人物紹介|経営企画室・営業チーム/井上 玲奈(いのうえ れいな)
今回インタビューしたのは、経営企画室の営業チームで活躍している井上玲奈さん。
食や農業を起点とした事業づくりから、地域活性化、災害支援など、さまざまな領域で経験を積んだ後、カナダへの語学留学を経て2025年にサラダボウルへ入社しました。
一見すると異なる領域を歩んできたように見える井上さんですが、そのキャリアを振り返ると、彼女が仕事を選ぶうえで大切にしてきたものが見えてきます。
そして実は、井上さんがサラダボウル代表の田中や、取締役の橋本と初めて出会ったのは、約10年前のこと。
これまでどんな思いでキャリアを選び、経験を重ねてきたのか。そして、10年前の出会いが、なぜ再びサラダボウルへとつながったのか。その歩みを振り返ります。
「自分の知らない世界を見てみたい」
── まず、これまでのキャリアにつながる原点について教えてください
私は、青森県弘前市で育ちました。
幼少期から本を読むことが好きで、自分が暮らしている場所の外に広がる世界に好奇心を持っていました。
実は、中学生の頃には不登校になった時期があるんです。
もともとコミュニケーションが得意なタイプではなく、人に合わせて話をしたり、周囲との関係に気を配りながら、毎日同じ空間で同じ人たちと過ごすことに息苦しさを感じていました。「今いる場所とは違うところに、自分の居場所があるんじゃないか」という気持ちがあったように思います。
その頃からNPOやNGOの記事をスクラップしたり、国際課題に関する書籍を読んだりするようになり、普段の生活ではなかなか目を向ける機会のない場所で、どんな人たちが暮らし、どんなことが起きているのかに関心を持つようになりました。
高校卒業後は、国際協力や地域研究に関連する「開発学」を学ぶため、大阪外国語大学大阪外国語大学(現:大阪大学外国語学部)へ進学しました。中でも海外の貧困や紛争について学びを深め、3年次に、独立をめぐる紛争を経験した東ティモールへ留学しました。
東ティモールで考えた、「外から来た自分に何ができるのか」
── 東ティモールでの経験は、その後のキャリア選択にも影響していますか?
東ティモールに渡航する前は、「紛争を経験した国」という印象にとらわれていたのですが、実際に行ってみると、そこには復興を経た人々の日常がありました。
もちろん、暮らしの中にさまざまな不便はありました。でも、外から来た私が一時的に支援するだけで、本当にその地域がより良くなるのだろうか、と考えるようになったんです。
その土地で暮らし続けていくのは、そこに根付いている人たちです。
だからこそ、地域の人たちの「こうしていきたい」という意思を尊重しながら、その実現を外から支えていく。
東ティモールでの経験を通じて、そんな関わり方をしたいと思うようになりました。
地域の人たちが大切にしてきたものを残していくこと。そして、そこで暮らす人たちが生きやすい仕組みをつくること。
このとき芽生えた考え方は、その後の私の仕事選びの軸になっています。
食、農業、地域、災害支援。領域を越えて重ねた経験
── 大学卒業後は、どのようなキャリアを歩んできたのでしょうか?
大学時代はNPOやNGOにも興味がありましたが、まずは日本の一般企業で社会人としての経験を積もうと考えました。
新卒で入社したのは、長野県に本社を置く食品メーカーです。大学で地域開発を学んでいたこともあり、「ローカルビジネス」に関われること、そして「食」や「農業」に近いことに惹かれました。直営店での接客や店長業務から、本部での物流・販促まで経験し、一つの商品がお客様に届くまでに、想像していた以上に多くの人が関わっていることを知りました。
その後、故郷である東北の復興に携わりたいという思いから、 福島県いわき市の農業法人へ。農業複合施設の立ち上げメンバーとして、イベント企画や団体客の受け入れ、取材対応、Web・SNS運営など、集客に関わる仕事を幅広く担当しました。
施設の立ち上げが一段落した後は、岩手県二戸市で地域雇用や観光振興に関わる団体 へ参画。地域の方々と関係を築きながら、伝統工芸やローカルグルメなど、その土地にある魅力を掘り起こし、観光資源として発信する仕事に携わりました。
そして次に選んだのが、災害時の緊急支援や復旧・復興支援を行う公益法人です。
大学時代から関心を持っていた「支援」の世界に立ち返り、災害発生時には現地で必要な支援を見極め、平時には企業との関係づくりや、寄付・クラウドファンディングなどのファンドレイジングを担当しました。
災害支援には、「これをやれば正解」という答えがありません。その都度、現地で暮らす人たちに何が必要なのかを考え、緊急支援の先では、地域の人たち自身が復興していく過程を支えていく。
支援する側が答えを決めるのではなく、そこに暮らす人たちを主体に考える。
振り返ると、東ティモールで感じた「外から来た自分に何ができるのか」という問いにも、つながっていたように思います。
実は10年前に出会っていた、サラダボウル
── サラダボウルとの最初の出会いは、入社する約10年前だったそうですね
そうなんです。最初の出会いは、2014年頃に参加していた「東北復興・農業トレーニングセンタープロジェクト」でした。
当時は長野で働いていたのですが、夜行バスに乗って週1回東京へ通い、農業ビジネスや地域づくりについて学んでいました。東北の農業経営者と東京のビジネスパーソンが一緒になって、農業を起点とした地域の活性化について考え、実際に東北へ足を運びながらプロジェクトをつくっていく取り組みです。
そこで講師を務めていたのが、サラダボウル代表の田中さん。そして、同じプログラムには、現在サラダボウルの取締役である橋本さんも参加していました。
プログラムでは、講座で学ぶだけでなく、参加者同士で自主的にフィールドワークを企画・実施する機会もありました。私自身も、岩手県の果樹農家さんとパティシエをつなぎ、地域の果物をお菓子づくりに活用してもらう取り組みなどに関わりました。
橋本さんとも、プログラムやフィールドワークを通じて接点がありました。
当時はもちろん、約10年後に田中さん、橋本さんと同じ会社で働くことになるとは想像もしていませんでした。
「懐かしい」が、キャリアの選択肢に変わるまで
── 10年前の出会いが、どのようにサラダボウルへの入社につながったのでしょうか?
