西日本電信電話株式会社と資本業務提携を締結し、7,000万円の資金調達を実施
この度、ジョージ・アンド・ショーン株式会社は、⻄⽇本電信電話株式会社(本社:⼤阪府⼤阪市, 代表取締役 ⼩林 充佳、以下 NTT⻄⽇本)を引受先とする第三者割当増資により、7,000万円の資⾦調達を実施しました。
【資⾦調達の背景と⽬的】
今回の調達は、主に従来から進めている認知症/MCIの早期発⾒(※1)のためのライフログ解析AIエンジ ン開発のためのリソース強化、また、今後展開予定の早期の認知障害の⽅向けの回復に向けての新規 サービスの開発に充てられます。 また、NTT⻄⽇本による資本引受は、直近のNTT⻄⽇本からの発表におけるNTT PARAVITA(※2) によ る⾼齢者向けの睡眠データを活⽤した睡眠改善サービスの⼀端として、これまで共同開発を⾏ってきた 認知機能推定サービスを展開していくための資本業務提携となります。
※1 認知症/MCI(MCI)の早期発⾒を⾏うAIエンジンの⽬的 G&Sで開発・提供を進める、認知症/MCIの早期検知AIエンジンは、医療⾏為を⽬的としたものではなく、認知機 能低下の可能性がある⽅を早期に発⾒する、リスクチェックツールとなることを⽬的としています。
※2 NTT PARAVITA について
NTT西日本とパラマウントベッド株式会社が、共同出資を行い、睡眠データを活用したオンラインヘルスケアサービスを提供する新会社。2021年7月27日に設立、営業を開始。
~出資企業 NTT西日本 ビジネス営業本部 バリューデザイン部 担当部長 高山 善和 様からのコメント~
当社は2017年頃から生活ログ(行動データ、バイタルデータ)から認知機能推定を実現するエンジンの研究開発をスタートしました。G&S社の優れたAI開発能力により、睡眠データをAI解析し認知機能推定を実現するエンジンを共同開発(共同著作)し、医療、介護現場での実用性確認調査を実施して参りました。
この度の資本提携により、エンジン開発連携等の強化ができ、エビデンス確立によるサービス展開の早期化に繋げたいと考えております。未病の早期発見による社会保障費の抑制等の社会課題の解決に貢献したいと考えております。
~今後に向けて、代表取締役 井上憲からのコメント~
認知症やMCIの早期発見のために認知機能の推定を行おうというプロジェクトが始まったのは、およそ4年も前に遡ります。その中でもNTT西日本様にはプロジェクト開始当初からご連携させて頂いており、近親者に認知症を患ったという同じ体験をされた、当時のご担当者の方とお話しながら、「大切な家族だからこそ、健康で永く生きていって欲しい、そのために我々でできることはなんだろうか」と考えながら、試行錯誤を繰り返して今を迎えるにあたりました。
NTT西日本様とパラマウントベッド様との共同出資により NTT PARAVITAが設立されることも発表され、今後、認知機能推定サービスのエビデンスづくりと展開が進められることを心から嬉しく思っております。
まだ小さいベンチャーですが、たくさんの企業の方と連携しながら、日本を上げての一大プロジェクトとして、この高齢者認知症の社会課題解決を牽引する企業となっていけるよう、精進したいと思います。
認知症/MCIの早期検知のプロジェクトを進めてくるにあたって、また本出資を迎えるにあたって、NTT西日本 小林社長を始め、本当に多くの方から応援のお言葉、ご支援を頂戴致しました。この場をお借りしまして、深く御礼申し上げます。
【G&Sの進める⾼齢者認知症の早期発⾒〜回復までの社会実装スキーム 】
グローバルでも⼤きな課題となっている認知症⾼齢者に関わる、社会的費⽤は年々膨らんでおり、認知症のケアについては早期発⾒が重要なテーマとなっています。G&Sでは、未病や健康寿命延伸といったテーマに対して、⽇常的な⽣活習慣データを利⽤することで、認知症やMCIを発⾒するという開発を続けてきており、開発が多数行われている認知症ケアのためのサービスやコンテンツを可能な限り早期に、⾼齢者様に極⼒負担のない形で届けていくことが重要と考えています。
