「うちの子」って聞いたことありますか?
自分だけのオリジナルキャラクターをデザインして、イラストを描いて、名前や性格を考えて、SNSで披露する。そんな創作文化が、いまものすごい勢いで広がっています。
Meltly株式会社が開発・運営する Days AI は、この「うちの子」文化とAIを掛け合わせたアプリです。パーツを選んでキャラクターをデザインし、AIでイラストを生成し、キャラとチャットしたり、コミュニティに投稿して他のユーザーと交流したりできます。累計60万ダウンロードを突破し、月に1,800万枚以上のイラストがユーザーの手から生まれています。今回はCEOの髙橋侑志さんに、Days AIの裏側を聞いてみました。
Q. なぜ「うちの子」文化にフォーカスしたんですか?
髙橋: もともと僕自身、イラストやアニメが好きで、大学に入ってからも創作系のコミュニティを見ていたんです。その中で、「うちの子」を持っている人たちの熱量がとにかくすごかった。キャラクターに名前をつけて、性格を設定して、「この子はこういう場面でこう振る舞う」みたいなことを延々と考えている。でも、絵を描けない人はその世界に入りにくいという壁があったんですよね。
「絵が描けなくても、自分のキャラクターを形にしたい」という気持ちは本物なのに、手段がなかった。AIの画像生成技術がそこにハマるんじゃないかと思ったのが最初のきっかけです。
実際にリリースしてみたら、ユーザーさんの反応が想像以上で。平均滞在時間が2時間を超えているんですが、これは「消費」じゃなくて「創作」の時間なんですよね。自分のキャラクターをああでもないこうでもないといじっている時間が長い。それを見て、やっぱりここに本当のニーズがあったんだなと実感しました。
Q. 自社開発のAIモデルにこだわっている理由は?
髙橋: Days AIでは、SDXLアーキテクチャをベースに独自拡張した画像生成モデルを使っています。アニメイラストに特化したデータセットでトレーニングしていて、汎用モデルとは出力のクオリティがかなり違います。
理由はシンプルで、ユーザーが求める「かわいい」「かっこいい」の水準がとても高いんです。SNSやpixivで日常的にハイクオリティなイラストを見ている方たちがユーザーなので、「AIっぽいな」と感じた瞬間に離れてしまう。だから妥協できないんです。
いまは500種類以上のテンプレートを用意していて、ファンタジー風・日常風・制服・水着といったシチュエーションを選ぶだけで、自分のキャラクターが高品質なイラストになります。最近リリースした「美的スコープ(V3)」というモデルでは、光の表現や背景の描き込みがぐっとリアルになっています。
技術的に一番大変なのは、「きれいな絵が出る」だけじゃなくて、「このキャラクターらしさが保たれる」ことなんですよね。ユーザーさんにとっては、自分の「うちの子」が別人みたいになったらショックじゃないですか。キャラの一貫性を保ちつつ、いろんなシチュエーションに対応する。ここが一番力を入れているところです。
Q. 60万DL、月1,800万枚生成——この数字の裏側を教えてください
髙橋: 正直、ここまでのスピードは想定していませんでした。2022年2月にMeltlyを設立して、Days AIをリリースしてからユーザー数がぐんぐん伸びて、気がついたらApp Storeの評価が4.6をいただいていて。Forbes Japanの「JAPAN'S AI 50」にも選んでいただきました。
月に1,800万枚以上ということは、裏側のインフラもそれだけの規模を支えなきゃいけない。GPUの調達や推論の最適化は、エンジニアチームが日々格闘しています。累計で7億円以上の資金調達をしていますが、その大きな部分をモデル開発とインフラに使っています。
でも数字よりも嬉しいのは、ユーザーさんがDays AIで作ったキャラクターに本当に愛着を持ってくれていることですね。「この子がいるから毎日楽しい」というレビューを見ると、やっていてよかったなと素直に思います。
Q. ユーザーの使い方で驚いたことはありますか?
髙橋: たくさんあります(笑)。一番驚いたのは、AIチャット機能の使い方ですね。キャラクターに性格を設定してチャットできる機能があるんですが、ユーザーさんが設定する性格のバリエーションがすごいんです。「ツンデレだけど猫アレルギー」とか「元魔王だけど今はコンビニバイト」とか、もう小説のキャラクターを作り込むみたいな感じで。
あと、コミュニティ投稿でユーザー同士が「うちの子」を見せ合っている空間が、すごく温かいんですよ。「この子かわいい!」「このテンプレートでうちの子も作ってみた!」みたいなやり取りが自然に生まれている。運営が仕掛けたわけじゃなくて、ユーザーさんが自分たちでカルチャーを作っているのがありがたいし、面白いなと思っています。
Q. これからDays AIをどうしていきたいですか?
髙橋: Meltlyのミッションは「心の琴線に触れるサービスを通じて、日常に感動と価値を提供する」で、キャッチフレーズは「Color your everyday.」です。社名の「Melt」には、人と技術が自然に溶け合う社会を作りたいという想いを込めています。
Days AIでいうと、「うちの子」との体験をもっと深く、もっと広くしていきたいですね。イラスト生成だけじゃなくて、キャラクターと一緒に過ごす時間そのものを豊かにしたい。チャット機能はまだまだ良くできるし、動画や音声にも広げていきたいですね。
あとは、日本だけじゃなくてグローバルにも届けたい。「うちの子」文化は日本発ですが、海外にもOriginal Characterを愛する文化があって、実は相性がいいんですよ。AIの力で、どこの国の人でも自分だけのキャラクターを持てるようにしたいですね。
東京大学で学びながら会社を経営していると、「大変でしょ?」とよく聞かれるんですけど、睡眠時間は減りましたけど(笑)、でもSlackでユーザーさんの投稿が共有されてくると「やっぱりこれ面白いな」ってなるので、不思議と辛くはないですね。
一緒に「うちの子」文化を広げませんか?
60万人のユーザーが毎日キャラクターを作って、イラストを生成して、チャットして、見せ合っている。Days AIはそういうアプリです。
イラストやアニメが好きで、AIで何か作ってみたいなと思っている方がいたら、Meltlyにはエンジニア・デザイナー・マーケターなどいろんな関わり方があります。
ちょっとでも気になったら、まずカジュアルに話してみませんか?