ナースアンドクラフトでは、地域活動として「コミュニティランチ」を定期的に開催しています。この取組は、希薄化された地域コミュニティを再構築し、高齢者の孤独や健康不安を軽減することを目的としたものです。毎回20名を超える参加者が集まり、食事とその過程を楽しんでいます。ここには地域住民の方々だけではなく、毎週、さまざまな人が視察に訪れており、後を絶ちません。

直近では、中国から高齢化に関する専門家の皆さまが視察に訪れ、岡山県からも住民の方々が参加しに来てくださいました。なぜ、特に先進的でもないこの取組が長く続き、そして多くの視察者を引きつけるのでしょうか。そのポイントは3つあります。

まず、参加者である地域住民の皆さんが主体的であるという点です。ナースアンドクラフトが「コミュニティランチ」を主催していますが、運営しているのは住民の皆さんです。皆さんは自分たちが楽しいからやっているのであって、誰かにやらされているわけではありません。私たちは少しだけサポートさせてもらっているだけであり、どちらかと言うとお世話になっています。

次に、取組は単なる食事会ではなく、皆それぞれに役割があってそれぞれが交流を生み出している点です。人は高齢につれ、定年退職や免許返納などでできることや役割を失い、体力や健康面の問題で行動範囲も狭くなってしまいます。さらに、友人やパートナーの死で社会との接点や交流が少なくなり、社会から切り離されてしまいがちです。つまり、「コミュニティランチ」は自分が社会の一部であることを実感できるのです。

最後に、私たちがこの取組をボランティアでやっていないという点です。よくありがちな例として、取組を無償や社会奉仕として始めてしまい、結局、運営が苦しくなって行き詰まってしまうことがあります。特に医療福祉関係者に多いのではないでしょうか。私たちは一人ひとりから参加費500円をもらい、さらに「コミュニティランチ」を観光コンテンツとすることでマネタイズしています。マネタイズポイントをいくつも作ることで、活動が持続できるように工夫しているのです。

ナースアンドクラフトの「コミュニティランチ」は、単なるイベントでも食事会でもなく、地域の絆を深める場であり、地域の未来を形作る重要な活動の一つです。もし興味があれば、ぜひ私たちと一緒に活動を始めてみませんか？