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メンバーに聞いてみた|賃貸エージェント おの

omusubi不動産の紹介をすると「いろいろなバックグラウンドの人が働いていて面白いですね」と言っていただくことがよくあります。きっかけはそれぞれ違うけれど、「omusubi不動産」という会社に集い、同じ方向を目指して日々精進しています。

omusubi不動産の一番の魅力は、一緒に働いているひとりひとり。どんな人が、どんなことをしているのか。どうやってomusubi不動産にたどりつき、一見、ちょっと変わった不動産屋で働いてみようと思ったのか。この連載では、omusubi不動産の日常の様子を覗きながら、なかで働くスタッフに話を聞いていきます。

プロフィール
1991年生まれ、埼玉県出身。服飾大学を出るも服がつくれず、ライター・編集者を志す。その後、取材をきっかけにomusubi不動産へ入社。現在は二拠点生活、商い暮らし、エリアリノベーションに興味を持つ。お笑いとアップサイクルが好き。

「自分」をテーマに作った、一冊の雑誌

――おのさんは自分を表すものとして、雑誌を持ってきてくださったんですよね。これはなんという雑誌ですか?

おの:これは「O magazine」。恥ずかしながら自分でつくった雑誌です。表紙・裏表紙合わせて74ページ、すべてが自分にまつわることで。

――いつごろ作られたんですか?

おの:大学生のときですね。服が好きだったので、服飾大学へ進学したものの、早い段階で「デザインを考えるのは好きだけど、作るのは得意じゃないな」と気づいたんです。そこで、メディアコースに進むことを決め、カメラやエディトリアルデザインを学ぶようになりました。そこで4年間の集大成として、自分をテーマにした一冊の雑誌を作ったんです。

――ほんとだ……! よく見ると全部、おのさんなんですね!

おの:そうなんです。10年ぶりに開きましたがテキスト、レイアウト、写真……どれも拙い(笑)。ただ、この雑誌を含めて大学時代に「表現」や「編集」などを学んだことで、今に活きる土台が築けたのかなと思います。

転職のきっかけは、omusubi不動産への取材

――では、進学もメディア関係に……?

おの:いえ、卒業後はWeb制作を学ぼうと、デジタルハリウッドSTUDIOへ進学しました。というのも、就活のときにポートフォリオが必要だったんですが「自分をテーマにした雑誌を渡す」という行為はコストも時間もかかるので簡単にはできなくて。でも、HPならば一定の制作費用で、多くの人に見てもらえるじゃないですか? さらにWebページも作れたら、将来的に強みになるだろうな、と。

――紙媒体とWeb、どちらも作れるのは間違いなく強みになりますよね。Webの学校を卒業された後はどんなことをされていたんですか?

おの:実際に自分のHPは完成したんですが、作ってみてから「コンテンツがないとHPとして成り立たない」ということに気がつきました。そこで、コンテンツを作る側にまわろうと、偶然SNSで見つけた編集プロダクション「やじろべえ」の求人に応募し、ライターとして働きはじめました。

――ライターをされていたんですね! どんなご取材をすることが多かったですか?

おの:人もテーマもさまざまでしたね。著名な方に取材させていただくこともあれば、商店街のおじいちゃんだったり……。1週間のうち、韓国料理、米国株、サウナグッズ、地方自治体に取材をした期間もありましたね。

――振り幅がすごいですね(笑)。

おの:いろんな人や場所を取材させていただくこと自体はすごく楽しかったんですよね。知らないことに触れられたり、知識が得られるのは役得だな、と。なにより、取材でいろんな地域へ行くことによって「まちづくり」への興味が湧くようになったんです。

――それはomusubiへの入社にもつながった、ということでしょうか?

おの:そうです、そうです。例えば、神奈川の限界集落には、廃材だけでつくったエコヴィレッジを運営している万華鏡作家がいたり、新潟の廃れてしまった商店街には、Uターンで盛り上げようとしている建築士がいたり。各地のプレイヤーのお話を聞いていると、それぞれの手段は違えど、拠点を構えて豊かな暮らしを追い求めている気がしたんですよね。だから、いつかは僕もそうしたいと憧れるようになりまして……。

おの:ただ、一言に「まちづくり」と言っても、さまざまな視点があって、自分には何ができるかなんてわからないじゃないですか? そんなときに、以前取材した方が空き家スクールを主催されていることを知り、何かヒントが得られるんじゃないかと参加してみたんです。そしたら、ゲスト講師として登壇していた殿塚さんに出会ったんですよ。

