少しご無沙汰です、はよんです!
今週は子ども達の運動会がありました。
子ども達が通っている小学校では実に3年ぶりの運動会で、開会式の挨拶で校長先生が涙ぐんでいる姿を見て、私ももらい泣きしてしまいました。(校長先生は今の小学校就任して3年目で初めての運動会だったそうです)
と、プライベートもぼちぼち忙しいのですが、会社も少しずつできることからコツコツと水面下では動いています。まだまだ公にできない情報も多く、外野から見ると「メディカルギーク生きてる?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ご安心を!
めっちゃ生きてます!!!
さて本日はメディカルギークが作りたい世界、というか私がメディカルギークで実現したいことについて、ほとんど妄想ですが書きます。
メディカルギークのミッション
まず最初にメディカルギークのミッションのおさらいです。
私、本当にこのミッションとビジョンが大好きで、何回読んでも大好きです!!余談ですがこの文章は、結構時間かけてチームで何回も話し合いを重ねてようやく完成しました。スタートアップのこの時期にMVVはいらないというご意見もあったりしますが、私はこの時期から作って良かったと心底思っています!
これだけ読んでも「で、具体的に何?」と思われる方も多いと思うので、もう少し今の日本の看護師の現状と照らし合わせながら説明したいと思います。
看護師の「残業」について
現状病院で勤める看護師の多くが、前残業と後残業をしています。
残業というと通常、就労時間外労働の中でも就労時間終了後に残っている仕事をすることを指すと思いますが、看護師は就労時間開始前からも仕事をしているので、就労時間開始前の仕事を「前残業」就労時間開始後にする仕事を「後残業」と、ここでは便宜上表現します。
前残業について
まずは前残業について説明します。
私が勤めていた病院は、日勤の開始時間が8時でしたが、もう7時くらいから病棟にいる人もいました。
2017年に実施された看護職員の労働実態調査によると、どの勤務帯においても前残業をしている看護師が8割程度います。
何なら経験年数が若ければ若いほどその傾向にあって、実際私も1年目とか2年目くらいの時は7:10くらいには病棟に到着していた時期もありました。
余談ですが、「病棟到着」が7:10ということは実際病院に到着するのは7時前です。更衣室で着替えて、病棟まで移動して「病棟到着」になります。
「朝何時に来ようが自由じゃん!」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
確かに朝早めに出社してご自身のルーティーンをこなしたり、コーヒー淹れてゆっくり準備をしたりと、勤務開始前の時間の過ごし方は自由です。
看護師の場合、前残業はほぼ本人の自由意志ではなく、半強制的な場合が圧倒的に多いのです。
というかもう就労開始前に業務を始めないと間に合わないんですよ、就労開始前にある程度業務をしているという程で物事が進んでいるのです。
SNSを見ると、早めに来ないと上司や先輩に「遅刻」と言われる病棟もあるそうです。決して遅刻ではないのですが、いかに就労開始前に来るのが暗黙の了解になっているかがよくわかります。
(私が勤めていた病棟でも8時から日勤開始なのに、7:50に病棟にいないとリーダーが電話をしていました・・・)
だから上司から直接「最低でも日勤開始前の◯◯分前には来なさい」と言われなくても、多くの看護師が自ずと早めに出勤しています。というかせざるを得ない状況です。
後残業について
そして後残業、というか普通の残業はもう皆様ご存知の通り残務です。
就労時間内で終わらなかった業務を終わるまでこなします。
看護師は365日24時間勤務だから、引き継げば良くない?引き継げば残業なんかないでしょ?
と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、それは明確にNOです!
