UGC広告のプロフェッショナルとして、縦型ショート動画市場の「質とスピードが追いつかない」という“ボトルネック”を解消する「クリエイティブラボ」、株式会社MISM。TikTok for Business公式クリエイティブパートナーとして3年連続3倍成長を遂げています。
なぜMISMは、「成果」への執着と「個の成長」の両立にこれほどこだわるのか。その答えは、代表・羽部の「会社の看板ではなく“個の力”で勝つ」というIBM時代の原体験にありました。MVVに込めた想い、そして「SNSで経済を動かす」未来構想について、羽部代表に語ってもらいました。
羽部 千織(Chiori Habe) / 代表取締役
早稲田大学政治経済学部卒業。大学時代にロンドンへ留学し、現地のキャリアフォーラム経由で日本IBMに新卒入社。エリート街道の只中で「会社の看板に頼る生き方」への違和感を覚え、約1年で独立を決意し、2021年12月に株式会社MISMを設立。創業時から美容医療領域のSNS運用やUGC広告に着目し、3年連続3倍成長を実現。趣味はサウナや旅行とアクティブだが、社内では「自己開示が苦手」と語る一面も。MBTIは「起業家(ESTP)」で、ラブタイプは「ちゃっかりうさぎ(FCRE)」。
「会社の看板に頼らない」—IBM時代の原体験と、“個の力”でやりきるスタンス
ーー羽部代表のキャリアはIBMから始まっていますが、非常にしっかりされていて順風満帆に見えます。どのような学生時代を過ごされたのでしょうか?
いやいや、それが全然そんなことなくて...(笑)。早稲田大学に入学したのですが、1年の最初とかは単位の仕組みが分かってなくて、全然学校に行かなかったら退学させられそうになったり…。あと、結局留年もしたんです。オンラインのテストの締め切りをうっかり忘れてて、落単して。
でも、その留年したおかげで半年間、時間ができて。「せっかくだから」とロンドンに留学したんです。それが結果的にIBMへの入社に繋がりました。ロンドンに留学したら、現地で「ロンキャリ(キャリアフォーラム)」が開催されることを知って。それで挑戦してみたら、内定をもらえてIBMに入社しました。
ーーすごい行動力ですね…!そのロンキャリでは何をアピールされたんですか?
そもそもロンキャリって、基本的には海外大学の正規留学生などが対象で、私のような日本の大学生が短期留学で参加するのは、実はかなりハードルが高いというか、普通はいないんですよ。完全なアウェイです。
だからこそ、面接では「圧倒的行動力です」と伝えました。「根拠は?」と聞かれたので、「私は早稲田生で、ただの短期留学で来ています。本来ならここにいるはずのない人間です。でも、チャンスがあるならと挑戦しに来ました。私が今ここにいる事実こそが、行動力の証明です」って。それが多分、結構刺さったんだと思います。
昔から「目標を掲げたら絶対達成する」タイプではありましたね。中学の時も「最後の内申点は大事だから」ってオール5を取ったり。多分、その「言ったことは絶対叶える」っていう成功体験の積み重ねが、今の「根拠のない自信」に繋がってるんだと思います。
ーーそこからIBMに入社されて、MISM創業に至ったのはなぜでしょうか?
IBMに入って感じたのは、「エリート街道に乗ったからといって、自分が偉くなったわけじゃない」ってことでした。会社の看板や学歴で自分の価値を高く見積もってしまいがちな人が想像以上に多く、自分もこのままではそうなるかもしれないと強い危機感を覚えたんです。 当時、年収は高くもらっていても、「会社の看板がなくなったら、自分は何者でもない」という状態に気づいて。仮に看板なしで「ヨーイドン」させられた時に、絶対に勝てないなと。
それがきっかけで、「だったら自分で一から力をつけよう」と思って起業しました。「個人として力をつけて、自分の足で歩いていける能力」こそ、これからの時代に求められることだと思っています。
ーー最初から縦型動画の事業を?
いえ、最初は美容医療での起業を目指してVC(ベンチャーキャピタル)にも行ったのですが、事業モデル的に難しく、「まずは資本がなくても始められるビジネスで、必ず力をつけよう」と決めました。 そんな時、知人の経営者から美容医療領域のTikTokアカウント運用を任されたんです。私自身、当時TikTokを深く使っていたわけではなかったのですが、これはチャンスだと思い、ゼロから徹底的に研究しました。
ーーそこからどう事業にされたのでしょうか?
