はじめに
皆さん有意義な12月を過ごしていらっしゃいますでしょうか。スタジオ・アルカナの今
山です。
一時期の熱に浮かされたような1on1ブームもぼちぼち落ち着いてしまい、かつて心理カウンセラー志望だった私はちょっと淋しいななどと思ってしまいます。まあ、色々あって道を大幅にそれてしまいましたが……
1on1は上司(メンター)側の力量もさることながら、部下(メンティー)側の積極性もないと確実にグダグダな雑談タイムに終わってしまい、ランチ時間に駄弁ってるのと同じになってしまったり(これはまだそれなりに意味がある方とは言えますが)、上司の武勇伝とチミはダメだなのお説教タイムになってしまったり、最悪はただ無言で双方「う〜ん」って言ってるだけで終わってしまったり、あんまり意義を見いだせないまま終わってしまうことも多かったのではないかと思います。
加えて、1on1は「1on1中は他の人に聞かれたり見られたりしない」性質があるため、そのセッション自体が良かったのか悪かったのか評価されづらいのもあって、正解がわからない方も多いんじゃないでしょうか。
かと言って僕自身が「これが正解!」と自信を持って言えるわけではないのですが、経験の中で手応えがあったり、部下に「今山さんと話してみて、自分でも気付いてなかったことが言語化されて感動しました」みたいなことを言ってもらえた中でなんとなく掴んだノウハウとか考え方のお話をしようかと思います。
準備が大事
かつてアルカナに SIGN という議事録サービスが有りました。
これは現在では他社さんに引き継いでいただいて、 別の名前に変わって提供されていますが、基本的な機能はそのままで提供されています。
SIGNローンチ時はまだアルカナ社員ではなく、スタジオ・アルカナのいちファンで、SIGNのプレゼンをする山崎伸也(取締役)をとある勉強会でみて、雷に打たれたような衝撃があったことを今も覚えています。当時の所属会社や常駐先でバリバリ使ってました。
SIGNのプレゼンですごかったのは「議事録は先に作ろう」という話でした。これは別に台本のような議事録を作っておいて、全員にハイハイ言わせて強制的に合意形成するっていう話ではなくて、アジェンダよりもうちょっと突っ込んだ内容のところまで書いておいて、議論が発展するようであればどんどん書き込んでいこうぜってスタイルでやると短い時間で内容の濃い会議ができるようになるよ、という話です。
これは1on1でも同じです。1on1の事前準備は結構しっかりやっておいたほうが有意義な1on1できます。よく聞く失敗1on1にありがちな「話すことがない」はかなり避けられます。なぜなら事前準備資料に書いてあるのですから。
何を準備するの?
そら、話すこと決めるレジュメやで、って話ではあるのですが、流石に雑すぎるので、アルカナがやってる具体例をぼんやり出しましょう。
アルカナでは半期に1回人事考課を行っており、そのベースとなる「人事考課シート」というものがあります。ここには半期の始まりに前の半期のフィードバックや単に自分のやってみたいことなどを下に「今期の目標」というものを書きます。これはそんなに解像度をあげなくてもいいんですが、キーワードレベルでいいのでいくつか上げてもらいます。
そしてそれとは別に、会社はある4つの軸(社外秘、とは言えありがちなやつです)で評価をするので、それについてもあらかじめどうするか考えてもらいます。どんな技術を習得したいとか、こんなふうに会社で貢献したいとか。
そう、準備をしなきゃいけないのはメンティー側です。変な話、メンティーの準備がしっかりしてればしてるほど1on1の質は勝手に良くなります。なんだったら1on1の日程調整までメンティー側からできるようになるととても良いと思います。
本当は1on1が評価に直結するとメンティーの話す内容が「評価を気にしたもの」になってしまって良くないんですが、「ちょっとでも最終評価者の評価を良くするために」みたいな体でいけば一体感も出て良いんじゃないでしょうか。逆に言えば、査定のときは僕がメンバーこんなに成長したし、頑張ったんやで!って僕の上司にプレゼンするわけですし。
