※この記事は2023年3月に公開した以下noteの引用です。
初めまして、株式会社LOCKER ROOMで、webtoon(縦読みフルカラー漫画)のプロデューサーをしております、堆朱(ついしゅ)です。
今回は、全くの未経験から、webtoonのプロデューサーをしている自分が、実際の仕事内容ややっていて楽しいこと、辛いことなどをお伝えし、少しでも多くの人に、この職種・仕事に興味を持っていただけたら嬉しい!という気持ちで書きます。
LOCKER ROOMのプロデューサーについて
webtoonのプロデューサーは、おそらく会社によってやることが全然違います。なので最初に、LOCKER ROOMのwebtoonプロデューサーは何をしとるん?について軽くご紹介します。
一言で言うと、『作品をプロデュース』しています。
まあ「プロデューサー」なので、そのままですね。
ざっくりとですが、
- 企画・原作開発 = 物語を考える、創る
- 制作 = 実際に作品を制作する
- 販促 = 制作した作品を多くの人の手に届ける
- KPI管理 = 売上予測、コスト管理、売上責任、各種数値の改善
などをメインに、作品に関わるほぼ全てのことを担当しています。なんか、普通に幅広ぉ〜?ですね。笑
頭を捻って面白い企画を考えている時もあれば、進んでいる企画の人物設定を詰めまくっている時もあります。かと思えば、スプレッドシートで大量の数値と向き合う時も、マーケティングのことを考えてTikTokとYouTubeを周回している時もあります。クリエイターさんも自分で探しますし、漫画の編集作業で女の子の爪を塗ってる時も、ぎりぎりで急いで入稿作業をしている時もあります。
映画やドラマ、ゲームのような大きなコンテンツとなると、ここまで一人でやることは、ほぼないと思います。また、漫画を制作している会社でも、上記のような役割を分業で回している会社さんも多いと思います。従来の漫画編集者、ともまた全然違う仕事内容なのではないでしょうか。(もちろん、重なる部分もありますが・・・)
これは単純に、LOCKER ROOMの規模の問題もありますし、人が増えたら分業する部分も出てくると思っています。
ですが、プロデューサーが全ての工程に責任を持ち、最高のアウトプットを出すために頭を悩ませることは今後も変わらないと思います。
と言うのも、作品作りに対する考え方として私たちはよく、「プロデューサーは作品と共に死のう」と言っています。(社風がちらつく・・・笑)
死ぬ、と言う表現が正しいかどうかは不明ですが、プロデューサーが命をかけるくらい心血注いで作品作りをしないと、原作開発会社としてヒットIPは生み出せないと考えています。
「左利きのエレン」作者のかっぴー先生も、漫画を売るために必要なことは「作品と心中する覚悟」だと述べています。
本当に、何年も連載して物語を作り続けるのって常人がなせる技じゃないです。マジで想像を遥かに超える大変さです。作品に愛がないと、死ねる覚悟じゃないと、なし得ない術なのではないでしょうか。
未経験で漫画プロデューサーに
ここで、私の話に戻ります。私はLOCKER ROOMに、未経験で入社しました。未経験ってどのレベル?というと、エンタメ業界で働くことにかすりもしてない人生だったくらいのレベルです。もちろんwebtoonなんて言葉も聞いたことありませんでした。
大学生の頃は、塾のチューターを3年(ほぼ営業)、ITベンチャーの長期インターンで新卒採用業務を1年、新卒でまた別の、HRtech系のITベンチャーで営業とマーケティングを2年半、、、と言った具合に、全くもってエンタメ業界とは無縁の仕事をしてました。絵も全く描けませんし、小説のような文章も全く生み出したことがありません(趣味含め)。
多分、入社するまでに見た事のあるアニメの数より、知っている人材サービス・人材紹介会社の方が多かったと思います。
前職で好きだった仕事は、KPI数値管理表の作成、マーケティングツールの勉強と設計、事業戦略から分解したチーム目標の設計、マニュアルなどの資産のアセット化、などでした。(Salesforce恋しい・・・)
そんな私がなぜwebtoonのプロデューサーをしているのか、の入社理由的な部分は、正直タイミングやら運やら勢いやらがほとんどなのでわざわざ記載しません(もし機会があれば別のnoteで・・・)。
とはいえ、「未経験で入社してみてどうだったか?」ということをお伝えすることは、今後どんなキャリアを歩もうか迷っている人や、エンタメ業界には無縁だと思っていたけど、、と思ってる人にとって、選択肢を広げることになるのではと思っています。
仕事がこんなに面白くていいの・・・?
