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【AI領域】『機械学習』・『数理最適化』の先端技術の実務適用で、広告業界に革新を!

「マーケティング×テクノロジー」の力で、社会と生活者に新しい価値・体験を提供する博報堂テクノロジーズの社員インタビューです。今回はプロダクト開発センターの、プロダクトの頭脳となる「Sophia AI」の開発をリードしている、AI研究開発部部長の川上さんにお話を伺いました。

Q1 今までのご経歴を教えて下さい。

以前は、広告業界とは全く関係のない研究・仕事に従事しており、かなり変わった道を歩んできたなと個人的には思っています(笑)

大学時代は、純粋に面白い研究がしたい気持ちから、宇宙物理を専門とする研究室に入り、大学独自で開発している人工衛星の検出器開発に没頭していました。昼夜を問わずに実験・開発に明け暮れる日々で、物理の研究というよりは、回路設計やFPGAプログラミング、信号検出ロジックの設計などエンジニアリングに近い開発ばかりしていました。

大学卒業後は、「宇宙はロマンはあるけど一度打ち上げたら触れないし、直せないから準備大変!自分の手で触れられる範囲でダイナミックなものを作りたい」という思いから、宇宙業界から全く毛色が全く異なる、大手の鉄鋼メーカーに就職しました。

鉄鋼メーカでは、計測・制御を扱う研究所に配属され、ここで初めて今の業務で私が専門としている「数理最適化」との出会いがありました。鉄鋼メーカー時代は、「数理最適化」技術を用いた鉄鋼サプライチェーン最適化業務に関わり、国際学会への登壇、投稿論文の執筆や、大学の博士課程に進学する機会など、大変貴重な経験を沢山させていただきました。

Q2 転職したきっかけは?

転職のきっかけは、すでに入社していた、大学時代の友人から声をかけられたことがきっかけです。当時はインターネット広告業界について,ほとんど何も知らない状態でしたが、

  • 業界の規模が年々拡大しており、マスメディアに匹敵する市場規模まで発展し、かつ、今後も継続的な成長が見込まれていること
  • AI技術の発展に伴って、広告業界に大きな変化が起こっており、技術開発を先導することで、トップランナーになれる可能性があること
  • 広告業界はデータが豊富にあり、データに基づいた意思決定の素地が整っていること

に魅力に感じ、転職を決意しました。特に、鉄鋼業界は、研究成果がなかなか実用化できないことにジレンマを抱いていたので、豊富なデータを用いて他業界に比べて比較的低いハードルで数理最適化や機械学習の実用化ができると思えたところが決め手でした。

Q3 現在のお仕事内容は?

現在は、データサイエンティストとして、主に、Amazon, Google, Yahoo, Facebookなどを対象とした広告運用ツールを裏側で動作する機械学習エンジンのロジックを開発しています。広告運用では、限られた広告費用に対して広告の効果を最大化することが求められます。これを実現するためには、広告費用に対する効果の予測モデルと、その予測モデル上における最適な予算配分を決定する必要があります。予測モデルを構築するためには、機械学習の知識が、予測モデル上での最適化には数理最適化の知識が求められ,とても幅広い知識が要求される刺激的な仕事だと感じています。

Q4 仕事で、面白いさや、やりがいを感じるところは?

プロダクト開発センターでは、データサイエンティスト、プロダクトオーナー、エンジニアが一つのチームとなって開発しているので、前職時代に比べてPoCで検証した内容が本番環境で実際に動くまでの期間が短く高いスピード感を持って仕事できていることに、やりがいを感じています。

また、実際にアルゴリズムを本番環境に適用してみるとPoCでは再現しなかった問題も続々と発生することがわかりました。これら実際に動かしてみないとわからない問題に対して、頭をフル回転しながらロジックを作り込んでいく作業は、とてもやりがいがあって面白いです。

さらに、研究のクオリティも、大学や外部企業と共同研究を活用しながら、最先端の研究を進めることができている点も魅力的です。実際、私も日本オペレーションズ・リサーチ学会で発表しましたし、オンラインでの国際学会での発表等もあります。

私以外にも、人工知能学会に2本論文が採択されましたし、他のメンバーも積極的に学会発表しているので、日々知的刺激を受けながら仕事を進められています。今後は、国内のみならず、国外の著名な学会にも論文を出す計画もありますので、世界最先端の研究ができています。

Q5 仕事で、難しいと思うところや、現在の課題は?

