【第3条】では、外部環境の変化に強い会社に育てていくため、
多柱化経営では最低でも3つの柱を持つことをおすすめしました。
今回【第9条】では、新たな柱として立ち上げる新規事業をどのように決めるべきか解説していきます。
「社長自身がワクワクする事業」とは何か?
収益の柱を創るにあたり、社長自身がワクワクする事業とは
「儲かる事業」であると弊社は考えています。
「儲かる事業」だからこそ、事業の将来が楽しみになり、時間やお金を投資して情熱を注ぐことができます。
「儲かる」だけでなく「社長自身がワクワクする」を大事にする理由
強烈に人を巻き込み推進していく新規事業では、
社長自身がその事業にどれだけ可能性を感じワクワクしているか
が重要です。
「好きこそものの上手なれ」と言うように、
「やらなければいけないから」と消極的に始めることよりも、
「やってみたい」という前向きな気持ちで取り組むことのほうが、
上手くいくものです。
また、「多柱化経営」でいう既存事業とシナジーのない新規事業において、
「これだ」というチャンスで適任の社員がいることはまずありません。
育つのを待っていては機会を逃してしまいますので、
「先に新規事業を立ち上げれば勝手に人も育っていく」と割り切って、
走りながら環境を整えていく必要があります。
社員が提案してきた新規事業は柱にはならない
「社員が提案してきた事業であれば、最初から担当者をつけられる」
そのように思った方もいるかもしれません。
しかし、経営者と社員では見ている世界や日々触れる情報も違うため、
柱になるほどの事業にならないことも多く、
それが柱になるようであれば、
いずれその社員は、社内でその事業をせずに独立してしまうでしょう。
大きな「柱」となる事業は、やはり社長自らが生み出す必要があります。
「社長のワクワク」が周囲に与える影響
社長自身の情熱が周囲に伝わることで、
挑戦しもっと上にいきたい社員はついていき、
変わりたくない社員は去って、
結果として、組織に健全な新陳代謝も生まれます。
事業承継を考える上でも、
日々楽しそうに仕事をする様子は子どもにも伝わり、
親の仕事が素晴らしい仕事だということを
幼少期から実感しながら過ごすことができるため、
子どもが自分から会社を継ぎたいと思うようになります。
次の【第10条】では、立ち上げるべき新規事業について、より具体的な類型を解説します。