ゼロから徹底的に研究して運用してみたら、縦型動画という市場の可能性に手応えを感じたんです。また、Xで「動画広告について勉強したいので、モデルとして出演する代わりに運用のことを教えてください」みたいにツイートしたら、50人ぐらいからDMが来たんです。 そこで「これは私個人がモデルになるより、クリエイターを紹介する側に圧倒的な需要がある」と確信しました。それが「BUZZORDER」の始まりです。本当に、人との縁と、その流れを掴むための行動がうまく噛み合った感じですね。
「成果を最短で届ける」—業界の“常識”を覆す、MISMの圧倒的スピードと「やりきる」スタンス
ーーMISMの現在の事業について、改めて教えていただけますか?
私たちは、クライアントの成果にコミットするクリエイティブ集団として、主に3つの事業を展開しています。
1つ目は「BUZZORDER」。これはクライアントの要望に応じてUGC風の動画クリエイティブをオーダーメイドで制作するサービスです。
2つ目が「BUZZRENTAL」。これは6万点以上のUGC風動画素材をすぐに広告利用できる、サブスクリプション型素材レンタルサービスです。
3つ目が、創業事業でもある「SNSマーケティング・コンサルティング」で、特に美容医療領域に強みを持っています。 これらを通じて、広告代理店様やクライアント様の「成果」に直結するクリエイティブを提供しています。
ーーその中でも中核となる「BUZZORDER」や「BUZZRENTAL」の強み、差別化ポイントはどこにあるのでしょうか?
結論から言うと、圧倒的な「スピード」と「質」です。特にスピードに関しては、「BUZZORDER」なら最短即日納品も可能です。
一般的な制作フローでは、企画から納品まで早くても1週間程度かかることも少なくありませんし、クリエイターのアサインなどが入るとリストアップだけで日数を要することもあります。私たちは、そのプロセス全体を徹底的に効率化し、当日対応できる体制を整えました。これこそが、私たちが解消したい業界の“ボトルネック”だと考えています。
ーー「ボトルネック」とは、具体的にどういうことでしょうか?
縦型動画広告の業界は、トレンドの流れが非常に速いんです。ひとつのトレンドの有効期限が実質「2週間」くらいしかないことも珍しくありません。 それなのに、企画から納品までに1〜2週間かかっていては、トレンドが終わってしまいます。
私たちは、この「クリエイティブの供給スピードが、市場のトレンドの速さに追いつかない」という業界全体の課題を真正面から解決することを重視しています。
ーーその圧倒的なスピードと質は、どうやって担保されているのでしょうか?
もちろん、仕組み化も徹底しています。「量」を支える信頼できるオペレーション体制と、1日に10現場以上をこなす圧倒的な撮影「量」から得られる「質(経験値)」がまず土台としてあります。
ただ、当たり前のことですが、その仕組みを動かし続けるのは、結局「人」であり、その「スタンス」です。私たちが大事にしているスタンスは、「成果に対して絶対に妥協しない」という“やりきる力”。正直に言えば、これってすごく労力がかかることなんです。他社がスマートさを優先して敬遠するような、手間のかかる道をあえて選んでいる。普通にスマートに稼ぎたいと思う会社は、多分やらないでしょうね。
ーーそのスタンスは、具体的にどのような「質」へのこだわりに表れていますか?
クオリティを“本気で”上げることです。例えば「ショートドラマ風の広告を作りたい」と依頼された時、「それっぽく」撮って編集すれば、形だけなら誰でもできます。 でも、うちはそれを「ショートドラマ風」とは呼ばない。ちゃんと「なぜそのトレンドが流行っているのか」という“センターピン”を捉え、必要な要素を徹底的に研究し、再現する。そこに注力します。
ーー他社がやらない、手間のかかる部分ですね。
そうですね。この、他社がコストや手間の観点で敬遠しがちな「本質的なクオリティ」を徹底的にやり抜く姿勢こそが、MISMの参入障壁であり、競争優位の源泉になっています。 ただ、私たちはそれを個人の精神論だけで終わらせるつもりはありません。例えば、社内では「BUZZORDER」「BUZZRENTAL」「SNSマーケティング」の各事業部が知見を持ち寄る「クリエイティブ研究会」を定期的に開催するなど、この「やりきる」スタンスを再現性のある組織の「仕組み」として担保し、スケールし続ける体制を今まさに構築しているところです。
「自分らしさが価値になる」—ミッションが導く、さらなる高み目指す未来構想
ーーMISMのミッション・ビジョンには、どのような想いが込められていますか?