物理学科を出て、鉄鋼メーカの研究者というキャリアから、180度異なる広告業界に転職したので、入社直後はドメイン知識が少なく、はじめて触れる業界用語も多かったため、キャッチアップがとても大変でした。

ただ、今のチームでは、業界用語や技術内容など必要な知識は全て文章としてまとめる文化があるので、わからないところ調べれば大体資料として出てきますし、調べても出てこなかった内容は、自分でまとめることを習慣化することで、今では業界用語が多用される場でも、物怖じせずについていけるようになりました。

また、チームの開発は、基本スクラム開発でクラウドサービスを利用した開発が行われていますが、前職までは、ウォーターフォール開発&オンプレという伝統的な方法で開発していたので、最近流行りの開発フローに慣れるまでかなり時間がかかりました。しかし、今の開発手法に慣れていくにつれて、世の中にはこんなに便利なサービスや方法があったのかと、何回も感動したことを覚えています。

現在は、環境にも慣れて、機械学習や数理最適化に関わる論文を毎日読みながら、PoCをスムーズに進められるようになりました。ただ、この業界は非常に技術の発展のスピードが速く、また分野も多岐にわかるため最新の研究動向をキャッチアップするだけでもかなり労力がかかります。

また、広告業界の技術は、GoogleやAlibabaなどのプラットフォーマーが開発した技術が多く、広告代理店に求められる複数プラットフォーマーを横断した運用最適化技術や、クリエイティブの作成技術は、まだまだ発展途上にあるため、既存の論文だけでは、簡単に実用化に至らないところなど、技術的な課題が多いなと感じています。もちろん、そういった技術課題に、最新の技術を用いて正面から向き合えるところが、今のチームでの一番の働きがいです。

Q6 リモートワーク中心の働き方が定着していると思いますが、気分転換の方法や休日の過ごし方は?

テニスが趣味なので、週に一回はテニススクールに通ったり、コートが取れれば友人たちとテニスをしたりしてリフレッシュしています。また、ゴルフも月に一回くらいのペースでコースを回っています。この前やっと100を切りました。他には、在宅中にやることがないので、アコースティックギターを買って夜練習したり、アクアリウムだったり、家庭菜園で野菜や果物を育てたりして癒しを得ています。

Q7 チームの好きなところや、良いと思っている点は?

チームの好きなところは三つあります。

一つ目は、仕事をより効率的に実行するための、PDCA環境が整っているところです。プロダクト開発センターではスクラム開発で必要な会議を除いて、無駄な会議は極力排除するように心がけています。なので,作業に費やせる時間がとても多いです。また、仕様・設計は全てドキュメント化する文化であり、そのドキュメントが全員の目で見られる形で公開されているので、認識齟齬が少なくなり、結果的に会議の時間が減らせています。

また、仕様・設計は全てドキュメント化する文化であり、そのドキュメントが全員の目で見られる形で公開されているので、認識齟齬が少なくなり、結果的に会議の時間が減らせています

さらに、リモートであっても、積極的なコミュニケーションが図れるように、個人のtimesチャンネルをslack上に設けています。困ったときはslack上で助けを求めるように徹底しているので、作業に詰まった時間が少なくなり、効率的な業務に繋がっています。


二つ目は、高い能力をもつ、企画者、エンジニア、研究者が揃っているところです。

何かの方針を議論するときでも、全員で議論すれば大体数分で方針がバシッと決まるので、仕事をしていてとても気持ちが良いです。
また、コーディングに対しては、テストもしっかり書きますし、計算量の観点まで含めてコードレビューをいただけることも多いので、プログラミングに対する深い知識を身につけることもできます。

三つ目は、データサイエンティストとして働く上で理想的な環境が整っていることです。

プロダクト開発センターには、広告運用の過去の膨大な実績データを保有していますし、そのデータを利用して実機に適用できる環境が整っています。さらに大学との共同研究も自由にできますし、その成果を学会に発表することも自由です。

データサイエンティストとして働く上での障害はほとんどなく、あとは自分がどこまでやり切れるかという状態まで持っていかせてもらっているところが、このチームの好きなところです。

Q8 今後のご自身のキャリアや展望は?

今後、個人的には、数理機械学習の分野の中の一つで,最も知見が深い研究者になることを大きな目標にしたいと考えています。世の中の研究者の、素晴らしく美しい技術に常に触れながら、自らその研究をリードする存在になりたいという思いがあります。

そのためには、毎年一本以上、Top Tierの国際学会で発表を続けていること、INFORMSなどトップレベルの学会誌に毎年1本以上論文が採択されていることがまずは必要だと考えており、この目標を達成したいです。

Q9 どのような方と一緒に働きたいですか?

成長意欲を持って、自立自走できる方と一緒に働きたいです。数理最適化や、機械学習の分野は非常に発展が早いので、最先端の研究動向を自らキャッチアップする能力が求められます。

また、プロダクト開発センターでは研究して終わりではなく、その技術を実際に動かすところまで落とし込む必要があるため、pythonなどのプログラミング技術やAWSやGCPなどのクラウドコンピューティング技術に触れる機会が多くあります。

初めからこれらの技術を全て把握できる人はほとんどいないと思いますので、新しく触れる技術を楽しみながら、自ら考えて習得できる能力が求められると思います。



プロダクト開発センターでは、おかげさまでプロダクトが急拡大しており、広告業界の実データを利用した革新技術を研究開発するデータサイエンティストを大募集しています!機械学習やオペレーションズ・リサーチの技術を実世界に適用し、世の中にインパクトのある研究成果を残したい方を大募集しております!少しでも気になっていただけた方は、まずはカジュアルからでもお話しかけてください!

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