別に引きの強いタイトルをつけたいわけじゃありません。本当に、この仕事をし始めて6ヶ月間、自分でもびっくりするくらいに仕事が面白いんです。
毎日毎日、忙しいし難しいし、エンタメの知識って無限すぎて追いつかないし、大変なことは多いはずなのに、とんでもなく面白くて、ハイな状態が続いている感覚です。
あれ、これもしかしてハイが切れた瞬間終わる感じの・・・?と思う時もありますが、そこまではまだ自分自身よくわかってないので、一旦今のまま突き進もうかなと思います。
さて、何がそんなに面白いんだよという話については、言語化し切れていない部分もありますが、大きく3つあります。
- 自分の作品が世に出て、ヒットする(かもしれない)ワクワク
- 面白いを追求する仕事
- 推進力が身につき、自分で色々なことを前に進められている感覚
1.自分の作品が世に出て、ヒットする(かもしれない)ワクワク
そもそも、私はエンタメコンテンツをひたすらに消費する側でした。漫画にはあまり触れてきませんでしたが、小学生の頃からドラマが大好きで、1クールに10-15本くらいのドラマを見ていました。
大学生の頃はYouTubeに張り付いていましたし、韓国ドラマも何本も見ました。Kpopアイドルも好きで、カムバックするたびに全てのステージを見尽くします。
そんなこんなで、映像ではないにせよ、自分がエンタメコンテンツを作る側に携わっていることが奇跡なのではといまだに思うくらい、純粋に自分で作品を作れることにワクワクします。
また、自分の作品がヒットしたら、ドラマ化やアニメ化、映画化なども不可能な世界線ではありません。サレタガワのブルー、夫を社会的に抹殺する5つの方法などは、webtoon原作の実写ドラマです。韓国ではもっと前から、梨泰院クラスや女神降臨などがドラマ化されました。普通に考えて、自分にその打席が回ってきていること自体、意味がわからなくないですか!?笑 自分の作品がドラマ化したら、多分泣きますよ私は。。。
LOCKER ROOMの今後の戦略などは、ぜひ代表のnoteをご参考ください
2.面白いを追求する仕事
全ての作品制作において、「良い」を追求する仕事です。良いというとフワッとしていますが、ほぼほぼ「面白い」に集約されます。
すごくすごく当たり前のことを言いますが、ユーザーは、読んでいて面白いから、読み続けてくれるのです。「便利」とか「コスパがいい」とか、そんなことはほとんど有利にならない世界線です。
もちろん、「良い」や「面白い」は、自分の感覚だけではありません。他の作品を読んで、見て、分析して、共通点を見つけて、自分の作品にも反映していく。そんな「面白い」という感覚を言語化して形作る仕事が、今までの私の中には無い仕事の仕方で、めちゃくちゃ楽しいです。
3.推進力が身につき、自分で色々なことを前に進められる
プロデューサーの仕事をして得たスキルはいろいろあります(どれも前提まだまだではあるのですが、、)。毎週いくつもの資料を作るので、資料作成力もつきましたし、とにかく利益とコストを考えるので、コスト意識力みたいなものも強くなりました。他作品のヒット要素を分析する力、言語化して抽象化する力も必要です。
その中で"自分的に"最も成長した実感があるのは、”推進力”です。物事を前に進める力が、プロデューサーには必須で、自然と鍛えられました。
多くの人を巻き込んで、自分の意志で考えて実行して物事を前に進めるのって、すごく大変じゃ無いですか。すでにある解決策、手段の中で、最大化させながらアセットを増やしていく方が、私にとってはやりやすくて、自分としても得意だと思っていたんです。今思えば、そっちの方が楽だから、逃げてたんだと思います。
でもいざ、それが不可欠な環境になり、やってみると、大変だけどやりがいがある、自分でやった実感がある、楽しい、、!そんな感じでした。(あまりにも語彙力がなく伝えきれなくて辛い・・・)
0から企画/課題を生み出して、自分の意志で、自分が一番前に立って何かを進めることって、大変だけど何にも変え難い感覚が得られ、モチベーションとなって楽しめるんだと、やっとこさ実感しました。。(遅)
今の所、この仕事をしていて一番よかったポイントは、自分に推進力がつき始めてきたことです。前までの私を知っている人ならうなづいてくれるはず、、
怖さ・大変さ・悔しさ
もちろん、この仕事ならではの大変さや怖さもあります。
怖さ
自分の作品が受け入れてもらえるかは、世の中に作品を出してからしかわからないので、作ってるだけの1〜1年半の間は、ひたすら耐えるしかないのです。そして、お金の面でも自分の作品に数百万〜数千万がかかっています。多分、リリース前とかは死ぬほど胃が痛くなる未来が見えますが、それでもやっぱり、「面白いなあ」という感情は消えない気がします。
基本、常に怖い。
大変さ
忙しいです。
悔しさ
これは私ではなく、弊社の他のプロデューサーが強く感じていることですが、世の中にヒット作と呼ばれる人気の作品が出るたびに、悔しいです。
純粋に作品を楽しみたい気持ちはあるけど、「なんで自分には作れないんだ」と、悔しくて悔しくてたまらなくなる。
音楽は好きだけど、上手い人の音楽を聞くと嫉妬と悔しさで頭がいっぱいになる、そんな感覚と似ている気がします。私が学生時代の時にとても感じていました。
エンタメコンテンツは純粋に楽しむものなのに、、というところは、一種の職業病ですね。
一緒に苦しんで楽しんで、最高の作品を世の中に届けませんか
忙しい要因の一つは(いや、五つくらいは)、プロデューサーが足りていないことです。タスケテー!🔥
ここまで読んでいただけたら伝わっているかと思いますが、業界未経験でもそこまで問題ありません。(問題ないだけで、大変なことは山積みでしたが・・・)
作品が世に出ることにワクワクできるか、胸を高鳴らせて作品と一緒に死ねるか、というスタンスの方が遥かに大事だと思っています。
私が「面白い」と感じるポイントに少しでも共感していただき、「やってみたい」と思っていただけた方、是非一度お話しましょう!
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