「採用担当」という仕事に、どんなイメージを持っていますか?
会社の顔として前に立ち、華やかで、誰もが憧れるようなキラキラした存在。もしそんなイメージがあるとしたら、弊社の採用担当は少し困ったような顔をして、こう否定するかもしれません。
「私は主役になりたいわけではありません。むしろ、舞台の上で輝く人たちを、袖から見守り、支えることに何よりの喜びを感じる人間なんです」
そう語るのは、メディアジーンとインフォバーンで新卒・中途採用を担当する小比類巻さん。オフィス家具メーカーでの営業職、人材系ベンチャーでの勤務を経て、未経験から人事の道へ飛び込みました。
なぜ彼女は「組織づくり」に興味を持ったのか? 新卒採用で求める人物像「可愛がられる負けず嫌い」の真意とは? 学生時代の原体験から、社会人になってからの葛藤、そして現在に至るまでのストーリーを、余すことなく語っていただきました。
「埼玉会館」の舞台袖で感じた、私の原点
──まずは、小比類巻さんのルーツについて教えてください。学生時代はどんなことに熱中していたのですか?
実は私、学生時代はずっと「裏方」だったんです。 中高は演劇部、大学はジャズダンスサークルに所属していたのですが、自分がキャストとして舞台に立ってスポットライトを浴びたいという欲求はほとんどなくて。むしろ、舞台監督や音響、演出といった役割で、輝く人たちを支えることにやりがいを感じていました。
特に大学のダンスサークルでの経験は大きかったですね。例えば、埼玉会館という大きなホールを借りて公演を行うことがあるんですが、キャパシティは1,000人以上。そこで2時間くらいの公演を作り上げるんです。
単にダンスの曲を羅列するだけでは観客も飽きてしまうので、演出担当が入って全体にストーリー性を持たせたり、起承転結を作って一つの物語のように構成したりするのですが、私はそういった「舞台作り」の裏側に回るのが本当に好きでした。演出を考えたり、舞台の上でキラキラ輝いているダンサーたちを、袖から支えている自分。そこに、何にも代えがたい充実感を感じていたんです。
──なるほど、根っからのサポーター気質なんですね。そこから就職活動はどう進めたのですか?
もう一つの軸として、「健康づくり」への関心がありました。祖母が看護師だったこともあり、小さい頃から医療関係の仕事に憧れていました。一時は医者や看護師になりたいと言っていた時期もあったのですが、私は根っからの文系でちょっとそれは難しいなと思って……。でも、「人が生きる」「健康に暮らす」といった、人間の根源的な幸せに関わりたいという想いは持っていました。
そこで考えたのが、「働く人の心身の健康を支える仕事」です。多くの人が一日の大半を過ごすのはオフィスですよね。その時に座る椅子や空間は、働く人の体や心に直接影響を与えます。「人々の健康を支える仕事」と、演劇経験で培った「活躍する人を支える仕事」。この二つの軸が重なったのが、オフィス空間を作る会社だったんです。
「2020年卒」の洗礼と、大企業での葛藤
──だから新卒で入社されたのが、オフィス家具メーカーだったんですね。
はい。でも、私の社会人生活のスタートは波乱含みでした。私が大学を卒業したのは2020年。コロナ禍の真っ只中です。
──なるほど。あの頃は新入社員も、それを受け入れる側も大変でしたね……。
ですよね。研修もすべてオンライン。同期と顔を合わせることもままならない状況でキャリアが始まりました。
──それは大変な時期でしたね。具体的にはどんなお仕事を?
最初はEC部門に関わり、通販サイトを利用する中小企業のお客様向けに家具を手配したり、納品したりしていました。デザイナーさんと一緒にオフィスの内装デザインを提案することもありましたね。
当時はコロナ禍で在宅勤務のニーズが急増していたので、企業向けだけでなく、従業員の方が自宅用の家具を安く購入できる「BtoBtoE」の仕組みを新たに構築するプロジェクトにも携わりました。マーケティング担当の先輩と一緒に立ち上げに奔走したことは、良い経験になっています。
──やりがいのありそうなお仕事ですが、なぜ転職を考えられたのでしょうか?