なんのためにやるのか
よくある1on1指南本で散々言われてる「部下の自主性促進」とか「上司部下の関係性向上」はもちろんなのかな、と思いますが、個人的には「いかに部下にハッピーになってもらうか」と考えてやってます。会社の考えに沿わせたいとかはあんまり考えてません。なんなら部下の幸福のために会社をどうやって変えてくかのほうが強いです。そのためには 何に幸福を感じるのか が大事だし、それを知りたくて1on1やってるんじゃないかなって思います。そして部下側は上司に自分が何に幸福を感じるのかを伝えると良いのかなと思います。もちろん上司はそれを否定せずに聞く義務があります。(公序良俗に反しない範囲で)
1on1中に気をつけること
ここまで散々言ってきたと思いますが、1on1は 基本的にメンティー(部下)のため にやるものです。なのでメンターはメンティーの言うことを最低限の相槌だけで進めるのが最高に理想的です。
ご清聴ありがとうございました……
……ってそんな単純なら誰も困らないわけですよ。
僕もこれまで数十人部下や後輩を抱えてきましたが、ほっといて自動的に喋れるやつは記憶してる中では4人くらいです。多分5%切ってます。なので、程よく突っついたりしてメンティーの気持ちをほぐしながら進めていくのが肝要です。
最初のアイスブレイク(雑談)が大事とかそんなカビの生えたことをここで言っても仕方ないので、自分が何を意識してるのかの話をしようかと思います。
1on1をしてる最中には4つの時間が存在しています。これも結構いろんな1on1マニュアルでも出てきますが、
- コーチング(メンティーがたくさん喋ってる)
- ティーチング(メンターがたくさん喋ってる)
- フィードバックとディスカッション(半々くらい)
- 雑談(半々くらいかつ内容がない)
みたいな感じで、これらの時間のバランスが大事だと考えています。相手によってコーチング型1on1とティーチング型1on1を使い分けましょうとか言ってるのを何処かのサイトで見かけましたが、あんまりどっちかに偏ることもないし、普通に共存するかなと思います。
コーチングが多いに越したことはないんですが、あまり多いようだと 上司が部下に洗脳を受けてる状態 に陥ってしまう可能性があるので気をつける必要があります。個人的な体感では多くて7割くらいにとどめておくのがいいのかなと思います。とはいえこれは多くするほうが難しいので、オープンクエスチョン/クローズドクエスチョンを使い分けたり、オウム返しを使ったりとカウンセリングテクニックを駆使して引き出します。なんかペラペラしたカウンセリング本などを買って学ぶと良いと思います。
ティーチングは会社に入りたての、特に新卒相手だと多くなりがちにはなりますが、普通に考えて分かる通りここは パワハラの温床 になりやすいのでメンター側が意識する必要があります。最悪でも全体の半分は超えないように気をつけたいところです。
フィードバックとディスカッションは基本的には2回目以降の1on1ででしか出てこないと思います。アイスブレイクの後とか、もういっそアイスブレイク替わりにやるのが良いでしょう。ここもなぜなぜどうしてみたいな詰め方せずに「こういう選択肢も合ったと思うけどどうだろう?」みたいな将棋の感想戦みたいな議論をすると良い気がします。将棋はある程度わかってたほうが良いと思うので、将棋をしたことない管理職は将棋を覚えると良いと思います。
雑談の時間は大事なのですが、うっかりすると長くなりがちになります。心を鬼にしてここは長くて10分以下にとどめましょう。
おわりに
そんなかんじで偉そうにつらつら並べましたが、いかがでしたでしょうか。他のマネージャーたちがどんな風に1on1をやってるのかは知らないですし、あまり情報交換することもないのですが、多分みんな似たように考えてやってるんだと思ってます。
スタジオ・アルカナはメンバーをとても大切に思ってる会社だということがなんとなく伝われば幸いでございます。