世界各地に医療・セキュリティの専門家を擁し、1985年の創業以来、海外で働く人と企業を支えてきたインターナショナルSOS。世界規模の知見とネットワークを強みに、健康と安全を守るサービスの先駆者として、世界をリードしてきました。
その日本法人としてインターナショナルSOSジャパン(以下、インターナショナルSOS)が挑むのは、人を守る仕組みを日本企業の経営基盤として根づかせ、持続的な成長やレジリエンス向上につなげること。世界で培った専門性を生かし、日本企業の課題にマッチする新たなサービスを生み出すことで、まだ十分に価値が知られていないこの分野の市場を切り拓こうとしています。
今回は、ゼネラルマネージャーの丸山美鈴さんに、日本市場での挑戦と、その最前線に立つ営業の仕事の面白さについて聞きました。
日本企業の持続的な成長やレジリエンス向上を、お客様との対話から形に
──『日本企業の持続的な成長やレジリエンス向上』というビジョンを形にするうえで、営業はどのような役割を担っているのでしょうか。
丸山:日本企業に人を守ることの重要性を広げていくうえで、営業がお客様と交わす対話はとても重要です。お客様自身もまだ気づいていないリスクを明らかにし、必要な支援を一緒に考え、社内の専門家と共に形にする体制を整え、いざというときに確実に支援を届けることが、営業の役割です。
人の命に直結する支援だからこそ、提案して終わりにはできないんです。お客様自身に「あってよかった」と思っていただけるところまでが、仕事だと思っています。
契約後、営業が国内外の社内コミュニケーションのハブとなって医療やセキュリティの専門家、アシスタンスセンターのキーマンをつなぎます。さまざまな部門が連携して初めて、お客様に必要な支援を届けられるようになります。それぞれの役割は違っても、目指していることは同じです。
導入後も、平時から情報提供や準備を重ね、お客様企業の海外駐在員や出張者が、安心して力を発揮できるよう支え続けます。一つひとつの契約が、人を守る仕組みをより多くの企業へ広げ、日本企業におけるリスクマネジメントの考え方を広げることにつながる。そこに、この仕事ならではのやりがいがあります。
お客様の「ハッとする瞬間」を探り当てていく
──「人を守ることが企業を強くする」という考えを、日本市場の新しい常識にするために、どのような働きかけが必要ですか。
丸山:お客様に「当社は海外で働く社員を医療とセキュリティの面から支えます」と説明するだけでは、お客様ご自身の企業にとってそれがどのくらい重大な影響を及ぼすのかまでは想像していただきづらいことがあります。営業はお客様の状況を伺いながら、「お客様が正しく社員を守っていただくため」にご認識いただいた方が良いと考える世界中の発生した事象や関連する数字、その背景にある様々なストーリーをお伝えしています。
例えば海外駐在員やそのご家族に「何か」が起きたとき、その事象が企業に与える影響は治療費だけにとどまりません。赴任にかけた費用が無駄になり、予定していたプロジェクトの進行が遅れ、期待していた利益を得られなくなる可能性があります。代替人員を探す必要もありますし、次の赴任者が手を挙げにくくなることも考えられます。こうした影響を具体的にお示しすることで、人を守ることが事業を守ることでもあると理解していただけるんです。
「先進国にしか行かない」「出張者が少ないから大丈夫」「海外に慣れた社員ばかりだから心配ない」と言われることもあります。しかし、社員が海外渡航に慣れてくると警戒心が薄れ、思わぬ事故やトラブルにつながるケースもあります。あるお客様から、「4回目の出張でアクシデントが起きるケースが多い」と教えていただいたことがあります。別のお客様からも同様のお話を伺ったときは改めて海外渡航は油断が禁物であることを再認識したと同時に、私たちのような外部からそのリスクを注意喚起することの重要性を感じました。
具体的な話を重ねるなかで、お客様が「それは自社にも起こり得るね」と気づく瞬間がある。その「ハッとする瞬間」を探り当てることが、日本市場で人を守ることの価値を広げる第一歩だと思います。
──同じ企業のなかでも、課題によって対話する相手が変わるのですね。
丸山:そうですね。海外人事の方の場合もあれば、事業への影響を身近に感じている海外事業部や危機管理部の方、また立場が変わって産業医の場合もあります。セミナーや記事をきっかけに関心を持ってくださる企業もあれば、こちらから、その企業が進出している地域で起きていることや、同業他社の事例をお伝えすることもあります。
対話を重ねて、社内に点在している課題を聞き取り、必要な方々をつなぎながら、その企業にとっての備えを一緒に考えていきます。まだ多くの日本企業で人を守ることの重要性が十分に認識されていないからこそ、私たちのアプローチの仕方次第で、日本企業の考え方も市場全体も変えていける。そこに、この仕事の難しさと大きな可能性があります。
助言で終わらない。だから、日本向けのサービスを自分たちでつくれる
──お客様との対話で見つけた課題を起点に、既存のサービスや専門性を組み合わせて、新しい支援を形にしていくわけですね。
丸山:はい。当社には長年の経験の中でご支援してきた数多くの実績、そしてそれを元に築き上げた全世界で基盤となっているサービスやシステム、医療・セキュリティの専門家によるネットワークがあるので、日本の企業に向けにそれらをどう組み合わせ、何を提案するか、無限大の選択肢があります。
私たちの強みは、専門家が助言するだけでなく、必要なときには現地で人を助けられることです。医師やセキュリティの専門家、長年連携してきた各地のパートナーが、単なる助言にとどまらず、安全な移動や医療搬送、退避などの実働まで担える体制があることです。こうした専門家のネットワークと、実際に現地で手を差し伸べる力があるからこそ、お客様の声を起点に、この市場に必要な新しい支援を考えられるのです。
