目次
- はじめに
- SREの立ち位置
- SREの役割
- 標準ガイドラインの整備
- クラウドインフラ構築支援
- サービス運用・監視
- ビジネス・R&D部門へのインプット
- さいごに
はじめに
UPWARDでの会計年度は7月~6月です。来期FY24に向けて組織再編を進めております。現在まで、UPWARDでの主プロダクトはMAP、AGENT、ENGINEという3つでしたが、FY24からは開発体制を強化し、個々の機能強化・高度化に加えて新たなプロダクト開発を推進していく予定です。そのために、プロダクト/機能開発単位でチームを組成して、各々の責任範囲の明確化、マーケットへの迅速な提供を目指しています。
SREの立ち位置
UPWARDの新組織は図1に示すようにプロダクト毎に、プロダクトマネージャー、リードエンジニア、フロントエンド(iOS/Android OS)エンジニア、バックエンドエンジニア、QAエンジニア、UI/UXデザイナー、クラウドエンジニアの役割をもつエンジニアを1つのチームとして構成していきます。さらにSRE部門、R&D部門で構成されています。
図1. UPWARDにおける技術部門組織
プロダクトマネージャーはPMF*を実現するためにビジネス部門・マーケティング部門と密に連携して、プロダクト戦略を策定しプロダクト開発を推進していく役割を担います。リードエンジニアは技術分野でチームを統括して牽引していく役割を担います。
※ PMF: Product Market Fitの略であり、顧客の課題を満足させる製品を提供し、それが適切な市場に受け入れられている状態
機能開発を主業務とするプロダクトチームに対して、プロダクト横串でクラウドインフラ全体のパフォーマンス、可用性、セキュリティ等の非機能を高める仕組みやそのためのクラウドインフラ構築と、障害検知、キャパシティ管理、クラウドコスト管理等の運用業務を担うのがSRE部門です。
SREの役割
SRE (サイト信頼性エンジニアリング)は、Googleが定義した言葉であり、クラウドインフラおよびIT運用において、高い拡張性のあるプロダクト・インフラを目指し、かつ手作業をできる限り排除・自動化を進めていくことによりプロダクトの信頼性を高めていく役割を担います。お客様からはSREの活動は見えにくいのですが、非機能を高度化し、障害発生時に迅速な復旧を行うための非常に重要な役割を担っています。
Googleが定義したSREに加えて、UPWARDではCloud Center of Excelence (CCoE)と言われているような役割をもち、クラウド利用・運用に関わるガバナンスのための標準ガイドの策定・運用プロセス整備や、ビジネスへの貢献の測定・新規機能開発のためのプロダクト利用状況の測定並びにITコストの可視化の整備を進めています。(図2)。
①標準ガイドライン整備
②クラウドインフラ構築支援
③サービス運用・監視
④ビジネス・R&D部門へのインプット
図2. UPWARDにおけるSREの役割
標準ガイドラインの整備
クラウドインフラのアクセス・アカウント管理、開発環境構築、クラウド利用・運用指針、プロダクト開発時におけるセキュリティやパフォーマンス、クラウドコスト最適化に関わる観点を標準ガイドラインとして整備を進めています。このガイドラインを通して、迅速な開発を進めるとともに堅牢で拡張性の高いクラウドインフラ並びにアプリケーション開発を推進していきます。また、プロダクト開発チームとのコミュニケーションを通してガイドラインの見直しも進めています。
クラウドインフラ構築支援
プロダクト開発チームと連携して、非機能を鑑みて開発・検証・本番環境のクラウドインフラを整備します。併せて本番リリース後の運用のために、障害検知のためのメトリクスを定義していきます。
サービス運用・監視
UPWARDではMicrosoft Azure、AWS、GCP、Salesforce、Microsoft Dynamics等々、様々なクラウドサービスと連携してシステムを構築しています。従って、UPWARDのプロダクトのアプリケーションレイヤ並びにクラウドインフラレイヤの監視に加えて、各連携サービスの監視を通して迅速に障害を検知できるような自動化の仕組みを整備しています。
ビジネス・R&D部門へのインプット
クラウドインフラにおけるコスト管理を行い、ARPU(1ユーザあたりの平均単価)の算出・コスト最適化のためのビジネス部門へ連携を進めています。アプリケーションレイヤ、ミドルウェアレイヤ、クラウドインフラレイヤそれぞれのメトリクスを定義し、利用者の利用状況を可視化を通して、新たなプロダクト開発推進に活かすことを目指しています。
さいごに
UPWARDのSRE部門はプロダクトが枝葉や果実とすれば、幹に相当する非常に重要な役割を担っており、会社の意思決定にも影響を与える組織です。最新のクラウドサービスを使いながら、クラウドエンジニアリングと全社的な仕組み化・自動化に興味がある方はぜひ応募いただければと思います。