この実装のために、以下3つを軸に、複数のパートナー企業と連携しながら社会実装を進めています。
①“生活様式を変えない”ログ取得
⾼齢者様の⽣活ログを、可能な限り⾼齢者様に負担のない形で取得します。G&Sでは、位置情報⾒守りタグ「biblle」、や「施設360°(しせつサンロクマル)」という仕組みを通して、在宅⾼齢者様や、⾼齢者施設⼊居者様の⽇常の位置情報の履歴を取得しています。これら位置情報遷移の履歴を、認知症/MCIの状態予測に利⽤しています。
~パートナー企業との連携~
⾼齢者への負担をより低減させるために、⾼齢者様の⽣活様式の変化をさらに⼩さくするためのパートナー連携を進めています。NTT PARAVITAとの連携では、NTTPARAVITAが展開する睡眠情報を⽤いた認知機能推定に利⽤するAI開発のために、企業間連携を⾏っていきます。また、その他「コミュニケーション」や「宅内での家電利⽤状況」など、認知症/MCIの予測に利⽤ができるデータの取得についても、複数のパートナー企業との連携により実現しています。
② “気付き”を与える検知アラート
G&Sが提供する認知症/MCIの早期検知AIエンジンの最⼤の⽬標は、疑いのある対象者の⽅を可能な限り発⾒できる、感度の⾼いスクリーニングを⾏うことです。 これにより、⾼齢者様⾃⾝に軽度の段階で認知症を疑うきっかけを与えたいと考えています。 現在の推定精度は、利⽤するセンサーデータによって異なりますが、平均して70%程度でのMCIの状態推定を⾏うことができています。 G&Sでは、本機能を⾼齢者施設向けサービスに組み込み「Cognivida」(※3)というエンジンとして提供を開始しています。
~パートナー企業との連携~
G&Sの提供する認知症推定は、早期でのスクリーニングを⽬的としているため、正確な推定を⾏うこ とを⽬的としたものではありません。後段に、より精度の⾼いスクリーニングテストや、医療機関との連携を⾏うことで、気づきを持った⾼齢者の⽅にとっての次のアクションを提供していきます。 複数のスクリーニングツールとの連携について、開発実証を始めています。
※3 Cognivida
高齢者の方々のライフログを収集し、認知症/MCIを早期検知するAIサービス。
検知に用いるデータは「位置情報の履歴」、「睡眠サイクル」、「家電利用の状況」、「会話データ」等を用いており、これら複数のデータは独立して認知症/MCIを検知することができます。
約4年間、累計約400名の症例データ、および認知症テスト(MMSE)の結果を活用し、認知症やMCIの方々の生活習慣をモデル化することで、被テスト者の認知状態を予測します。
③ “楽しみながら”の回復コンテンツ
これまで兵庫県 加古川市を始めとする自治体との大規模な連携プロジェクトを通して、最も要望の高い点が、認知症/MCIの疑いのある方に対して、回復のための道筋を提供して欲しいという声でした。G&Sでは、日常食を通じて回復を促すためのレシピ動画コンテンツの提供を行ってきました。この経験を通じて、高齢者の方が日常的に楽しみながら継続できる回復コンテンツが最も必要とされているテーマだと考えるようになりました。今後は、運動やコミュニケーションを通じて回復を促すための基盤やコンテンツの開発を行っていきます。
~パートナー企業との連携~
回復を促すことができると想定されるコンテンツは最もパートナー連携が必要で、かつ広範な連携が模索できる領域だと考えます。食、運動、コミュニケーション、脳トレーニング等の認知症改善のためのコンテンツホルダーとの連携がすでに進んでいます。加えて、医療機関や製薬企業と連携することで、投薬や医学療法との連携も重要なテーマと考え、これらを推進しています。
たくさんの企業の方と連携しながら、高齢者認知症の社会課題解決に向けて、ジョージ・アンド・ショーンは事業を展開していきます。