ミッションである「自分らしさが価値になる瞬間を創る」は、私たちの事業そのものと、組織への想いの両方を表しています。
まず事業において、縦型動画広告、特にUGCの核心は「リアルさ」であり、それは作られた完璧さではなく、クリエイター個人の「個性=自分らしさ」から生まれます。私たちの仕事は、その「自分らしさ」を、クライアントの「広告成果(=価値)」へと変換する(創る)プロセスそのものです。
同時に、これは社内のメンバーにも向けた言葉です。「自分らしさ」は、最初から「こうなりたい」と決まっている人ばかりではありません。多くの人は「何がやりたいか分からない」ままなんとなく毎日を過ごし、20代後半で焦ってしまいます。それは、本気で「やりきった」経験がないからです。道はシンプルで、視野を広げるために色々な経験を積むか、もしくは、目の前の「一個のことを一点集中でやりきる」か、どちらかです。その「やりきる」という小さな成功体験を積むことで、初めて違う世界が見え、それがその人の本当の「価値」になっていくと確信しています。
そして、その「やりきる」スタンスこそが、私たちのビジョンである「クリエイティブに誠実に、価値ある未来を築く」に繋がっています。「誠実」というのは、単に真面目ということではなく、クライアントの「成果」に対してどこまでも執着し、やりきるということです。その結果として「価値ある未来」が築けると信じています。
ーーそのMVVが、今後の事業構想にどう繋がっていきますか?
はい。まさに「成果に誠実である」ために、既存事業で培ったノウハウやアセットに「データ」を掛け合わせて、サービスの形を進化させていきます。 これまでの課題は、動画を納品して終わりで、その先「どの動画がどれだけ成果(売上)を生んだか」という一番重要な“答え”をキャッチアップできていなかったこと。これは本当にもったいない。 これからは、「この素材を使ったらCTRが上がった」「この組み立て方だと当たる」というデータを社内に蓄積・解析し、「成果を最短で届ける縦型クリエイティブラボ」に進化します。
ーー「クリエイティブラボ」。それが「インフラになる」というお話ですね。
そうですね。単なる素材屋や制作会社ではなく、MISMが持つ「勝ちパターン」のデータそのものを提供する。そうなれば、私たちは「縦型広告市場のインフラ」になれるということです。 さらに、TikTokShopなどのEC機能と連動させ、「SNSを起点にものが売れる」「SNSを使って経済を動かす」ということもやっていきたい。今までの既存事業の延長線上では見えなかった、さらに高い視座で、桁違いのスケールを目指せる会社にしていきたいと思っています。
「幹部陣の座が空いている」—圧倒的に燃えている仲間と、代表が抱える素顔
ーーそうしたカルチャーの中で、今MISMで働いているメンバーにはどんな共通点がありますか?
ズバリ、「誠実」で「信用できる」人。 人間として「信用できないな」って思う人が、社内に圧倒的にいないです。みんな本当に人がいいというか、まっすぐな人が多い印象ですね。
ーー羽部代表が経営者として、絶対に譲れないことは何ですか?
やっぱり「自分が一番頑張る」こと。「背中で見せなきゃいけない」と思っています。私は働かない社長タイプではなくて、みんなも働いてるけど、自分も一番働く、みたいな。 あと、これは役員に言われて気づいたんですが、私は「ノーと言わない」らしいです。 社内で提案されたことも、そこに仮説と意志があるなら尊重すべきですし、ノーだったとしても「じゃあこういう形でやるのはどう?」ってイエスに近づけてあげたいと思っています。
ーー「ノーと言わない」姿勢は、組織の心理的安全性にも繋がっていそうですね。
確かに、私あんまり否定的なこと言わないと思います。 …でも、だからこそかもしれないですが、私、本当に自己開示があんまり得意じゃなくて(笑)。 プライベートの自分(経営者仲間の前では“妹キャラ”)と、仕事の時のパキパキしなきゃいけない自分が違いすぎて、どう振舞ったらいいか分からなくなる時があって。ただ、大きな目標を目指すには、やはりメンバーとより深く理解し合い、もっと「仲間」になっていく必要があると思っています。だから、これからはもっと自分を出していこうと努力しているところです(笑)。
ーー最後に、この「仲間」集めにおいて、今どんな方と一緒に働きたいですか?
「ここで一旗揚げてやるぞ」というような、強いエネルギーを持った方ですね。 たとえ今はまだ燃える対象が見つかっていなくても、「何かに本気で熱くなりたい」と強く願っている人。経験は問いません。スマートに生きるんじゃなくて、あえて辛い道を選んででも、自分に自信をつけたい方とかは、すごく良いと思います。
ーー今、MISMにジョインする一番のメリットは何でしょうか?
スキル面で言えば、半年本気でやれば、フリーランスで年収1000万を目指せるレベルにはなります。そして何より、今なら「幹部陣の座が開きまくっている」ことです。 ここに滑り込むことができれば、私の直下で、普通じゃ経験できないレベルまで引き上げます。そんなポジションを用意して待っています!