公益法人を退職した後は、自分自身のスキルの幅を広げたいという思いで、カナダへ語学留学しました。
帰国後に転職活動を進めていた時期に、Wantedlyを通じてサラダボウルからスカウトをもらったんです。正直、最初は「懐かしいところからスカウトが来たな」というくらいの感覚でした(笑)。
でも、カジュアル面談で現在のサラダボウルについて話を聞いたことで、印象が変わっていきました。
10年前のサラダボウルは、私の中では「農業者」という印象が強かったんです。
それが、会社として規模を拡大し、農場以外にもさまざまな役割や仕事が生まれていることがわかりました。 田中さんとの面接では、物流の最適化や「イチゴノオカ」の6次化事業などの話も聞き、「これまでの経験を活かして、自分にもいろいろな挑戦ができそうだ」と、少しずつサラダボウルで働くイメージが膨らんでいきました。
実は当時、非営利団体からも内定をいただいていたんです。
最終的にどちらを選ぶか考えたとき、改めて対峙したのが、「これからどんな仕事をしていきたいのか」という自分自身のキャリアの軸でした。
これまで地域づくりや災害支援に携わる中で、ずっと向き合ってきたのは、その土地に根付く人たちの思いを起点に、地域に必要なものや仕組みをつくっていくことでした。
サラダボウルが目指していることも、ただ会社を成長させ、農場を増やしていくことではありません。その地域に必要とされる事業をつくり、雇用を生み出し、農業という産業を地域に根付かせていく。その姿勢が、これまで自分が大切にしてきたことと重なったんです。
ここなら、これまでの経験を活かしながら、私が望む形で地域に関わっていける。そう思えたことが、サラダボウルへの入社を決めた理由でした。
「これならいいよね」と思える仕組みをつくる
── 現在は、どのような仕事を担当していますか?
現在は経営企画室の営業チームに所属し、サラダボウルとして初めて栽培に挑戦しているイチゴの販路開拓をメインに担当しています。
今季が初めての出荷となるため 、収量を見ながら販路を開拓し、農場と取引先の間に立って、価格や販売量を調整しています。収穫されたイチゴをどう売り、どう届けるかまでを考えるのが私の仕事です。また、既存品目であるトマトやレタスについても、 より効率的にお客様のもとへ届けられるよう、在庫や物流の仕組みづくりにも取り組んでいます。
物流の重要性は、これまでに何度も実感してきました。食品メーカーでは、物流の仕組みが整うことで店舗運営がよりスムーズになることを経験しましたし、公益法人での災害支援では、物資を用意するだけでなく、必要としている人のもとへどう届け切るかという「ラストワンマイル」の難しさを経験しました。
業界は違っても、「ものをどう届けるか」は事業を支える大切な部分だと思っています。配送ルートや積載効率など、物流にはまだまだ工夫できることがあると感じています。
今の仕事でやりがいを感じるのは、農場にとっても取引先にとっても、無理なく続けられる形をつくれたときです。どちらか一方ではなく、双方が「これならいいよね」と思えるカタチを探していくことを大切にしています。
異業種での経験も、サラダボウルでは強みになる
── これから挑戦したいこと、そしてサラダボウルに興味を持っている方へメッセージをお願いします
まずは、今担当しているイチゴの販路をしっかりと確立していきたいです。
これまで食や農業に近い仕事に携わってきましたが、農業法人で働くのはサラダボウルが初めてです。実際に働いてみると、まだまだ知らないことも多いので、これからもっと農業について学び、経験を積んでいきたいと思っています。
一方で、異業種出身だからこそ発揮できる力もあると感じています。私自身、まさかこれまで培ってきた物流の知見を、サラダボウルで活かすことになるとは思っていませんでした。
サラダボウルは今、事業も組織も広がっている途中です。だからこそ、農業経験の有無にかかわらず、これまで培ってきた経験を活かせる仕事や、新たに挑戦できる役割が見つかると思います。
もちろん、知らない業界に飛び込む以上、自分から学んでいく姿勢は必要です。でも、「農業の経験がないから」と選択肢から外してしまうのではなく、少しでも興味があれば、まずは話を聞いてみてほしいですね。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
さまざまな業界で培ってきた経験が、思いがけない形で活きることもあるサラダボウル。農業の経験がなくても、それぞれの強みや専門性を活かしながら、新しい挑戦ができる環境があります。
「これまでの経験が、サラダボウルでどう活かせるんだろう?」
少しでもそんな興味を持っていただけたら、ぜひ一度、カジュアル面談でお話ししてみませんか。
サラダボウルの事業や仕事のこと、実際の働き方についても、ざっくばらんにお伝えできればと思います。