ダンデライオンの社員からリアルな声を聞くこのコーナー。第5回は「コンポジット」編です。コンポジットはアニメ制作の最後の工程。その仕事にはどんな面白さがあるのでしょうか? 杉山さんと川口さんにお話を聞きました!
<プロフィール>
【川口 紗希/かわぐちさき】LOOK・コンポジット ユニットサブリーダー
前職のアニメ制作会社に在籍していた時にダンデライオンのプロジェクトに出向で参加し、雰囲気の良さに惹かれ、その後2012年入社。
【杉山 嶺/すぎやまりょう】 LOOK・コンポジット ユニット
専門学校4年の2014年からインターンでダンデライオンに勤務し、卒業後2015年入社。
まるで文化祭みたいな雰囲気でした
◆ダンデライオンに入社した理由はなんですか?
杉山)専門学校4年生の時にインターンで来たのがダンデライオンとの出会いです。モデリングとコンポジットがやりたいという希望をその時叶えてもらい、作業も楽しくてそのまま就職しました。
川口)私が前職で働いていたアニメ制作会社では他社に出向することも多かったので、ダンデライオンにも出向に来たのがきっかけで入社しました。
◆いろいろな企業に出向した中で、なぜダンデライオンに入社したのでしょう?
川口)当社は先輩との距離が近くて質問しやすかったのが印象的でした。社員みんな仲がよくて、ここで働きたいと思いました。
◆実際に入社したダンデライオンはどうでしたか?
川口)まるで文化祭みたいな雰囲気です(笑)みんなで一つのものを作り上げている感覚がすごくいいですね。
最後のバトンを受けとる仕事
◆お二人は今、どんな仕事をしていますか?
杉山)私はルックディベロップを担当しています。主に画作りと、それを量産するための準備です。画作りとは指針となる画を合成する仕事で、その画をベースにして他のカットを作っていく流れです。現在は来年秋公開予定の映画「SLAM DUNK」(タイトル未定)の参加しています。
川口)私も「SLAM DUNK」(タイトル未定)を手がけています。私はキャラクターがメインで、杉山さんがBG(背景)をメインに担当しています。
◆コンポジットの仕事ってどんなところが面白いですか?
杉山)コンポジットはアニメ制作の最後の工程なので、自分の作業がダイレクトに最終画に繋がります。徐々に出来上がって、完成した時の達成感は格別です。
川口)私も杉山さんと似ています。前の工程が受け継いできた最後のバトンを自分が受けること。それが一番のやりがいです。
◆最終工程を担当することがコンポジットの醍醐味なんですね。
川口)そうなんです。モデリングやアニメーションの人たちが積み重ねてきたものを、もっと良くして世に出そうという気持ちになりますし、手を加えるたびに良くなっていくのも感じます。自分が最後に作業したものが画面に流れてくるのは本当に感動します。
◆ではコンポジットの大変なところってありますか?
杉山)コンポジットは一つの画を作るだけでなく、量産することを考えなければいけません。作業ではエラーも出てくるのですが、それを解決するためには常に勉強して新しい知識を取り入れる必要があります。そういったテクニカルな部分と画作りのアートな部分の両方に配慮しながら作業するのは、大変でもあり楽しさでもあります。
川口)私は、バトンの受け渡しがうまくいかない時ですね。尺が長い案件だとちょっとずつスケジュールがずれてしまい、作業時間が短くなってしまうこともあります(笑)
◆コンポジットはプロジェクトのフォロー役でもあるんですね。では仕事で大切にしていることはありますか?
杉山)前回手がけた案件より良いクオリティーのものができるようにしよう、と毎回考えています。いつもスキルを高める意識は持っています。
川口)私は、作っている映像が世に出た時に見てくれる人の気持ちになって作るようにしています。アイドルの映像を作るのであれば、そのキャラクターのことを好きになる。それだけでキャラクターを魅力的に伝えられるのではないかと思っています。
人と人との距離が近い
◆ダンデライオンで思い出に残っている案件はありますか?
杉山)入社5年目に手がけた『Dancing City』というアプリです。初めてプロジェクト全体のCGディレクターとして入った案件で、今でも印象に残っています。
◆CGディレクターをやってみてどうでしたか?
杉山)コンポジット以外の工程やディレクター・PMの動きがよく見えました。それまで以上に作品全体に対する映像の責任を考えるようになれたのは、すごくいい経験でした。
◆川口さんは思い出に残っている案件はありますか?
2016年に手がけた「ツキウタ。」という男性アイドルもののアニメです。オープニングでキャラクターたちのダンスムービーを作ったのですが、Twitterでも評判になり、ダイレクトに感想を見ることができて嬉しかったです。
◆今後やってみたい仕事はありますか?
杉山)セルルックのアニメとは別に、ピクサーみたいなフル3Dはやってみたいです。
川口)私は「目の前にある仕事を楽しんでやろう」というのが仕事のスタンスなので、特別何かというよりも、ダンデライオンの名がもっと世に広く知れ渡るような作品を作りたいです。
◆ダンデライオンの「ここがいい」ってどんなところですか?
杉山)上長にもチームメンバーにもなんでも質問できる、風通しがいいところです。
川口)私も、人と人との距離が近いのがダンデライオンのいいところだと思います。コロナ禍になってリモートワークが始まりましたが、バーチャルオフィスを使ってプロジェクトやユニットを超えたコミュニケーションも気軽にしています。データの受け渡しの相談もできますし、休憩室で雑談もしています。出社していた時のような感じで会話できるのはありがたいですね。
2Dもフル3Dもある面白さ
◆ダンデライオンでどんな成長ができますか?
杉山)当社では、アイドルのダンスものをはじめ、作品の一部ではなくトータルに携わる機会があります。大きな視野で「どうしたらクオリティーが上がるのか」を考えて仕事ができるため、総合力が身につきます。
川口)わりと早いうちから、リードやディレクターに挑戦させてもらえます。素敵な先輩たちのフォローアップを受けながらディレクターに挑戦できるので、安心して成長できます。
◆残業やおやすみなどの働く環境面はいかがですか?
杉山)残業はあっても1日1時間くらいです。忙しい時期と落ち着いている時期の差はありますが、忙しい時期でも昔より随分よくなっています。会社が社員の労務環境の改善に本気で取り組んでくれているのは感じますね。
川口)本当にそうですね。年々良くなっています。有給も夏休みも取れていますし、働く環境はいいと思います。
杉山)それに当社は男女比率や年齢に偏りがないですし、時短で働いている人もいます。どんな人でも働きやすさを感じられるのではないでしょうか。
◆最後に読者に一言メッセージをお願いします!
杉山)ダンデライオンには、2Dのアニメも『ピングー』のようなフル3Dの作品もあります。幅広く両方を手がけているのが特徴なので、ダンデライオンの作品が好きであればどんな方でも大歓迎です。
川口)「良いものを作ろう」と前のめりな姿勢がある方、ぜひ一緒に作品作りを楽しみましょう。