――ふむふむ。

おの:不動産業の枠を超え、地域に根ざした場づくりや企画運営、エリアリノベーションなど、多角的に街と関わっていることに感銘を受けましたね。そこでもっと話を聞いてみたいと思い、すぐに取材を申し込んだのが、omusubiとの最初の接点でした。取材中も「コミュニティをリノベーション」とか「お米作りはコミュニティづくりの原点」など、当時の僕にはブッ刺さる言葉ばかりで(笑)。あのときの取材をきっかけに、ますますomusubi不動産に興味がわき、後日求人に応募して入社が決まりました。

オープンな性格はお父さん譲り? にぎやかに過ごした幼少期

――今、おのさんは賃貸営業を担当されているんですよね。ライターとはまた違うお仕事かと思うのですが、働いてみていかがですか?

おの:未経験でめちゃくちゃ不安でしたけど、少しずつ慣れてきたように思います。あと、ライターも不動産営業も「初対面の方と話を通じて距離を縮めていく」という点では共通しているなと感じます。なので、今でも内見中や移動中では、お客さんの興味ポイントを引き出せるような話題づくりを心がけています。

――今日ご取材をしながら、おのさんに対して「話しやすい人だな」と感じるお客さんが多いんだろうなと感じました。

おの:ありがとうございます(笑)。たぶん僕、生粋の末っ子体質だと思うんですよ。兄弟は兄だけですが、従兄弟が12人いて。その中で最年少だったんです。小さいころから、じいちゃん、ばあちゃん、おじさん、おばさんと、従兄弟たちに囲まれて育ってきまして。

――それは生粋の末っ子ですね(笑)。

おの:正月、お盆、ハロウィン、クリスマス……親戚一同が集まる機会も多かったので、その度に可愛がられていた記憶がありますね(笑)。また、父親が大人数でわいわいするのが好きな人だから、人が集まって暮らすことにも人一倍、関心があるのかもしれないです。

――では、おのさんはお父さん似なんですね。

おの:いやあ、それがうちの父親がかなりぶっ飛んでて。自分のブログに書いたことがあるくらいなんです。突然サラリーマン辞めて異業種で起業したと思ったら、2億8000万の借金抱えたり、そのあと突然無人島を買ったり……。

――無人島って買えるんですか!(笑) 借金を抱えた後も新しいことにチャレンジできるなんてすごいお父さん……!

おの:チャレンジングな人ですよね。そういう父親の背中を見て育っているので、ライターから不動産業への転身、言わば「新しいことへの挑戦」にもあまり抵抗がなかったのかもしれません。余談ですが、そんな父親には、サラリーマンになることを反対されましたけどね(笑)。

いつかは作りたい「衣・食・住」が混在したまちの拠点

――omusubiに入社して約4ヶ月ほどとのことですが、これからやってみたいことはありますか?

おの:先日ご案内したお客さまから「これだけ親身になって話を聞いてもらったのは初めてなので、引き続きお願いしたい」と言っていただけるようになり、少しずつ賃貸営業が楽しくなってきたところなんです。並行して、最近は内覧ツアーなどの企画にも携われるようになり、徐々に会社に貢献できているのかなと感じられるようになってきて。今は賃貸営業がメインですが、いつかomusubi不動産の特徴でもある場づくり、エリアリノベーションでもまちと関わってみたいです。……その前に宅建でしょうね(笑)。

――お客さまからそう言っていただけるのはうれしいことですね。プライベートでやってみたいことはありますか?

おの:場所はわからないのですが、そこに住む方々が「このまち楽しい!」と思ってもらえるような拠点をつくりたいですね。自分の理想だけを語ってしまうと、いま住んでいる浅草で1階はテナント、2階は住居の物件に住みたいです。

――それは素敵ですね! もし、その物件が出てきたらテナントではなにを?

おのさん:今のところは飲食でも物販でも、なんなら雀荘でも、人の属性を判断して、そこに集まる目的さえ作れたらいいのかなと。なかでも、飲食には強く惹かれています。とはいえ、僕には得意料理があるわけではありません。だから最近、休日に浅草のインドカレー屋「ガヤバジ」で働き始めました。オーナー夫婦はもともと飲み仲間だったんですが、めちゃくちゃ勉強になるし、美味しいんですよ。

おの:くわえて、自分は「衣」「食」「住」について考えるのが好きなんだなと気づきまして。「衣」は断念しましたが、今でも個人的にはユニークな看板のTシャツを制作しているし、「住」ではomusubi不動産で大きな接点を持っている。そして、今は「食」も習得中です。なので、いずれは「衣・食・住」の面白さが混在した場所が持てたら最高ですね。



取材・撮影=ひらいめぐみ

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