こんにちは。
サン・クリーンサービスの香美です。

当社では5年ほど前からベトナムの技能実習生を受け入れしており，現在では3期生まで増えて6名の技能実習生の方がお仕事に来てくださっております。

さて，勤務年数の長い1期生は日本語の上達は著しく，今では日本人とほぼ同じような会話ができるようになっておりますが，2期生・3期生と増えるにつれて新しく入った実習生に対しては「日本語が上達せず，覚える気が無い」といった声が社内から上がるようになりました。

私自身は実習生が在籍している技術部とは違う部署にいるため，日常で接することはあまり少なく，これまで技術部の日本人社員からのそういった声をそのまま受け取っていました。

▌3期生と接する機会が増えて感じたこと

さて，実習生とのかかわりが少なかった私ですが，ここ1か月ほどは新たに始まった仕事の関係でほぼ毎日実習生と一緒に仕事をしています。
その中で感じることは，今まで他の人から聞いていた評価ほど「日本語が下手だとも，覚える気が無いとは思わない」と，言うことです。
今までになかった新しい仕事なので，当然彼らにも仕事上のわからない言葉があります。
それでも一生懸命に意味を理解しようとしてくれていたり，わからないことはわからないと教えてくれて，より詳しく聞こうとしてくれます。

▌なぜうちの実習生は日本語が下手だと言われるのか？

ある時一人の実習生から，「あなたはゆっくり話してくれるから，会話がわかりやすい」と，言うようなことを言ってくれました。
もともとの会話スピードが遅い私が実習生と話すときは，相手の反応を見ながらわかりやすい言葉を選んで話すように心がけていたので，さらにゆっくりとした会話になっています。
詳しく話を聞いてみると，技術部には早口の人が多いようです。
そもそも，技術部での仕事は常に時間との勝負なので，早口になってしまうのも仕方のないことですが
日本に来て日の浅い実習生にとっては，早口で話をされると聞き取りがとても困難でしょう。

また，方言の問題もあります。
実習生たちが日本に来るまでに勉強してきた言葉は当然，標準語です。
ですが仕事上の会話は関西弁になっています。
標準語でも聞き取るのが難しいのに，関西弁だとさらに難易度アップです。

▌「てにをは」を間違えると恥ずかしい

実習生と話していると，「てにをは」を使っていないことが多いことに気づきました。
例えば「私はあなたと仕事をします。」と言うところを，「私　あなた　仕事　します。」のようにして
いて，使っても「私 ”が” あなた ”に” 仕事 ”で” します」のように間違っていることもあります。
ここも詳しく聞いてみると，「てにをは」というのは難易度が高いらしく，意識的にあまり使っていないようです。さらに間違えて相手に伝わらなかったときは，とても恥ずかしく感じてしまうようです。
確かに「てにをは」は日本人の私でも間違うことが多いので難易度が高いのは納得でしたが，恥ずかしいと感じることについては想像もしていませんでした。

▌ベトナム人は発音で意味を考える。日本人は漢字から意味を考える？

実習生の中には英語を少々話せる方も少なくなく，発音もとてもきれいです。
私が ”５” を「ファイブ」と発音したときは，実習生に「５は ”ファイッ”ですよ。”ブ”って何ですか？」と笑われました。
ところが綴りの話をすると，知らないどころかアルファベットも覚えていないようです。
私の想像ですが，ベトナム語では発音で言葉を判断するため，文字で判断することが感覚的にも難しいのではないかと思います。
日本語にはひらがな・カタカナの他に漢字もあります。
日本人であれば初めて聞く日本語でも，音から漢字を考えてその漢字から意味を連想するということもできますが，音だけを頼りにしていると初めての言葉の意味は全く想像することができません。
そう考えると，先ほどの「てにをは」が難しいというのも納得できる気がします。

▌会話はコミュニケーション

コミュニケーションの意味を調べると「互いに意思や感情，思考を伝達しあうこと。」とあります。
実習生の言っていることの意味が解らない。伝えようとしても理解してくれない。ということはとても
もどかしいですが，お互いの特徴や得意・不得意なことを意識しながらお互いに伝え合うことで，
両者の理解がもっと深まるのではと感じる出来事でした。

いかがでしょうか？
今回はベトナム人実習生との会話での気づきでしたが，”お互いの特徴や得意・不得意のことを意識しながらお互いに伝え合う”というところは日本人同士のコミュニケーションでも大事なことですよね。
この気づきを大事にして，明日からも実習生たちと仕事を頑張りたいと思います。
それでは