日勤では日勤の仕事があるし、夜勤では夜勤の仕事があります。
引き継げる業務とか引き継ぐべき業務と、引き継ぎではいけない業務とか引き継げない業務には明確な線引きがされています。
例えば、とある患者の家族が面会に来たら渡さなければいけない書類がある、でも今日家族が来るのが19時頃だ、となるとこの業務は明確に、日勤から夜勤へ引き継ぐべき業務です。一方で、日中にとある患者の髪の毛を洗う予定だったが、別の患者対応が重なり髪の毛をまだ洗えていない患者がいる、そしてもう夜勤と交代の時間になった、これは日勤から夜勤へ引き継げない業務です。この場合、髪の毛を洗うか、明日にずらしても大丈夫かどうか患者と調整をする等は、日勤が残ってするべき業務です。
そして多くの看護師がこの、引き継げない業務を勤務帯が変わっても残ってこなしています。
患者との関わりについて
このように多くの看護師が就労時間前後でも本当にたくさんの仕事をしています。
毎日めちゃくちゃ忙しいんです、そして頑張ってそれぞれ仕事をこなしています。
でも自分が十分な看護を提供できていると自覚している看護師は2割もいない現状があります。
こんなに仕事をしているのに十分な看護を提供できていないと感じている看護師が多いのは何故か、その背景の1つに私は患者やその家族と関わる時間が少ないことがあると考えています。
本当に悲しいです。
こんなはずじゃなかったのに、と思ったことのある看護師もいると思います。(私自身もそう思っていた1人です)
メディカルギークが目指すもの
メディカルギークはまず、看護師が就労時間前後の残業をほとんどしなくても良い環境を目指します。
正直、医療現場という特質上、後残業をほぼ無くすのは難しいと思っています。
勤務帯が変わる直前に患者さんの急変や処置の変更、想定外の対応等は、どうしても発生するのでそれに伴う後残業はもう無理だと思っています。
しかし前残業、あれは何とかなると思うし何とかするべきだと思っています。
早く職場に来たい人は来たら良いけど、来たくない人は就労開始時間ギリギリに来てもスムーズに仕事ができるような環境を整えます。
メディカルギークがすること
このような環境を整えるためには、全体的な業務量を大胆に減らさなくてはいけません。
単純に「前残業やめようぜ」という呼びかけや、「●時◯分より前には病棟に来てはいけません」と言った誰も守れないような無駄な規則を作るのではなく、全体量を調整しないと現場はまわりません。
(昨今の世の中の働き方改革の影響で、残念ながら実際にこのような対応をし「働き方改革してます」的なアピールをしている病院はたくさんあります)
ここでITーの出番です。
人じゃなくても良い作業は可能な限りITに代替してもらい、看護師の業務量を大胆に減らす、それが前残業の消失だけでなく、後残業の減少にも必ず繋がります。
「よっしゃ、じゃぁもうガンガンロボットとか機械に代替してもらおうぜ〜」
というノリかと言われると決してそうではありません。
メディカルギークが代替する部分はあくまでも人よりITの方が秀でている部分だけです。
とっても大切なことなのでもう一度言います。
人よりもITに任せた方が良い部分だけをITで代替します。
つまり、看護師がした方が良い部分は代替しません、だって看護師の方が良いですもん。
人には人の、ITにはITの良さがあります。両者で役割や得意分野が違います。
「どこでも何でもアプリ使おうぜ」
「今の技術で代替できる部分は全部機械化」
ではなく、人とITが担う部分の役割調整をして、ITの方が良い部分だけを置き換えます。
これがとても大切だと私は思っているし、これからも大切にしたい信念の1つです。
看護師の主な業務である療養上の世話と診療の補助の大部分は対患者や対家族、つまり対人業務です。
極端な話、私は対人業務はほぼ看護師がした方が良いと思っています。
「えっ!?」と思われる方も多いかもしれませんが、少なくとも今は明確にそう思っています。
だからメディカルギークは「おむつ交換ロボット」とか「食事介助ロボット」は作りません。
食事介助もおむつ交換も時間がかかるし1日の中で複数回ある業務なのでロボットが代替してくれると、めっちゃ看護師の業務時間の削減になると思います。
今の最新技術を駆使しまくりお金の心配をしなくてもよければ、本当に看護師がしているような「おむつ交換ロボット」ができる可能性は十分あると思います。
しかしあくまでも看護師と同じレベルだと思っていて、看護師を超えることは難しいと思っています。
看護師のおむつ交換は、単に「汚れたおむつを綺麗なおむつに交換する」だけではありません。
臀部の皮膚が乾燥していないか赤くなっていないかを目視で確認した上で、実際におむつ交換をする際に触って確認します。
皮膚に汚れが付着している場合は、心地の良い温かいお湯でガーゼを湿らせて、その人の皮膚の状態に合わせて優しく、でも汚れが落ちるくらいの絶妙な力加減でしっかり汚れを落とします。
その拭き取り作業によって皮膚にダメージがないかどうかも確認し、必要があれば最後に保湿剤も塗ります。
おむつ交換をした後は寝衣を整えて、チューブなどが当たっていないか確認します。シーツなどの寝具に汚れやヨレがないかも確認し、必要があれば取り替えます。
おむつに付着している汚物の量や性情も確認し記録に残しつつ、気になる点があったら医師に報告します。
