一旗が手がけてきたプロジェクションマッピングの多くは、城や寺社を舞台にしています。国宝 松本城天守、会津・鶴ヶ城、富山城、岩崎城天守閣、浅草寺、高田本山専修寺、成道山大樹寺、国史跡 斎宮跡。文化財に映像を投影するという仕事が、実際にどういうものかをご紹介します。
まず、その建物の物語を読み解くところから
映像制作から始めることはありません。最初にやるのは、その場所の歴史を調べることです。誰が建て、何が起き、地域の人にとってどんな存在なのか。国史跡 斎宮跡では平安時代の斎王の物語を、大樹寺では重要文化財の杉戸絵を、それぞれ作品の中心に据えました。松本城であれば、国宝の天守がくぐり抜けてきた400年をどう1本の映像に落とすかを考えます。
派手な映像はどこでもつくれます。けれど「その場所でしか成立しない体験」は、その場所を理解しないとつくれません。ここに時間をかけるのが一旗のやり方です。
文化財を、傷つけずに扱う
文化財への投影には、通常のイベントにはない制約がかかります。建物に触れない、負荷をかけない、照度や熱の影響を管理する、機材の設置位置は限られる。所有者・管理者、行政、地域の関係者との合意形成も欠かせません。
一旗は50台を超える高輝度プロジェクターを自社で保有しています。機材を持っているということは、現場の条件に合わせて構成を組み替えられるということです。「この位置からは投影できない」となったときに、その場で代案を出せるかどうかが、文化財の現場では効いてきます。
そして、当日。
2025年、浅草寺史上初となる大規模プロジェクションマッピング「ASAKUSA CULTURE & LIGHTS 2025」を実施しました。5日間で15万人を超える方が訪れ、東京都・公益財団法人東京観光財団の「プロジェクションマッピング東京賞」優秀賞をいただきました。
大阪市中央公会堂での「OSAKA光のルネサンス2025」、会津・鶴ヶ城、富山城「エシックスライツ2025」、あなぶきアリーナ香川。そして国宝 松本城天守では、2024-2025、2025-2026と継続して開催しています。一度きりの打ち上げ花火ではなく、その地域の冬の風物詩として続いていくものにする。それが目指しているところです。
この仕事に関わる職種
演出とスケジュールを統括するディレクター、3DCG・映像を制作するクリエイター/エンジニア、世界観をつくるデザイナー/アーティスト、集客と収支を設計するプランナー/マーケター、そして当日の現場を回すオペレーター。文化財の現場は、この全員が揃ってはじめて成立します。
歴史ある建物に光を当てる仕事に興味のある方は、ぜひ一度お話ししましょう。