エンジニアは35歳定年説が唱えられるくらい、常にキャッチアップし続けなければならない、という高いハードルがあります。
この「キャッチアップ」を継続し、スペシャリストとして多くのエンジニアが活躍している一方で、途中で「キャッチアップ」よりも、若手育成に傾注しマネージャーとして活躍している元エンジニアも多くいます(中にはスペシャリストとしてキャッチアップしながらマネージャーもしている人もいますが)
ここで最大の問いは、「今後スペシャリストになるか、マネージャーになるか」という、多くのエンジニアが上司から問われたことがあるであろう命題にぶつかります。
コードを書くのが好きだから、より視座の高いマネージャーとして活躍したいから、長年同じ分野に携わってきたのでビジネスとの橋渡し役も可能になってきたから、等、人によって好きなことベースで選択するエンジニアは多いかと思います。
ところで、ここで私のキャリアについてお話しします。私は新卒でゴールドマン・サックスに入社し、エンジニアとしてキャリアをスタートさせました。その後スタートアップのCTOや大企業の内製組織立ち上げ等、上記でいうところのスペシャリストとマネージャーの間を行ったり来たりしていました。(正直いってしんどかった)
その後、ベンチャーキャピタリストとしてシリコンバレーやイスラエル等で技術スタートアップへの投資も行っておりました。ベンチャー投資では特にビジネスサイドのナレッジが重要であり、コードを書くことはほぼありませんでした。その後技術的なデューデリジェンスを行う組織の立ち上げや、海外スタートアップのプロダクトを日本に持ってくる、という技術屋なのか、営業なのか、投資担当なのか、何屋かわからない状態で突き進んできました。
今私はスタートアップでCEOをしていますが、ここで冒頭の大きな問いである「スペシャリストかマネージャーか」について、改めて振り返りました。私の行ったり来たりのキャリアの中で、一つだけ重要視していたものがあります。それは「将来何をしたいか、なぜそれをしたいか?」を考え抜く、ということです。
私は技術で世の中を良くしたい、とりわけ現在は教育を良くすることで100年後の未来を明るくする、ということをやりたい、という動機とモチベーションの源泉があります。なので、創業以来プロダクトのためのコーディングもやれば、エンジニア採用はもちろんのこと、営業や資金調達、ビジネス交渉含め全て担当しています。
冒頭の問いに、自分で答えを出すには、「何が得意か」「何が好きか」ではなく、「将来何をしていたくて、なぜそれをやりたいのか」を自問自答すると、今なすべきことが自ずと見えてくる、と私は考えています。目先の得意や好き、は往々にして変化します。私も10年前と現在ではプライベート含め全くできることや好きなことが異なります。
今一度、目的(ゴール)としての「マネージャーかスペシャリスト」ではなく、目的を明確に定めた上で手段として、今マネージャーの経験を積むべきか、スペシャリストとして腕を磨くか、を考えると長期視点のキャリアビジョンが描きやすくなるのではないでしょうか?
トップの画像は海で各々が何か目的を設定して遊んでいる様子です。何を探すのか決めずに大きな浜辺でひたすら何かを探しても、自分が見つけたかったものはなかなか見つからないかと思います。具体的に自分は何を探しているのか、から考えることが「目的」を発見する第一歩なのではないでしょうか。
下記は営業しながら書いたコードのGithubのコミット履歴です。