「おむつ交換しますねー」という声かけに対して患者の反応があるかどうか、どういう反応をするかどうかで患者の認知機能を確認します。
「お尻あげてください」という声掛けに対して、患者がどれくらい動けるかどうか運動機能の確認もします。
そして患者に「もう少しです」「終わりました」と適宜声かけをして、患者がなるべくリラックスできるように心がけています。
これはあくまでも私がおむつ交換をする際の確認ポイントを今ざっと記載しましたが、これってきっと本当に基本のきの最低限で、きっともっと色々なことを考え工夫し実践している看護師は全国にたくさんいると思います。
看護って結構五感を使っているんですよ。
これらを全部、看護師以上に今のテクノロジーで代替するもはコスト面と技術面でも現実的ではないと考えています。
もちろんそこにチャレンジしてる会社も既に世界中にはあると思うし、素晴らしい最先端の技術で開発する会社があっても全然良いと思います。
ただ、メディカルギークはしないだけです。
ここまで読むと「看護師は常に患者の近くにいるから、そんな患者以外の業務ってあるの?」と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、実際看護業務の半分くらいは患者と関わる業務、そうでない業務が半分です。
だから結構あるんですよ、非対人業務。
メディカルギークはこの部分をなるべく減らします。
ここもゼロにはできないし、する必要もないと思っています。
患者さんについてのカンファレンスは絶対した方が良いしするべきです(就労時内に)
対応が難しい症例や困っていること、悩んでいることは看護師間ではもちろん、必要時は他職種も交えながら議論するべきだと思います。
実際今の医療現場で十分なカンファレンスを就業時間内で出来ている病院はかなり少ないのではないかと、個人的には思っています。
そして私個人としては、このカンファレンスを就業時間内で、十分にできるようにしたいと考えています。
だからカンファレンス以外の非対人業務も可能な限り減らす必要があります。
患者とその家族との時間をもっと増やす
そして、非対人業務が減った分、対人業務、つまり患者やその家族と過ごす時間の割合をもっと増やします。
これこそがミッションで述べている「寄り添うケア」に繋がります。
今の業務量のままではとてもじゃないけど患者さんやご家族に十分に寄り添うことは難しいです。
十分に寄り添うためには、看護師が何かを犠牲にしなくてはいけない状況です。
業務量が多すぎて、寄り添っている場合ではないです。
なんとか毎日を維持して事故とかヒヤリハットを起こさず、無事に自分の勤務を終えるだけで精一杯です。
みんな常にギリギリです。
そのギリギリの状況をなくすことでで看護師の心身はもちろん、時間にゆとりを作ります。
そして生じたそのゆとりは、今よりもっと患者さんやご家族と過ごすことに必ず繋がります。
全体の業務量を減らしつつ、業務の中身の割合を変える。
これこそがまさにメディカルギークが実現したいことです。
それだけって思われるかもしれませんが、これが本当に難しい。
全然出来ない。だから今の現場看護師爆死の現状があります。
「こんな世界が作れたら、もう最高じゃん♪」と私は思っています。
テクノロジーを使うって言ってはいるけど、作りたい世界は案外人間くさい世界です。
はよんが思っていること
ご存知の方も多いかもしれませんが、看護師は多くの子どもにとって憧れの職業です。
ずっと、将来なり対仕事TOP3には入っています。
看護師という職業に夢と希望を持った子ども達に少しでも良い社会を残したいと私は経営者として、看護師として、そしていち母親として最近思っていることです。
将来もし自分の子どもが、看護師なりたいと言った時に、堂々と心の底かあらお勧めできるようなそんな看護師の環境を作りたいし作るべきだと私は思っています。
より良い社会、より生きやすい社会をこれからの子ども達に残すことは、今を生きる大人の責務の1つだと思っています。
そして最後に私の夢について少しだけお話しします。(おばちゃんもささやかな夢を持っています!)
私は、ある程度時間内で仕事が終了し、対人業務をたっぷりできるようなこ環境で、看護師として現場で働きたいです。
私は「起業したい」とか「社長になりたい」「お金持ちになりたい」という理由で起業をしていません。
極論、自分が看護師として現場に戻れるような環境を整えるために会社を作りました。
だって誰もやってくれないですもん〜
だからってこれ、看護師として働きながらできる事じゃないですもん・・・
最初は看護大学の先生とか、病院の試聴とか、自分がどんどん看護業界の中で偉い人になって実践しようと思っていましたが、めちゃくちゃ時間かかるし、そもそもそこに至る前に子ども達のお迎えに間に合わないから仕事を続けられなかった・・・
だから会社作りました。
めっちゃ自己中に聞こえるかもしれないしけど、究極の理由はこれです。
患者さんやご家族と毎日わちゃわちゃしたいです。
だから早く作らないと、体力的に現場に復帰出来ないんです!
やらなあかんこと盛りだくさん!
まだまだ全然色々お話しできますが、そこそこ長くなってきたので本日はここまで。
この話を引き続きしたい方や、会社や事業に興味を持たれた方!
是非カジュアルにお話ししましょう〜