェクトに入り、CINCAのメソッドに触れてみる。そこで「これは面白い!」「自分に向いている」と確信してから、正社員としての入社を検討すればいい。 もちろん、副業のまま関わり続けるのもOKです。
私たちにとっても、お互いのカルチャーマッチを確認できるので、双方にとってメリットしかない選択だと思っています。
週末、プロの事業家としての「第一歩」を
――最後に、この記事を読んで興味を持った方へ、メッセージをお願いします。
阿部: 「事業家」への道は、決して楽な道ではありません。 正解のない問いに向き合い、泥臭い作業も厭わず、自分の頭で考え続ける必要があります。
ですが、苦労して作った事業で初めて売上が立ち、顧客から感謝された瞬間の喜びは、何物にも代えがたいものです。
まずはCINCAと話をしてみませんか?
「自分はもっとやれるはずだ」という熱い想いを持ったあなたと、カジュアルにお話しできることを楽しみにしています。