今回は海外就職を目指す多くの方が懸念しているであろう
「新型コロナウイルスによる日本人の海外就職への影響」についてになります。
今回はタイの日本人採用マーケットを中心にご紹介させていただきます。
この記事のポイント
- 就職状況はトーンダウンしているが、採用を続けている企業もあり、実際に内定も出ている(内定が出た実例も紹介)
- 「コロナが落ち着くまで待とう」という人が多いため、“ライバルが少ない状況”とも取れる
- 明確な勤務開始日は見えないものの、オンライン面接だけで内定・仮内定が出ることがある
- 就職活動を「する」or「しない」の二択で極端になる必要はなく、自分ができる範囲で取り組むというバランス感覚が大事
※2021年1月04日時点の現状です
日本人のタイ就職への影響は?(採用動向)
新規ビザの取得が難しく、フライトも制限されている中、日々採用動向をウォッチしている我々から見ても、全体的にタイにおける日本人採用はトーンダウンしている印象です。
中でも、大きく分けると2つのケースがあります。
①今後の不況を見据えながらも採用を継続するケース
②ダイレクトに影響を受け、採用活動自体をストップするケース
①今後の不況を見据えながらも採用を継続するケース
現状ダイレクトな影響は出ていないものの、先行きの見えない不安から採用を縮小・保留しつつ、すべてオンライン面接に切り替えながら採用活動を継続している企業も実は少なくありません。
仮に内定が出たとしても「入社時期がいつになるかわからない」状況ではあるものの、実際に非常事態宣言の出た3月下旬から4月上旬にかけて内定が出たケースもいくつかあるので、ここでは3つの事例を紹介します。
内定事例①
製造業|営業
<内定者>
バンコク在住
<そもそもの背景・採用の理由>
- 前任の駐在員の帰任が決まり、欠員を埋めるために早い段階から募集をかけていた
- 今のところ業績も好調であるため、ビジネスを維持する上でいずれにせよ必要なポジションだった
- 「比較的現地法人に権限があるため、本社の影響を受けず意思決定がしやすかった。本社に権限がある日系大手は、方針に従うしかなく、採用停止・保留しているところが多い印象」(採用担当者)
「欠員をうめる」というのがポイントかもしれないですね。「増員・新しく人数を増やす」というのは今は慎重になるだろうし…。
内定事例②
自動車業界|エンジニア
<内定者>
タイ国外在住
<そもそもの背景・採用の理由>
- 長く勤めてきてくれたベテラン社員が定年を迎えるため、後任を探していた
- とはいえ、求められるスキルがかなりニッチであるため、見つかったらラッキーくらいの感覚で募集を続けてきた
- そこにたまたま経験がかっちりとハマる人が現れたので、このチャンスはそう巡ってこないと思い内定を出した
<コロナの採用への影響は?>
- もちろん入社時期は読めないが、遅かれ早かれ必ず必要なポジションなので、「いつでもいいから来て欲しい」とオファーを出した。
- 「もちろん不況も危惧している。ただ、正確には明確には “見えない” という表現が正しい」(採用担当)
これも「欠員をうめる」パターンですね。経験がばっちりハマるのならば企業としても「いつになっても構わないから来てください」と内定を出しておきたいのはわかりますね。
内定事例③
カスタマーサービス業|オペレーター
<内定者>
日本在住
<そもそもの背景>
- もちろんコロナの状況は読めないが、現状大きなインパクトがあったり、上から採用削減の指示は出たりはしていない
- 会社としても、求職者としても入社の時期は読めないが、仮内定を出すところまで進めて、状況が落ち着き次第判断する方向
<採用の理由>
- 通年で募集をかけており、良い人がいれば採用したいポジションだった
これは通年募集しているポジションで、しかもコロナの影響を比較的受けにくい業態、ということですね。日本からの内定が出ているのも意外ですが、「いつ勤務開始になるのか?」は企業も内定者も見えない、というのが前提ですね。
②ダイレクトに影響を受け、採用活動自体をストップするケース
例えば観光業や飲食業等、短期的な需要減から採用活動自体をストップせざるを得ないケースです。
以下は選考が進んでいた中での採用延期となった事例です。
「現在、観光業ではコロナの影響で非常にコスト削減にシビアな中、当社もしばらくは人材の採用が難しい状況です。今回、非常に好印象でありました〇〇様にはぜひ一緒に働いていただきたかったのですが、日本側本社からの厳しい声もありまして、コロナの終息までは採用を控えたいと存じます。 」(日系観光・レジャー企業担当者)
非常事態宣言が出た直後だったようで… これは誰にもコントロールできることではないので仕方ないですね。
このコロナの状況をどう捉えるべき?
このように、オンライン面接で採用活動を継続している企業もあり、裏を返せばオンライン面接のみで内定が出る状況であることも事実です。
ここ最近(コロナが深刻化する前)は、対面での面接ができることが実は選考を突破する上で有利な状況でした。しかし実際にタイに住んでいない、タイに渡航ができない人でも、以前に比べると比較的同じ土俵で戦うこともできるというわけです。
それから、中には「コロナが終息するまでは様子を見よう」と諦めて活動自体をストップしてしまう求職者の方もいるため、実はじっくり腰を据えて海外就職を目指す人には悪くない状況とも言えるかもしれません。
就職活動を「する」or「しない」の二択で極端になる必要はなく、”自分ができる範囲で取り組む” というバランス感覚を持って海外での就職に取り組んでみてはいかがでしょうか。
実際に募集をしてるかどうかは待っているだけではわからないし、「コロナだからやめとこう」ではなく、「できる範囲で転職活動自体は続けておく」だけでも意味はあるってことですね!
海外就職を目指す上で今できることは?
先ほども述べたとおりこの時期を「何もしないで過ごす」のか「できる限りのことを進めておく」のかによって、今後の可能性が大きく変わってくるでしょう。
今取り組めること
整理する時間と捉え、じっくり準備を進める
- 自分の人生計画・やりたいことを棚卸しする
- 職務経歴書をアップデートする
- 自宅待機で増えた時間を使って情報収集する
実際に求人を見て、選考を進めてみる
- 転職サイトなどで、募集をかけている求人がないかチェックする
- 募集状況は常に変化するので、転職エージェントと面談し最新の情報を得る
- 気になるところがあれば応募し、企業と面談をしてみる
まずは「気軽に」相談したい、状況を知りたい方は、お気軽にご連絡ください。