ハイブリッドテクノロジーズ(HT)の役員を紹介するインタビュー企画。今回は取締役CTO衣笠さんにインタビューをしました!
【プロフィール】新卒でヤフー株式会社に入社。その後、グリー株式会社に転職し、新規事業のメインエンジニア、インフラエンジニアとして1万台のサーバを超える大規模インフラの設計・運用、シニアエンジニアとしてチームマネジメントを行う。その後、スタートアップのCTO、起業を経て、2023年に取締役CTOとしてハイブリッドテクノロジーズにジョイン。
ーHTのCTOになって3年目を迎えましたが、現在、注力していることについて教えてください。
注力していることはいくつかありますが、AI活用について積極的に取り組んでいます。大きく分けて「自立型AI」と「ツール型」AIの2つに分けて検討・推進をしています。例えば、自立型AI というのは、Devin、Claude、Codex のような、まさにエンジニア1人分の役割を担えるAIで、導入にはそれなりの予算、事業の目的が必要になるので、PoC含めて複数の顧客案件で効果検証を行っているところです。
一方、GitHub CopilotやAmazon Qのようなツール型AIは、開発部門主導で導入を進めています。こちらは比較的スピード感が求められる分野で、開発現場ごとに導入検証および定着支援まで開発本部主体で動いております。
実際、オフショア側でもAIツールをうまく活用してもらうことで、生産性を上げたり、ドキュメントやレビュー支援といった周辺業務を強化できるケースも出てきています。AIによってより付加価値の高いオフショアのかたちが作れるのでは、という前向きな見方をしています。
ーHTの開発組織の強みは何だと思いますか?
現在、億単位の開発予算を持つ大規模なプロジェクトに複数参画しています。例えば、大手企業の基幹システムの再構築や刷新プロジェクトでは、要件定義やアーキテクチャ設計といった上流工程から参画しており、単なる「作業者」ではなく、システム全体の構造に深く関わるエンジニアリングの真価が問われるポジションで活躍するチャンスがあります。
また、ベトナムの大手ITコンサル企業のM&Aにより、今後はベトナム政府が推進する国家規模のプロジェクトへの参画も視野に入れており、よりダイナミックで社会的意義のある仕事にも挑戦していけると思います。
ーHTの開発組織の課題についてはいかがでしょうか?
日本側の開発チームはまだ発展途上にあります。特に中堅層(ミドルレンジ)のエンジニアが不足していることが、現在の大きな課題です。
未経験からチャレンジしているメンバーが多い分、今いるメンバーがどう成長していくかが、チーム全体の未来に直結しています。ただ、育成は簡単ではありません。経験者の存在が、チーム全体の底上げには欠かせないです。これまでの経験を活かし、チームをリードしてくださるような方がいてくれたら、組織として大きく変わると信じています。
── エンジニアとして大切にしていることは何ですか?
「一生現場」という意識をみんなに持ってほしいと思っています。中にはマネージャーになったら会議に出るだけ、などイメージされている方もいるかもしれませんが、管理者になっても現場が炎上していたら率先して助けに入ることが重要だと思います。
また、新卒や経験が浅い方には成長の機会を与えることを大切にしています。最初は研修期間で学んでもらいますが、1年後くらいには一人前に働けるようになりますので、個人にとっては成長機会を得られ、会社にとっては事業成長に繋がります。
現在、当社には新卒は少ないですが、今後は新卒採用にも注力したいと思っています。新卒は、会社のカルチャーや風土の母体になります。そして、会社の風土を広めてくれる重要な役割を果たしてくれるので、会社の発展には新卒は欠かせない存在だと考えています。
ー衣笠さんはよくメンバーとコミュニケーションをとっている印象があります。コミュニケーションで何か心がけていることはありますか?
心がけていることとしては、毎朝少し早く出社をして、休憩室や執務フロアに出社してくる社員に積極的に声をかけるようにしています。これは開発部のメンバーに対してもそうですが、開発部以外の人とも関係性を作り、お互い業務で困っていることの相談をしてます。例えば、営業の人とは受注できそうな案件のあと一押しに何が必要かを会話したりしてます。業務以外の会話もコミュニケーションを取る上で重要なので、プライベートな話もしますね。
ーエンジニアの転職市場では、受託開発より自社サービス事業を展開している会社が人気があるようですが、ハイブリッドテクノロジーズでも今後は自社サービスを始める予定などありますか?
HTでは社内ベンチャー制度というものがあります。昨年、初めて実施をしまして、既存事業の延長線でのサービス、事業でも、全く関係のないものでも可能とし、募集をしました。最高出資金額は最大1,000万円まで出るということもあり、とても盛り上がりました。
ー仕事のやりがいについて教えていただけますか?
仕事は趣味みたいなものですね。(笑) 20代の頃は、SNSゲームを作っていました。その当時は巨大トラフィックの中で高負荷対策などスキルを伸ばせた事は非常に重要でした。それが今のスキルの基礎として養われてます。仕事観が変わったタイミングは「人」に関わるビジネスに携わりだしてからです。人材管理ツール(ATS/TMS)の立ち上げを通して、人事の方と話したり、労務観点のシステムを作る際には、現場の過酷なワークスタイルを目の当たりにしたりと、システムでもっと業界を変えられると感じ、社会貢献に技術を使うという達成意欲に変化していきました。また、ちょうどその頃、子供が生まれるタイミングだったので、次の世代に残せるシステムを作りたいと強く思うようになりました。
このように、仕事に取り組んでいたら、未経験や新卒などの優秀なメンバーが自然と集まってきてくれるようになって。34歳くらいでエンジニア育成に興味が出てきました。それからもう10年くらいになります。自分のノウハウを教えることで「分身」ができていく感覚があり、どんどん仕事が楽しくなっていきました。
ー今後の目標について教えていただけますか?
今後も、億単位の大きな案件が控えています。そのプロジェクトに関わるエンジニア達は、サポート体制のもとで、プロジェクトに参画するメンバーもいますが、将来的には組織の中核を担っていってほしいと考えています。プロジェクトを通して多くを学び、最終的には「自分たちが作ったもの」に対してしっかりと自信を持てるようになってもらえたら嬉しいです。