大企業ならではの組織の論理に馴染めなかった部分が大きかったと思います。大きな組織の中で細分化された業務を担当していると、自分がやっている仕事が最終的に何に繋がっているのかが見えにくく、自分が組織に与える影響や実感をあまり感じられなかったんです。今思えば、若かったですね(笑)。
会社自体に大きな不満があったわけではないのですが、「もっと自分の行動が組織にどう影響するかが見える環境で働きたい」という思いが募っていきました。
「自分の売上」よりも「チームの成長」が嬉しかった
──そこで出会ったのが、2社目のスタートアップ企業ですね。そこではどんな役割を担ったのですか?
最初はフィールドセールスとして、人材紹介のマッチングを行う営業職に就きました。でも、正直に言うと、この仕事にあまりやりがいを感じられなかったんです。
営業なので当然、売上目標があります。成約が決まれば、クライアント企業からも登録者の方からも「ありがとう」と感謝されます。普通ならそこで「やった!」と喜ぶところだと思うのですが、私はなぜか冷めた気持ちになってしまって……。
──せっかくうまくいってるのに、営業職としては致命的な悩みですね。そこからどうやって突破口を見つけたのですか?
転機となったのは、入社から1年ちょっと経った頃の異動でした。インサイドセールスと、チームパートナーと呼ばれる営業アシスタント業務を兼務することになったんです。
そこでのミッションは、個人の数字を作ることよりも、チーム全体のパフォーマンスを上げることでした。インサイドセールスも当時は手探りの状態だったので、私が実際に電話をかけたりアプローチしたりして、「このやり方はうまくいった」「これは失敗だった」という知見を溜めていきました。そして、そのナレッジをチームのみんなに共有したんです。
すると、ある時メンバーからこう言われました。「ひなちゃん(私)が教えてくれたあのやり方でやったら、アポが取れたよ! うまくいったよ!」その言葉を聞いた瞬間、これまでになかった喜びがありました。
──ご自身の成約よりも、メンバーの成功の方が嬉しかったと。
そうなんです! 自分の成果は「1」にしかなりませんが、チームにナレッジを共有してみんなができるようになれば、成果は「10」にも「100」にもなります。チームでナレッジを蓄積し、みんなで目標を追いかけて底上げしていくプロセスそのものに、私は強烈なやりがいを感じると気づいたんです。それ以降、インサイドセールスのチームで目標件数を追っている時間が、本当に楽しかったですね。
カオスな状況で目覚めた、「組織づくり」への情熱
──自分に合った働き方を見つけたんですね。そこからなぜ、人事への転身を?
きっかけは、会社がM&Aで大手企業の傘下に入ったことでした。ですが、そのカオスな状況を経験したことで、「組織って本当に難しいけど、おもしろいな」と思ったんです。
──ポジティブだ(笑)
さまざまな体制変更などを目の当たりにしたからこそ、これから自分がどう働きたいかを考えた時に、「組織づくり」に直接関われる仕事がしたいと強く思いました。それが、人事や採用という職種を目指したきっかけです。
──数ある会社の中で選んだ決め手は何だったのですか?
ある日、通勤中の電車でスマホを見ていてメディアジーン/インフォバーンのWantedlyの記事を見つけました 。正直に言うと、最初は記事を読んでも「何をやっている会社なのかよくわからないな」という印象でした(笑)。
──グループのやっていることが多岐に渡っていて全部説明するのは大変ですよね。
ですが、社員のインタビュー記事で「良いことを言いすぎていない」「等身大で楽しそう」な雰囲気が、逆に信頼できるように映りました。
あと、オフィス家具メーカー出身としては可愛い以上に、オフィスから「人と人とのコミュニケーションを大切にしている文化がある」と感じられたことに惹かれました。
──オフィスに注目するのはさすがですね! 面接で最終的に入社を決意させた言葉があったそうですね。
はい。カジュアル面談でのことでした。 当時の私は、採用担当になるにあたって一つの大きな不安がありました。これまで説明会などで見てきた多くの企業の採用担当の方は、明るくて華やかな方が多いイメージがあったので、地味で裏方気質の私が務まるのか不安だったんです。そう率直に相談したら、今の上司にあたる遠藤さんがあっけらかんと言いました。
「うちの会社はいい意味で渋谷でキラキラしているような感じじゃないからそんな心配はしなくて大丈夫だよ(笑)」
──実際に入社したらわかりますけど、まあ、その通りですよね。
ですよね(笑)。その言葉を聞いた瞬間、肩の荷が下りた気がしました。「あ、ここなら無理して自分を飾らなくてもいいんだ。ありのままの自分で働けるんだ」と思えたことが、何よりの安心感でした。また、採用担当の業務が縦割りではなく、エンジニア採用もビジネス職採用も、新卒も中途も広く担当させてもらえるという点も、未経験からキャリアを積みたい私には魅力的でした。
求めるのは「可愛がられる負けず嫌い」
──新卒採用や第二新卒の採用などで「可愛がられる負けず嫌い」というキーワードを言ってますよね。これにはどんな意図があるのでしょうか?
