「複業を複業だと思わないこと。自分にとっては複業でも、お客様にとっては本業です。」
そう語るのは、国内総合電機メーカーでエンジニアとして活躍されている飯樋遼輝さん。
複業の実績がない頃は案件の獲得に苦労されたそうですが、企業側からのスカウト経由で案件をいただくことの方が多いそうです。
どのように最初の実績を獲得したのか、企業からオファーをいただくために意識していることなど、余すところなくうかがいました。
目次
- まずは最初の実績が大事、実績獲得後はスカウトが来るように!
- 複業を複業だと思わない。誠実さが信頼を生む
- T型人材にとどまらず”H型人材”を目指して
■プロフィール
飯樋遼輝 氏/国内総合電機メーカー エンジニア
新卒で国内総合電機メーカーに入社し、理系総合職エンジニアとしてグループ内のネットワーク基盤に関する複数サービスのオーナーを担当。チームマネジメントや業務改善、サービス開発プロジェクトなど幅広く担当し、PMPを保有。2020年以降はリモートワークを中心に裁量労働制で働いており、現在は主任を務める。
まずは最初の実績が大事、実績獲得後はスカウトが来るように!
――最初に飯樋さんが複業を始めたきっかけについて教えてください。
2023年の11月ごろに複業解禁の社内通達を受け、単純にまずはお金を稼ぎたいという気持ちから複業を探し始めました。初めて案件をスタートしたのは、複業が解禁されてから約1か月後の12月ごろからでした。
複業の実績が0だったころは、自分からエントリーした案件はすべて落選なんてこともありました。
そんな中、初めてエージェント経由でお仕事を紹介いただきました。実績という武器ができた後は、複業クラウドのようなプラットフォームに登録して、自分で案件を受注することができるようになりました。今は企業側からのスカウト経由で案件をいただくことの方が多いですね。
――今ではほとんどがスカウト経由でお仕事につながっているのですね。飯樋さんがオファーをいただくために意識されていることはございますか?
私は正社員としてフルタイムで働きながら複業をしており、フリーランスの方よりも時間の融通はつきにくいです。だからこそ、自分の強みを棚卸して伝えることを大事にしています。
例えば私の場合、PM業務やカスタマーサクセスの経験もあるため、マネジメントやコミュニケーション力には自信があります。そのため面接の際には「単なる求めた作業をこなすだけの実行者ではなく、業務の本質や目的を捉え、課題解決に導くことのできる」と感じていただけるように発揮できる能力を積極的にアピールしています。
取り組む業務の背景にある課題やボトルネックを論理的に分析し、改善提案や仕組み化を通じて業務全体の効率化や品質向上に貢献してきたことが自身の強みであると認識しています。
――自分の強みを理解して、伝える力が大事なのですね。実際に飯樋さんは、これまでどのような案件に複業で携わりましたか?
複数の企業様で主にM365環境での業務改善のご要望に対し、要件の洗い出しや課題解決のためのツール選定、実際の実装まで一気通貫のご支援をしています。また各ツールのトレーニングやメンターを担当したりと、本業で培ったスキルや経験を複業で活かしています。
複業を複業だと思わない。誠実さが信頼を生む
――複業を始めた目的はお金を稼ぎたいという理由が大きかったとのことですが、実際に複業開始当初から比べて単価は上がりましたか?
複業開始当初は時給6,000円ほどだったのですが、最近は7~8,000円越えが主となってきました。昨年は色んなご縁に恵まれて本業の4割ぐらいの収入を複業で得ることができました。
やはり実績のない初期のころはどうしても単価は下がる傾向にあります。しかし、実績ができてくると、その実績をもとに単価交渉ができます。だから
こそ複業は始めたもの勝ち、経験したもの勝ちですね。
――すごいですね!お金以外にも複業を通して得られたものはありましたか?
これまでは正社員で働いている弊グループのビジネスシーンしか体感することができなかったのですが、他の組織やチームではどのようなことに課題を感じているのか、それに対して解決施策を考えていく良い機会となりました。
今では、様々な組織の課題解決を通じることで自分の幅を広げたい、自分のスキルを試したいという好奇心も、お金以外の大きなモチベーションになっています。
――複業の経験が、スキルアップにつながっているのですね。複業をする際、飯樋さんが意識されている事はありますか?
複業を複業だと思わないことです。自分にとっては複業でも、お客様にとっては本業であるため、「複業だから」「本業が忙しいから」という不誠実な理由で仕事をおろそかにすることは絶対にしません。
もちろん、本業をないがしろにしている人間には仕事を任せたくないと思いますので、どちらも変わらない熱量で精力的に取り組んでいます。誠実さを貫くことで、信頼関係ができ、次の案件にもつながっていくと考えております。
T型人材にとどまらず”H型人材”を目指して
――本業のスキルを活かして複業をされていると思いますが、反対に複業での学びが本業でも活かされていると感じることはありますか?
もちろんあります。世間では、複業を始めると本業がおろそかになるのではないかとも言われていますが、私は複業開始後のほうが仕事のパフォーマンスが向上しました。
実際に、複業開始後には社内のコンテストで優勝しました。そのコンテストは、AIや業務効率化の活用事例を募集して投票するというものでした。優勝できたのは、複業先でさまざまな経験を積んだことで、自分の知識や応用力が向上したことが背景にあると実感しています。
――今後どのようなキャリアを描いていきたいか、目標があれば教えてください!
一つの専門分野に精通したうえで広い知識も有している「T型人材」にとどまらず、その上で他の専門家と連携し、協働できる能力を兼ね備えた「H型人材」として認めてもらえるよう活躍していきたいです。
そのためにも、自身の能力を常に研鑽し、本業にとどまらず複業を通じて今後もさまざまな企業で価値を発揮していきます。
取材、執筆:高岡慧