仕事の人間関係は、しょせん「利害」でつながっているだけ。以前の私は、どこかでそんな風に割り切って働いていました。しかし、ある大失敗をした夜の出来事が、私のチームカルチャーの見え方を根本から変えてくれたのです。
今回は、私が職場で経験した「無条件の優しさ」についてお話しします。
順調な日々に突然訪れた「人間性全否定」のクレーム
仕事に少しずつ自信がついてきた矢先のことでした。いわゆる地雷クレーマーのような方の逆鱗に触れてしまったのです。人間性すべてを否定されるほどボロカスに言われたのは、人生で初めての経験でした。普段の自分なら、間違いなく言い返していたと思います。
しかし、会社や仲間の後ろ盾がある立場上、グッと堪えて反論しないことが正解でした。何も言い返せなかった悔しさとショックで、私はみんなが退勤した後に思わず大号泣してしまいました。
「仕事するな、飲みに行くぞ!」駆けつけてくれたIさん
苦しくてたまらず、同僚のIさんにただ聞いて欲しくて電話をかけました。仕事の用件だと思って電話に出たIさんは、私の号泣ぶりに驚き、すぐに駆けつけてくれました。
「飲みに行くぞ、今日はもう仕事するな!」
そう言って私を居酒屋へ連れ出し、ハイボールを頼んでくれました。ふと「Iさんは飲まないんですか?」と尋ねると、「俺、もう家でハイボール数杯飲んでるねん笑」と予想外の返答が。その回答を聞いて思わず爆笑してしまいました。
聞けば、Iさんもストレスで飲まずにはやってられない日もあるとのこと。
「ああ、必死に頑張ってるの私だけじゃないんだ」と、深く実感して救われた瞬間でした。
「利害」を超えた、無条件の「やさしさ」
これまで自分が利害ベースで接していたからこそ、周りとの関係もそれまでだったのだと思います。しかし、Iさんの接し方は全く違いました。
そこにあるのは、見返りを求めない心からの「やさしさ」だったのです。
自分と根本的に考え方が違っても、無条件の優しさで包まれると、自然と「自分も優しさで返したい」と思うようになります。損得勘定抜きで支え合える。それが本当の「仲間」なのだと人間性を学んだ日でした。
優しさの連鎖が生むチーム
この日を境に、私はIさんやチームに対して、本当の意味での仲間意識を持てるようになりました。普段の私だったらそういう電話がかかってきても電話で話を聞いて数分で明日も頑張ろうで集約してたはずです。駆けつける+飲みに行こうなんて絶対に言う脳みそを持ってないです。
私たちが大切にしているのは、個人の失敗や挫折をチーム全体で温かくカバーし合うカルチャーです。それをIさんが行ったおかげで、私がそのカルチャーの恩恵を受けることができ、そのカルチャーを作っていく側になろうと思ったんです。