──実際にいま、形にしようとしているサービスはありますか。
丸山:現在、営業がお客様との対話から見つけた課題をもとに、海外渡航される社員の赴任前健診の結果を確認するところから、赴任中、そして帰国までを医療面で一気通貫で支えるサービスをつくっています。
たとえば、持病のある社員が海外へ赴任する場合、渡航先の医療環境まで踏まえ、必要な検査やフォローを医師と設計する。現地で忙しく、病院へ行けていなければ、受診の時期を知らせて支援する。病気の悪化を防げれば、ご本人を守れるだけでなく、事業の中断や医療費の増加も抑えられます。
重要なのは、本社から完成されたサービスが下りてくるのを待つのではなく、今ある専門性やネットワークを組み合わせ、日本市場に必要な支援を自分たちで形にしていくことです。すでにあるサービスをそのまま持ち込むのではなく、日本企業の課題に合わせて新しい価値へ変えていけるんです。
前例に縛られず、「企業が人を守るのが当たり前」という未来を切り拓く。私たちが求めるゲームチェンジャー像
──これから日本市場を変えていくゲームチェンジャーとして、どのような方に加わってほしいですか。
丸山:私が思うゲームチェンジャーは、決まった正解を探すのではなく、課題そのものを見つけにいける人ですね。既定路線に乗っていることを良しとするのではなく、時にはそこから外れてでも、「やってみよう」と思える方ですね。
この仕事では、予定通りに物事が進むことのほうが少ないんです。情勢や災害によって、昨日立てた計画が今日には使えなくなることもあります。この仕事では、唯一確かなことは「想定外が起きる」ということです。だからこそ、決められた正解をなぞるのではなく、その場で考え、やり方を変えていける柔軟さが欠かせません。
もう一つ、お客様の話を丁寧に聞き、まだ言葉になっていない困りごとに気づけることも大事なので、少しおせっかいなくらい、お客様のことを気にかけられる人が、この仕事には合っていると思います。
お客様が抱える課題には、その優先順位が付けられていないケースやそもそも課題が顕在化していないケースもあります。そうした方にも過度に遠慮せず、「本当に大丈夫ですか」「このような支援も必要ではありませんか」と一歩踏み込み、事例を伝えながら、ご本人もまだ認識していない課題を一緒に見つけていくことが大事です。
──なるほど。海外での経験も、この仕事を理解するうえでは生きてきそうですね。
丸山:海外で一度でも「冷やっとした」経験がある方は、この仕事の価値を実感しやすいと思います。旅行でも、駐在でも、留学でも構いません。実際に危険な目に遭っていなくても、「もし何かあったらどうしよう」と感じた瞬間があると、海外で働く人が置かれている状況を自分ごととして想像しやすいんです。
もちろん慎重な判断は欠かせませんが、すべてを一人で判断するわけではなく、世界各地の専門家や社内の仲間と相談しながら、その時点でできる最善の方法を考えていきます。強い専門性を持つ人たちと協働しながら、「今できることは何だろう」と前向きに考えられる方には、大きな裁量と挑戦の機会があると思います。
──人を送り出す側として、その責任の重さを実感した経験はありますか。
丸山:私自身、マネジメントの立場で、情勢が不安定な地域へセキュリティの担当者を送り出したことがあります。そのときは、「本当に無事に帰ってこられるだろうか」と不安になりました。本人は「準備は万端です。それでも何かあったらインターナショナルSOSに助けてもらいます」と現地へ向かってくれましたが、送り出す側としての責任の重さを強く感じた出来事でした。
企業が社員を海外へ送り出すということは、ご本人だけでなく、ご家族の生活や将来にも影響を与える重要な意思決定だと思っています。自分自身が企業側の責任者として社員を送り出す立場になったことで、その責任の大きさを改めて実感しました。
──これまで異なる業界で培ってきた経験も、生かせるのでしょうか。
丸山:もちろんです。先ほどお話しした「冷やっとした経験」で言えば、私自身も以前、サプライチェーンやロジスティクスに携わり、シンガポールを拠点にグローバル営業をしていた頃、海外で予期せぬトラブルに直面した経験があります。交通事故に遭ったことや、移動計画が崩れて対応に苦労したこともありました。「あのとき当社のこのサービスに加入していたらどれだけ楽だったか」と、今でも思うことがあります。国際物流では、突発的な出来事が日常的に起きるため、そこで培った対応力が現在の仕事にもつながっています。
私の経験は一例ではありますが、医療やセキュリティとは一見異なる業界で培った経験や視点も、当社では新しい提案やサービスを生み出す力になります。
インターナショナルSOSは約40年にわたって蓄積してきた知見や、世界各地の専門家と連携できる強力な基盤がある一方で、日本市場にはまだ大きな成長の余地があります。すべてをゼロから一人で背負うのではなく、そうした専門性やネットワークを生かしながら、自分の経験やアイデアを持ち込み、人を守る仕組みを日本企業の新しい当たり前にしていける。そこが、今のインターナショナルSOSで働く面白さだと思います。
お客様自身も気づいていない課題を見つけ、世界中の専門家と協力しながら新たな価値を形にしていく。そんな仕事に挑戦したい方と、ぜひお話ししたいと思っています。
そんな思いをお持ちの方は、ぜひ一度カジュアルにお話ししましょう。皆さんの経験をインターナショナルSOSでどのように活かしていただけるのか、一緒に考えられたらうれしいです!
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