私たちシーズクラフトは設立してちょうど10年のCGの制作プロダクションです。そしてこれからコーポレートビジョンの変更や新規事業の立上げなど、創業以来最大の変革期を迎えます。その様子をできる限りリアルタイムに赤裸々に発信をして、その変革期を一緒に楽しんでいただける「仲間集め」をしていくことに決めました。
第二弾の今回は、シーズクラフト設立から現在までを知っていただくstoryです。秋田で立ち上げたCGプロダクションのリアルを発信します。ぜひご覧ください!
※前回はこちら
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-起業直前の東日本大震災。これから船出という時に不安に駆られませんでしたか?
もう仁王立ちでした。「どうすればいいんだこれは…」というところから始まって。東京に向かってぼーっと立ち尽くしてしまいした。
ただ、秋田は幸いそこまで大きな被害はありませんでした。あと仕事が決まっていたので、秋田での起業を思いとどまるという選択肢もなかったです。「マイナスから始まった以上、ここからプラスしかない!!」って心の中で思っていたような記憶があります。
-仕事が決まっていたんですね。
はい。弊社HPの実績紹介(https://cscraft.co.jp/)にも掲載させていただいている作品です。「どうやら詳しい奴が秋田にいるぞ。」っていうお話がクライアントに伝わって、お声がけいただきまして、最初の打ち合わせで「立花さんがディレクターやるから」って話が唐突にありました(笑)。はじめは「えっ、何の話!?」って思いながら聞いていたのですが、結果的に監督代行のような立ち位置でこの作品に関わることができました。すごく幸せなことですよね。
ただ、最終的には、関わる中で東京に住んでほしいという話になってしったので、途中で降ろさせていただきました。秋田で働くために起業をしたこともありますし、その時はもう秋田にいることしか考えていませんでした。今考えると降りるべきではなかったなって思っています(笑)。
-秋田のコミュニティーってどうやって広げましたか?
異業種交流会のようなイベントがあって、そこでコミュニティーを拡げることができました。シーズクラフトのオフィスは、当初インキュベーション施設に入っていました。同居してる会社の皆さんにそういう交流会があるからって教えてもらって。丸一日飲まされて、結果すごく仲良くなることができました(笑)。そんなこんなで少しずつご縁が広がっていきましたね。
現在の秋田オフィスの様子
-起業時は秋田のみ、今は秋田と東京2拠点で展開しています。秋田の難しさがあったから今の体制に変更したのですか?
はい。秋田ってCGクリエイターがかなり少ないんです。当時も今も。かなり拡大していけたとお話ししましたが、どこから採用するかというと数少ないU・Iターン希望者がメインです。なので拡大をするうちに採用が非常に厳しくなって、10名を超えたあたりからは結構無理やり採用をしてしまっていました。無理やりというのは採用基準をだいぶ広げてという意味合いです。そして、基準を広げてご入社いただいた方々は辞めていってしまいした。言葉が正しいか自信がありませんが、すごく学びになりました。薄めて拡大していっても、長期的には誰も幸せになりません。
結局、この業界は「人を増やすのか、単価を上げてくのか」というジレンマがあります。僕たちでいえばまず前者を選択して、誰にでもできるような仕事の比率を高めてみました。これがうまくいかずに、次は後者の単価改善にチャレンジしました。これはこれでなかなか人は育たないなという壁にぶつかって。今も色々と試行錯誤しています。
ただ、私の理解として、これからの時代はクリエイティブな方向に振っていかないと恐らく生き残っていけません。だからみんなには発破をかけて、もうそれが実現できないなら続けていけないよねって話までしています。
秋田に話を戻すと、県民性なのかもしれませんがスピード感や野心のようなものが弱いことにも難しさを感じました。私自身のマネジメントの課題も多分ありますが、穏やかさやマジメという素晴らしい特徴が、むしろクリエイターや経営者としては物足りなさを感じます。もちろん秋田の全てを知ってるわけではありませんから、あくまで私が感じた範囲でのお話です。
-ちなみに行って分かった秋田の魅力ってなんですか?
暮らすという意味ではすごく素敵なところです。子育てもしやすいし、人もいいし、物価も安い。特に人は素晴らしくて。秋田の皆さんって一回一緒にお酒を飲むともうマブダチなんです(笑)。そんな土地柄はすごく好きですね。
-少し話を変えてしまうんですが、今のCG業界の状況やこれから予測される変化を教えてください。
ほとんどのビジュアルが3DCGに置き換わると思っています。そして、技術の進歩や必要なツールの価格が下がっていることもあって、誰でも3DCGを簡単に作れる時代が近づいてきています。なので、プロのクリエイターはアマチュアと差別化できる能力を備えることが必須になっていきます。
-シーズクラフトはどのような戦略で挑みますか?
新しくCGが使われる分野はどんなものかを想像・創造した上で、自社の強みを生かせる分野に食い込んでいきます。例えばメタバースなど。スタッフや外部パートナーの皆さん、これから仲間になる皆さんと一緒に考えていきたいですし、ここに今回の仲間集めの背景があります。社員であろうとなかろうと、たくさんの方々と積極的にディスカッションして、戦略や新しいビジョンを言語化していきたい。例えば、新規事業の一つのアイディアとして、アウトプットをデータベース化して、AIを組み合わせて自動化するサービスを考えています。
何をするにしても全て社内で内製することにこだわらず、外部のパートナーと手を組んで、実現していければと考えています。
東京オフィスの様子 ※右が執務スペース、左がモーションキャプチャールーム
-今回は採用ではなく仲間集め。敢えて仲間集めと表現されている理由を教えてください。
シーズクラフトに必要なのは、新しい時代を切り拓く能力だと思っています。今のスタッフで出来ない訳ではありませんが、CGを作りだすことに強みがあるスタッフなので、できるようになるまではさすがに時間がかかります。
また、新しい何かを実行していくためのスキルや経験を持つ人員を全員正社員として雇用することはできません。外部パートナーの皆さんとも繋がっていきたいと考えています。
とにかく時代の先を行くような面白いアイデアを大量に生み、最速で実行していく構造を作りたくて、仲間集めを行おうと考えました。
ご覧いただいている方に一言お願いします。
先ほどもお話しましたが、今後はほとんどのビジュアルに3DCGが使われていきます。今まで弊社はエンタメ中心に携わってきましたが、これからはそれ以外のおもしろい仕事が沢山あると思っています。
新しいサービスを生み出す。既存のサービスをよりおもしろくアップデートする。ドンドン考えて、挑戦していきたいです。
経営者としては、明確な方向性を示し、関わる皆さんにおもしろそうな未来を想像してもらえる環境を作りたいですし、世の中に貢献できる会社にしていきたいです。
社員として働きたいという思いがなくても、少しでもご興味をお持ちいただけたなら是非ディスカッションさせていただければと思っています。協業目的も大歓迎です。業界職種は問いません。是非ご連絡ください!
いかがでしたでしょうか?
全2回でシーズクラフトにまつわる過去から現在をまとめさせていただきました。
次回は、実際に弊社で働いている社員にどのような業務を行っているかなどをインタビューします!