私は「現場で孤独を感じるエンジニア」をたくさん見てきました。このような状況はあってはならないと思っています。そんな当社がどんな想いで、どのようにしてエンジニア一人ひとりに接しているのかをお伝えします。
目次
「放置しない」は、理念ではなく実例から生まれた
―そもそも「伴走密度No.1」とは、具体的にどういう状態を指しているのでしょうか。
一言で言うと、「これまで放置されてしまったエンジニアを、もう絶対に一人にしない」ということです。
「私たちが『伴走密度No.1』を掲げるのは、これまで現場で放置され、キャリアの迷子になってしまったエンジニアをたくさん見てきたからです。
なのでまずは『絶対に一人にしない』という方針を第一に置いています。
実際にあった例なんですが、ある中堅エンジニアの方が知人経由で入社してきたことがありました。
その方は、現場で困ったことがあれば相談したいタイプだったそうなんですが、前職の環境ではそこまで密にコストをかけて対応することが難しかったようです。うちの場合は、月1回の対面ヒアリングはもちろん、必要があれば土日の連絡にも対応しますし、何かあればすぐ担当営業が動きます。声が上がっていなくても、こちらから積極的に聞きに行く。それが「放置しない」ということだと思っています。
―放置されてしまうのは、会社側の問題なのか、エンジニア側の問題なのか、という点も伺いたいのですが。
ぶっちゃけて言うと、どちらもあり得るとは思います。ただ、大本をたどれば会社側の責任だと思っています。雇用するということは、その人のキャリアを継続的に見ていく責任を負うということなので。放置してしまうのは、その責任を放棄しているということですから。
エンジニアさんが心を閉ざしてしまうのだとしたら、それは画一的なマニュアル対応ではなく、一人ひとりに合わせたコミュニケーションが足りていない証拠だと思っています。
個人の営業成績を、あえて追わない
―「伴走密度」を実現するための、具体的な仕組みを教えてください。
大きいのは、営業一人ひとりの個人成績という考え方を、うちはしていないことです。誰の営業がその案件を決めても、チーム全体の成果になる。逆に、自分がたくさん決めたからといって、それだけで自分の成績が突出するわけでもありません。
これは、以前それぞれ別の会社で働いていたメンバーが集まって始めた事業だからこそ、たどり着いた考え方でもあります。組織として利益を追求するのは当然正しいことですが、短期的な数字よりも、長期的にエンジニアさんと伴走していきたい。そういうスタイルが共通していたので、今の形になっています。
実際、前職時代の話として、営業が開発案件をやりたいと言っているエンジニアに対して、成約が早いヘルプデスク案件を勧めてしまう、というケースを見てきました。個人の成績が絡むと、どうしてもそちらに引っ張られてしまう。うちはそこの利害が仕組み上生まれないようにしています。
例えば、当社の営業インセンティブは『個人の成約数』ではなく、『チーム全体でエンジニアの待機期間をどれだけゼロに保てたか』などに連動する仕組みになっています。
だからこそ、利益を確保しながらも、自然と『チーム全員でエンジニアのキャリアに向き合う』体制が定着しているんです。
案件のアサインは、まずエンジニアさんがどんなキャリアを描きたいかを丁寧にヒアリングし、本人と合意した上で決めていく。それを最優先にしています。
「放置しない」を支える、地味だけれど欠かせない仕組み
―「伴走密度No.1」を掲げ続けるために、どんな取り組みをしているのですか?
月1回の面談 ── エンジニアが思い描いていたキャリアに対して、今どのあたりにいるのか、停滞していないか。1ヶ月に1回は必ず確認する機会を設けています。
月報への丁寧な返信 ── 月報は、人事担当者が内容を確認したうえで、必ず返信をするようにしている。営業には言いづらいことも、人事という相談窓口を用意することで拾えるようにしています。
エンジニア同士の勉強会・交流会 ── 技術によって形式はさまざまだが、1対1のこともあれば、クラウド関連など共通のテーマでまとめて開催することもあります。
エンジニアだけに任せると、誰が音頭を取るのかという問題が出てきます。だから、場を開くところまでは営業が主導してあげます。
また、私自身も、そんなに数は多くないですが、普段は無遅刻無欠勤のメンバーから急に体調不良の連絡があり、様子がかなりおかしく心配になったことがありました。本人からも『すごく辛くて、できれば直接話を聞いてほしい』とSOSがあったため、本人の希望のもと、出社前に家まで様子を見に行きサポートしたこともあります。
こうした一つひとつは、決して派手な施策ではない。ただ、「会う回数」「接点の数」を仕組みとして増やしていくことで、密度は自然と積み上がっていく。ただ数を増やせばいいわけではなく、最後は各営業が持っている人間性次第だとは思います。
埋もれていたキャリアが、動き出すとき
―実際に、SOKUSHINに入社して変わったエンジニアさんの例を教えてください。
わかりやすいのは、ヘルプデスクを6年やっていた方ですね。「そろそろ抜け出したいけど、抜け出せない」という状態で転職してきて、今はネットワーク案件で構築まで担当できるようになっています。病院のネットワークシステム導入から設計・構築まで携わって、本人もスキルアップを実感できていると話してくれています。
もう一人、インフラの運用監視を2年半経験して、「開発エンジニアになりたい」と入社してきた方もいます。前職では開発案件に入れてもらえたとしても、同じような案件のままこの先も年を重ねていくのかという不安があったそうです。今はJavaを使った開発案件に入り、自分でキャリアを選んでいける実感を持ってもらえていると思います。
大規模な会社ほど、エンジニアの数に対して営業の数が少なく、そもそも連絡が取れない、というケースも多いようです。そうした環境から転職してくる方が、うちの場合は多いですね。
伴走してもらうために、必要なこと
―逆に、エンジニア側にも「伴走してもらう資格」のようなものはあるのでしょうか。
資格というより、持っていてほしいのは、『現状を変えたい、良くしていきたい』という前向きな気持ちです。今SOKUSHINにいるエンジニアはみんなそういったカルチャーを持っているので、そこに馴染めないと、正直ギャップを感じて厳しいかもしれません。
あとは、自分の思いを相手に正確に伝えようとする姿勢ですね。うまく言語化できなくてもいいんです。ただ、伝えようとする姿勢さえあれば、営業がそれを汲み取って動いていけます。逆にそこが引き出せないと、営業としても動きようがないので。
―正直なところも伺いたいのですが、これだけ密度を高めていても、離職してしまう方はいますか。
直近だと、「エンジニアという仕事自体に向いていないと感じた」という理由で辞めた方がいました。エンジニア同士の交流会で、別のエンジニアが土日も資格取得に向けて勉強していると聞いて、「自分にそれができるだろうか」と不安になってしまったそうです。向上心を育てようにも、本人がその競争環境自体に疲れてしまうと、なかなか難しい。
正直、これはSOKUSHINに限らず、どの会社に転職しても起こり得ることだとは思っています。
SOKUSHINの実態
放置されてきたと感じているエンジニアにとって、SOKUSHINが用意しているのは、魔法のような解決策ではありません。月1回の面談、営業と人事の二重相談窓口、個人成績を追わないチーム体制。地味な仕組みを積み重ねて、「一人にしない」を実行し続けているだけです。
もし今、これまでのキャリアで放置されてきたと感じているなら、あるいは、この先も同じ会社でやっていけるのか、漠然とした不安があるなら、一度、SOKUSHINの営業と話してみてほしいです。