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老舗メーカーの新たな事業戦略。グループで培ったサプライチェーンのノウハウを強みに、上流工程からプロモーションまで一気通貫を目指す。【サトーホールディングス デザインプロモーション事業インタビュー】

老舗メーカーが立ち上げた、新規事業サービス

ーまずはデザインプロモーション事業が立ち上がった経緯を教えていただけますか?

我々サトーホールディングスはハンドラベラーから事業を成功させ、プリンターでは日本を含む全世界でシェアを広げており、今年でちょうど創業80年になります。

多角的に事業を展開する中の一つに、ラベルを印刷して製造するシールラベル事業というものもあり、こちらはスタートから40年ほど経ちます。わたしも元々こちらの事業に従事していました。

我々が提供しているシールラベルは、本来シールをデザイン・製造・納品して終了というものです。しかしシールラベルは、メーカー様の商品の顔です。であれば、その商品が売れないといくらシールラベルをご提供しても、ラベルの価値が無いと考えました。

このように、商品をきちんと売れるような仕組みづくりからすべてご提案をしようと考えたところが、サービスの成り立ちです。メーカー様はいい物を作るプロであり、我々はそれを広げるプロであり、そこを共用しながらwinwinな形を作っていこうというのがデザインプロモーション事業です。


ー長い歴史の中で新しい事業を始めるきっかけは何だったのでしょうか?

シールラベルをはじめ、印刷業は薄利多売で競合が多いです。その中でいかに差別化をするか、と考えたとき、我々はマーケティングを根拠にデザインをして、最適な資材を提供できるというところにあります。サトーホールディングスの歴史の中でも、「モノを売る」というところからソリューションやサービスなどの「コトを売る」にしましょう、というきっかけのサービスの1つになっているところです。

もう1つは、最終的に消費者に対するメリットの向上です。BtoBtoC(Business to Business to Consumer)を考えたとき、薄利多売の物だけを売ってるだけでは消費者のメリットに繋がらないので、コト売りから消費者に実際に届けつつ、かつメーカー様の利益を上げることが、サービスの根幹になると考えています。


ーデザインプロモーションとは具体的にどのようなことをされているのでしょうか?

デザインをして製造することが大きな流れになりますが、売れるためにはデザインの前にマーケティング戦略が必要です。ここが無いとデザインの本来の効果が機能しないので、マーケティング・デザイン・製造という3つの観点を持ちながら、メーカー様に一気通貫で良いものを広げるお手伝いをしています。

メーカー様は調査からデザイン・製造における工程がそれぞれ独立しており、一気通貫でマーケティング戦略を繋げることが難しいケースが多いです。しかし、この戦略は一本で繋がらなければ本来意味がありません。

我々マーケターは、メーカー様がなぜこの内容でこれを作って、このデザインにしたかという根拠の部分を、最終的に資料にすべておまとめします。それを元に社内を説得することができるので、最終的に販路拡大や棚どり成功に繋がるような営業のお手伝いまでしています。

インハウスで全てをご提供することでの価格面や小回りの利くプランなど、トータル的なメリットを出せるところが強みです。

サトーが持つソリューションで、差別化を図るカギ

ーどのような課題感をお持ちの企業様が多いでしょうか?

課題はかなり幅があります。老舗メーカーがリブランディング図ることによって、ブランドをいわゆる最適化して醸成させたいというブランディングの商談もあれば、健康食品メーカー様が商品のリニューアルをかけることによって、販路拡大させたいという課題もあります。新商品に関しては、これから市場に入ることに対して競合よりも優位性を持って差別化を図るために、どのような戦略を立てるか、という課題もあります。

ただし、2014年に事業立ち上げてから早5年ぐらいですが、もともと我々の事業は一番多いお取引様は中小企業です。いわゆる大手メーカーに物は負けない、商品はいいのに認知度で勝てない、資本で勝てない、という課題を我々がマーケティング戦略もとにデザインからご提案し、いかにその人たちに対して独立した別の立ち方するかというところをお手伝いしています。


ー実際に手掛けられた事例はございますか?

例えば食品のラベルの場合、今消費者が大量生産・大量販売から自分に合った物を買うという流れに変化していて、売り方が難しくなっています。食品機能を高品質と謳ってるメーカー様ですと、マーケティングからいかに消費者に伝えたい言葉を、消費者の隠れた心理にいかに伝えることができるかというところをパッケージやプロモーションを観点でお仕事します。

その他には化学製品や工業製品、ギフト商品など多岐に渡る業界でお客様が増えてます。マーケティングからすべて行うと多いところですと売り上げが250%伸びた実績もあります。いかに根拠を持って市場にマーケティングするかが本当の売り上げに繋がることが分かっていますので、我々のデザイナーやマーケターを集結して課題の解決にあたります。


モノとデータ、プロモーション領域まで

ーデザインプロモーション事業の一番の強みは何でしょうか?

サトーホールディングスは、メーカ様に対していろんな課題解決、ソリューションを持っています。例えば原価を下げるときにRFID*を入れましょうとか、物流の動線管理をして無駄な時間削減しましょうとか、お客様のコストダウンをサポートを出すことができます。

※RFID=ID情報を埋め込んだRFタグから、電磁界や電波などを用いた無線通信によって情報をやりとりする仕組み。

メーカー様のバックエンドのコストダウンをするというところはもともとのベースであって、デザインプロモーションはそこから売り上げを上げるためのパッケージコンサルなので、コスト低減をするのはホールディングス、売り上げ上げるのは我々で、本来の理想的な会社全体の一貫性が出せることが強みです。


ー事業の課題感や、今後の展望を教えてください。

サトーホールディングスの中でラベル事業やデザインプロモーションサービスはまだまだ認知されていないと感じています。実績を作り、世の中に影響ある物をプロモーションしていかなければいけないということが、今の課題です。

ただ、年々仕事のレベルが上がっていて、有名な商品や大手の商品を手掛けるようになっており、まだまだポテンシャルは十分にあると考えてます。これまではどちらかというと、マーケティングをして、デザインをして、資材を納品するというアナログの仕事が多いんですけれども、最近はWEBに関連したプロモーションもやっています。消費者を抱え込むような、物とデータ、プロモーション領域まで拡大させていきたいなっていうのが、今後のビジョンです。


ー貴重なお話しをありがとうございました!

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