これは、社内で実際に活躍しているメンバーを観察し、採用チームで何度も話し合って言語化した言葉です。
まず「負けず嫌い」。これは単に勝ち負けにこだわるということではなく、困難な状況でも途中で投げ出さず、最後までやり抜く力があること。
そして「可愛がられる」要素。これは「愛嬌がある」という意味だけではありません。経験がゼロで何もできなくても、相手の話を真摯に聞き、素直に吸収しようとする姿勢のことです。仕事がまだ完璧じゃなくても、「この人のためなら教えてあげたい」「手を貸してあげたい」と周囲に思わせる人。そういう人は、自然と先輩から情報やノウハウが集まってくるので、成長のスピードが圧倒的に速いんです。
──具体的には、どのような行動ができる人ですか?
例えば、社内で活躍しているある新入社員のエピソードがあります。事業部のメンバーなので普段は一緒に仕事をしているわけではありませんが、いつも自分から先輩のところに聞きに行く姿をフロアでよく目にしました。
それと、私が元営業職だと知ってなのか、「明日、お客様に提案に行くんですけど、何か気をつけることありますか? 心構えはありますか?」と話しかけられたんです。
──事業部をまたいで質問するのはすごい。
そうやって頼られると、先輩としても「よし、教えてやるか!」という気持ちになりますよね。自分はまだできないということを認め、プライドを捨てて、先を行く先輩たちからエッセンスを掴み取りに行く。その姿勢こそが、グループで活躍するための鍵だと思います。
──逆に、「こういう人は合わないかも」というのはありますか?
「指示待ちタイプ」の方は厳しいかもしれません。「何をすればいいですか?」と待っているだけでは仕事が降ってこない環境です。わからなくていい、荒削りでいいから「まずはやってみます!」と手を動かし、壁にぶつかったらすぐに相談する。そうやって自分から一歩を踏み出せる人でないと、なかなか成長できないのでは。
枠をはみ出す経験と、チームスポーツの視点
──今まさに新卒採用真っ只中だと思います。学生さんからよく聞かれると思うのですが、メディアの知識については必要でしょうか?
メディアに興味があるのは当然ですが、詳しくは知らなくていいと思っています。これからその魅力ややりがいを知っていき、前向きに学ぼうとする姿勢があれば充分です。
それよりも重視しているのは、「チームで動くこと」を楽しめるかどうか。例えば、バレーボールや野球などのチームスポーツ経験がある方は、視点が鋭いなと感じることがあります。フィールドの中で、自分はどこにいるべきか、味方がどう動いているか、全体を見渡して瞬時に判断し、連携して勝利を目指す。そういった「全体を俯瞰して動く力」や「自分の役割を理解する力」は、ビジネスの現場でも大いに役立ちます。
──最後に、候補者の方へのメッセージをお願いします。
今、新卒採用でもよく面談を実施しています。私の面談は「選考」ではなく「相互理解」の場。お互いに自己開示をしながら、「その人の良さはうちの会社でどう活きるか?」を確かめ合う時間にしています。
採用担当として、私の役割は皆さんの「良さ」や「強み」を見つけ出し、それを会社に伝える「架け橋」になること。皆さんの応援団のような存在でありたいと思っています。
メディアジーンとインフォバーンは、コミュニケーションに壁を作らない、風通しの良い会社です。先日、有志の勉強会に参加したときも、初対面の社員同士がすぐに打ち解けて楽しそうに話していて、「ああ、いい会社だな」と改めて思いました。
「組織やチームのために動くのが好き」「泥臭いことも楽しみながらやってみたい」。
そんな方は、ぜひ一度、私たちの仲間に会いに来てください!