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良質な番組が圧倒的なエンゲージメントを生む。世界が注目する音声配信ビジネスの今

PitPaでは、日本だけでなく、音声配信業界の盛り上がりが活発なアメリカの動向も常にチェックしながら番組作りを行っています。今回は、音声配信業界のビジネス動向や音声広告の価値について、PitPaプロデューサーの富山と話しました。

良質な番組を作れる企業がコンテンツプラットフォームを支える時代

――最近日本でも、「音声アプリブーム」と言われてますよね。とある調査では、国内のPodcastユーザーのうち47.1%が1年以内にPodcastを聞き始めたという結果も出ていました。アメリカではすでにPodcastは普及しているイメージがあったんですが、今も伸びている市場なんですか?

富山

「ユーザーも聞く時間もずっと増加傾向ですね。2020年は前年比16%増でPodcastのリスナー数が1億670万人に達したそうです。だからこそ、今Podcastビジネスの市場も盛り上がっているんでしょうね」

――アメリカのPodcast市場の盛り上がりってどんな感じなんでしょう?

富山

「僕たちが注目しているものでいうと、様々なPodcast制作会社が大手プラットフォームに買収される流れがあります。2019年には、Spotifyが有名番組を多数保有しているGimletを200億円で買収しました。2020年には、NYタイムズが同じくPodcast制作会社”Sereal”を27億円で、AmazonがWonderyという会社を300億円で買収しています

――なるほど。どういう狙いのある買収なんでしょうか。

富山

「少し前にNetflixやAmazon Prime Videoなどの動画プラットフォームが盛り上がっていた時期がありましたよね。最初はどのプラットフォームも、他のプラットフォームでも配信している他社が作ったコンテンツを配信していましたが、次第に独占配信できる自社コンテンツを作って、ユーザーを集めていった。やはり面白いコンテンツがあるプラットフォームにユーザーは集まりますから。同じことが音声配信プラットフォームでも起きている印象です」

――面白い番組をつくれる制作会社を買収して、各プラットフォームで自社コンテンツを作っていく流れということですね。買収された会社の特徴は何かありますか?

富山

「ヒット番組を数多く持っていること。オリジナル番組を多数制作できる制作体制があることですね。ヒット番組自体がプラットフォームと契約するケースもあって、海外のPodcastに詳しい人なら誰もが知っている『ジョー・ローガン』は、100億円でSpotifyと独占契約を結びました

――確かに『ジョー・ローガン』が他のプラットフォームでほとんど聞けなくなってる!これは強いですね。

Podcast番組は以上に広告の離脱率が低い?音声広告の特徴とは

――コンテンツ配信でいつも気になるのがマネタイズなんですが、Podcastだとどんなマネタイズ戦略があるんでしょうか?

富山

「今は広告がほとんどですね。アメリカのデジタル音声広告市場の盛り上がりも注目です。アメリカで5本の指に入る大きなラジオ局であるEntercom communicationsではPodcast広告の売上が17.6%まで膨らんでいて。同じくメジャーなラジオ局であるiHeartMediaでは10%Cumulus Mediaでは15%がPodcastの広告売上になっていますニュースメディアの『Slate』では、収益の半分をPodcastから得ているようですね

――すごい。Podcast広告の魅力って何なのでしょう。

富山

「とにかく離脱率が低いことですかね。”ながら聞き”をしているユーザーも多いからか、その商品のことを5分くらい話していても、ほとんど離脱しないです」

――5分!?でも、ながら聞きならあんまり頭に入っていないような気もする。

富山

「そんなことないですよ。インターネットのディスプレイ広告の4倍以上、ブランド認知効果があると言われています

――でも、5分間聞く音声広告って全然想像つかない。どんな広告なんだろう。

富山

「アメリカのPodcastってホストがいる番組が殆どなんですが、そのホストが2~3分、長いと5分くらい商品を紹介するっていうのが主流ですね」

――なるほど。テレビのインフォマーシャル広告っぽい。

富山

「そうですね。単純な宣伝だけではなくて、自分が使ってみていいところ悪いところ感想も話していて、情報としても面白いのかもしれません。PitPaで分析している日本の番組のデータでも、広告で離脱するのは数%です。アメリカの75%のPodcastリスナーは広告を聞いた後にアクションを起こしているというデータもあるんですよ」

――それは強力ですね。PitPaでも、そのデータをコンテンツに活かしたりするんですか?

富山

『家電最前線』は家電を多く紹介している番組なんですが、実際に購買にまで至ったリスナーさんも沢山います。どれくらいの人が購買に至っているかも、調査をし始めたところですね。この事例に関わらず、得られた知識は、番組作りで随時検証してます」



――私もPodcastやってるんですけど、確かに『番組で聞いたアレ、買いました!』っていう意見よく聞きます。あと、他の番組で紹介された口コミをきっかけに、私の番組を聞いてくれる人も多いです。

富山

「Podcast内でPodcast番組を宣伝するのもかなり効果ありますね。僕らが分析しているデータでも、平均すると、紹介元のPodcast番組のリスナーのうち5%以上は紹介した番組を聞いているんじゃないかという結果が出てます。ホストに対する信頼度が高いんですよね。『ホストが紹介してるなら』とActionをする人が多い」

――わかります。Podcastのホストって、不思議な距離感や信頼感がありますよね。Podcast番組自体にも愛着が強いような気がするんですが、他のマネタイズモデルの可能性ってあるんですか?

富山

先日AppleがPodcastのサブスクリプションサービスを発表しました。課金をすれば、限定エピソードが聞けたりする内容だそうです。今後は、コンテンツに課金するようなマネタイズも出てくるのかもしれませんね」

――確かに、日本でもVoicyさんが有料コンテンツ出してますね。Podcastはまだまだ可能性がありそう。富山さん、お話を聞かせてくださってありがとうございました!

改めてPodcast市場の盛り上がりや可能性、そして人を動かす力を再確認できたインタビューでした。PitPaでは、世界中の音声配信にまつわる情報を取り入れながら良質な番組制作に取り組んでいます。

※このStoryは、PitPa PR担当のりょかちが執筆し、Wantedly Storyに転載しました。

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