「東大卒で博士課程まで進んだなら、引く手あまただったのでは?」 長坂 勇次郎(通称:ゆうじろう)の経歴を見た人は、誰もがそう問いかけます。
しかし、当の本人は「自分は何もできない、キャリア迷子だった」と当時を振り返ります。 現在は AZ ONE GROUP 全体の財務(ファイナンス)やM&A、管理部門を横断的に支える彼が、なぜ研究者の道を捨て、混沌としたスタートアップの世界に飛び込んだのか。
その裏側には、ある「原体験」と「再起」の物語がありました。
憧れだった兄の後ろ姿。リーダーではなく「サポーター」を志した理由
——長坂さんは中学から早稲田、大学は東大と、いわゆる「勉強ができる子」として育ってきたんですよね。
長坂: そうですね。ただ、それは「自分がどうしたいか」というより、3つ上の兄の背中をがむしゃらに追いかけていた結果でした。兄は僕にとって、今でも常に一歩先を行く尊敬の対象ですね。
——幼少期から、一貫して今の落ち着いたキャラクターだったんですか?
長坂: いえ、実は中学生までは、学級委員やリーダーを率先してやるタイプだったんです。でも、中学2年生の時に大きな転機がありました。当時、表舞台で活躍し尊敬を集めていた身内が、予期せぬトラブルをきっかけにその地位を追われ、家庭環境が激変してしまったんです。
一番近くで見ていた憧れの存在が、一瞬にして周囲からの風当たりに晒される姿を見て、幼いながらにこう思いました。**「リーダーとして目立つことは、それだけ大きなリスクを伴う。前に立つ人間ほど、周囲からの評価やプレッシャー、時には足を引っ張られることがあるのかもしれない」**と。そこから、自分が先頭に立って意見を主張することが怖くなり、誰かの志を陰で支える「サポーター」としての生き方に、居心地の良さを感じるようになりました。
2ヶ月でメンターが消えた。博士課程で味わった「出口のない絶望」
——大学卒業後、一度は研究者の道(博士課程)を志しています。そこでも大きな壁にぶつかったとか。
長坂: 大学での研究は「誰も答えを知らない新しいこと」を探求する面白さがありました。国の特別研究員として給料をもらいながら研究に没頭していましたが、博士課程に入ってすぐ、僕の研究を導いてくれていた唯一の師(メンター)が、突然いなくなってしまったんです。
——それは過酷ですね。一人で研究を進めなければならなかった?
長坂: はい。実績も経験もないまま、数十年かけて積み上げられた膨大な研究テーマを、20代の僕が一人で背負うことになりました。データを見ても分析や検証方法もわからない。でも、周囲からは成果を詰められる。一番辛かったのは、研究を前に進めることができない自分の無能さが悔しくて、周りに「助けてください」と言えなかったことでした。
結局、誰にも弱音を吐けないまま心身のバランスを崩し、家から一歩も出られなくなりました。「あんなに頑張って東大まで行ったのに、自分は何もできない」。あの時の絶望感が、僕のキャリアのどん底でした。
「何もない自分」を迎え入れてくれた、龍希さんとの出会い
——そこから、どのようにして AZ ONE GROUP へ繋がったのでしょうか。
長坂: 兄の紹介で、取締役の龍希さん(谷口龍希)と出会ったのがきっかけです。実は龍希さんとは幼少期からの縁があったのですが、再会した時の僕は、自信を失い、まさに“病んでいる”状態でした。
「こんな自分が、ビジネスの世界でやっていけるのか」という不安しかありませんでしたが、龍希さんは「一緒にやろうよ」と、ただまっすぐに僕を受け入れてくれた。その言葉がどれだけ救いになったか分かりません。
——現在は具体的にどのような業務を任されているのですか?
長坂: 最初はキャリア支援サービスの「カメレオン」からスタートしましたが、現在はグループ全体の財務(ファイナンス)戦略、M&Aの調査、各社の資金調達など、数字にまつわるあらゆる業務を横断的に見ています。気づけば、グループ12社の経営状況を俯瞰する、極めて責任の重いポジションを任せていただけるようになりました。
カオスを愛し、知性で支える。このグループにいる「良さ」とは
——研究者の世界とは全く違う環境だと思います。AZ ONE GROUP の良さはどこにありますか?
長坂: 一番は、**「本音(ノータブー)でぶつかり合える文化」**です。かつての僕は、周囲の顔色を伺ってヘルプを出せずに潰れてしまいました。でも、このグループでは、代表の中井さんをはじめ、みんなが嘘偽りのない本音で接してくれます。
「できないことは、できないと言っていい。その上で、どう進めるか」。研究室で孤独に数字と向き合っていた頃とは違い、今はチームで数字を動かし、事業を創っている実感があります。
——長坂さんにとって、今の仕事の醍醐味は何ですか?
長坂: グループ各社がそれぞれの色を持ちながら、一つの「アズワン」として動いているカオスな状態が面白いんです。常に新しい挑戦が生まれる現場で、研究者時代に培った思考力や粘り強さを「誰かの意思決定を支える盾」として使えること。それが僕にとっての最高の喜びです。
未来への展望:中井さんの「最強の右腕」としての挑戦
——これから、どのような存在になっていきたいですか?
長坂: もっと実力をつけて、代表の中井さんが大きな勝負に出る時に、「勇次郎が数字を固めてくれているなら大丈夫だ」と、100%の確信を持ってもらえるような存在になりたいです。
単なる経理や財務の担当者ではなく、自分の意志と意見を持ってファイナンスをリードする。中井さんの「最強の右腕」になることが、今の僕の明確な目標です。
——最後に、応募を検討している方へメッセージをお願いします!
長坂: AZ ONE GROUP は、過去の学歴や挫折を一切問わず、「今、この瞬間の熱量」を評価してくれる場所です。たとえ一度立ち止まった経験があっても、それを武器に変えて再起できる環境があります。知的好奇心にあふれた皆さんと、このカオスな航海を共にできるのを楽しみにしています。