レイロで働くメンバーの素顔を、暮らしと仕事の両面から紹介する連載です。どんな人が、どんな街で、どんな思いでものづくりに向き合っているのか。一人ずつの言葉でお届けします。
今回は、バックオフィス担当の松井さん。経理・事務を担いながら、週末は編み物に没頭する、「つくることが好き」という芯を持ちつづけるメンバーです。
松井小百合(まつい さゆり)アパレル会社でフロアスタッフに従事した後に、バックオフィスとしてレイロにジョイン。趣味は編み物。帽子やマフラーをはじめ、ファンタジーの絵からインスピレーションを受けた作品なども販売する。
神戸は離れて、また選んだ街
私は大阪で生まれて、10歳から西宮へ。そこから中学・高校と神戸で過ごしました。放課後に友人とふらり、よく三宮や元町の街に出かけていました。
大学進学をきっかけに京都へ出て、一人暮らしを約4年。卒業後はしばらく実家に戻り、アパレル会社に勤務していました。
そこから、レイロに入社するタイミングで再び一人暮らしを始めて、また神戸に戻ってきました。
もともと芸術大学出身なので、デザインやクリエイティブまわりの事務ができたらいいな、と考えていたんです。そんなときに、偶然にも「クリエイティブ会社のバックオフィス」というレイロの求人を見つけて、ジョインすることになりました。
地元だった神戸が、今は働く場所でもあり、暮らす場所でもあり。時間は空いたけれど、学生時代に過ごした懐かしさが心に残っているからか、神戸での暮らしに不思議と緊張はなく、すぐにまた馴染めたように感じます。
休日の、私のつくりかた
休日はパン屋さんや雑貨屋さん、カフェなどをめぐったり、家で趣味の編み物をしたり。
編み物を始めたのは、大学の卒業制作がきっかけでした。知り合いの方から「廃業することになったから」とシルク糸を譲っていただいて、「もったいない」という気持ちで引き受けたのが最初。一度も編んだことがなかったのに、YouTubeを見ながら独学で覚えて、気づいたらどっぷりはまっていました。
今は、売るものと作品をわけてつくっています。帽子やマフラーのような手に取りやすいものと、ファンタジーの絵からインスピレーションを受けた、普段は着られないような衣装に近い作品と。「これをつくりたいからつくる」という気持ちだけが、出発点です。
最近特によく訪れているのは、旧居留地にある、アートギャラリーとカフェが一体になった「VAGUE KOBE」。期間限定でアーティストが入れ替わり、ギャラリーの展示も変わっていく。美術館ほど構えずに入れて、でも個展よりも少し広くて、「美術館と個展のあいだ」みたいに空間を楽しめる場所。訪れるだけで心が落ち着きます。
もうひとつ、神戸で特に好きなのが、学生のころから通っている神戸大丸の「CAFFÈRA(カフェラ)」。
昔とまた少し雰囲気が変わっているんですが、外のテラス席は今でも好き。季節の良い時期に、街を歩く人々を眺めながら、家族や友人とおしゃべり。ラテアートもかわいくて、シーズン限定のパフェも毎年の楽しみの一つです。
社会人になり友人と会う機会が減ったぶん、久しぶりに会うときはここで、という場所になっています。学生のときのしょうもない話を振り返ったりして、「あのころの自分」に戻れるような感覚があります。
神戸には、過去と今をつないでくれる場所が、自分の行動範囲のなかにある。それが、この街で暮らすことの心地良さなのかもしれません。
見えないところに、手をかける
チェーンでもフランチャイズでもなく、誰かのこだわりで成り立っているお店が多い。三宮から少し外れたエリアをぶらぶらしていると、そういうお店によく出会います。店主の人と話すと、「どんなことを考えてつくっているんですか」という会話が自然に生まれる。そのやりとりが、じわじわとインプットになっています。
たまに六甲山まで足を伸ばして、くねくねした道を抜けて、牧場で羊を見て、ソフトクリームを食べる。それだけで、頭がすっきりする。仕事とプライベートのバランスが、神戸にいると自然に取れる気がしています。
バックオフィスという仕事は、表から見えにくい仕事です。経理も事務も、誰かがやらないと会社は動かないけれど、前に出てくることはほとんどない。ただ、見えないところを丁寧に積み重ねることが、チームを動かす基盤になると思っています。
編み物も、同じ感覚につながっています。目に見えない構造を丁寧に組んでいかないと、作品として成立しない。一段一段が、最終的にかたちになる。
仕事も、趣味も、私にとっての「つくること」は、「見えないところを丁寧にやっていくこと」と、ずっとつながっている気がしています。神戸でこうして暮らしながら、そのことをじわじわと実感しています。
レイロには、それぞれのつくることを大切にしながら働くメンバーが集まっています。「こういう働き方いいな」と感じてもらえたら、ぜひ一度お話ししてみませんか?