【代表インタビュー】思い描く成功は、『社員の家族が自慢できるような、誰もが知っているサービスを創る事』/(株)Cajon 代表取締役 中福渉馬
起業するまでについて詳しく教えて下さい
大学に入った動機は法学部で弁護士を目指そうと思っていました。専門の塾にも通い、本格的に勉強を始めようとしていたんですが、実際に勉強をやってみたら面白くなかった。刑法の先生が法律のことを嬉しそうに話すんですが、聞いても聞いてもやっぱり面白くない。(決して否定している訳ではなく、僕にはという事です)なので、早い段階で方向転換をしました。どうせやるならもっと自由な発想で楽しいことがしたいと思い、方向転換した先が起業でした。
なぜ弁護士になりたかったのですか?
それは、強くなりたかったからです(笑)。 うちは両親が離婚していて、母親が僕と兄を一生懸命育ててくれたんですが、どうしてもお金に対して悔しい思いをした。その経験がそう思わせたんだと思います。 もう一つは学生時代の経験からです。上下関係が厳しく、理不尽なことがたくさんありました。なので、そういう環境の中で、単純に力とか喧嘩が強くても意味がないと感じました。 法治国家では法律家になれば本当の意味で強くなれると思ったし、自分の弁護士事務所を持って組織を持てば強くなれると考えました。 ただ、先ほども言ったように方向転換も早かった。大学時代の話しに戻りますが、法律の勉強が面白くないと感じてからは、学校に行かずに旅に行ってました(笑)。ヒッチハイクして九州を一周したり、自転車で東京から名古屋まで行ってみたり。そんな事をしていたら、ますます卒業したら自由で楽しいことがしたいという思いが強くなりました。
大学を卒業した後、リクルートに就職されたと思いますが、すぐに起業しようとは思わなかったですか?
就職活動が始まった時に、母親に起業をしたいという話をしたんです。その時母親に、『起業したいならリクルートじゃない?』と言われました。 嘘みたいな話ですが、そう母親に言われた日に乗った山手線の車内を、リクルートの採用広告がジャックしていたんです。 それを見て、『まさにこれじゃん』と、何かの縁を感じ、リクルートを志望しようと心に決めました。
最初からどういうビジネスで起業するかは決めていたんですか?
全く決まっていませんでした。最初は起業のため本を何冊も読んだりして勉強をしていました。いくつかの本で、『起業するにはまずは営業が必要』という言葉を目にし、まずはリクルートで営業経験を積んで、その中でやりたいことを見つけようと思っていました。
ただ、最初からインターネットビジネスに興味があったのは確かです。インターネットはテレビのCM広告などと違い低予算で広告を出すことができ、しかも世界中に販路を拡大することもできる。そこに大きな可能性を感じました。
リクルートで働いている時には、ちょうどTwitterが世の中に出始め、話題にもなっていたことから興味を持ちました。Twitterについて独学で知識を取り入れ、リクルートでもTwitter勉強会を開いたりしていたので、社内で『Twitterくん』って呼ばれるほどでした(笑)。
その頃から、インターネット業界への興味が次第に大きくなっていきました。 ちょうどその頃、ホットペッパーの担当クライアントとして、現取締役の久住に出会ったんですが、久住も同じようにインターネット業界に興味を持っていて、その業界で面白いことをしたいという思いを持っていたことから、すぐに意気投合しました。 ※ちなみに、僕と久住との出会いから起業までの話は、久住のWantedlyインタビュー記事に詳しい話がアップされてますのでぜひご覧下さい。
久住とは、「ホットペッパーを倒すサービスを創ろう。」ってディスカッションをよくしていました(笑)。 それから、当時、起業に関する本を片っ端から読んでいる中で、Zappos.com(ザッポス・ドットコム)というアメリカのアパレル関連の通販会社の存在を知ったんですが、それがきっかけで、ザッポスのような会社を作りたいな。と思っていました。 ザッポスは、米国企業としては異常ともいえるほどの徹底した顧客サービスが口コミで広がり大成功を収め、社員と企業文化を大切にしている会社として有名です。
僕はザッポスの顧客対応への思いにとても感銘を受け、今の無機質な時代だからこそ人の温かみが重要で、どんなことをやるにせよ自分もそれを大切にした事業を立ち上げようと強く思いました。
今でこそ事業のベースも固まっているカホンですが、起業当時はどうだったんですか?
僕がリクルートを辞めて起業したのが、26・7歳の頃です。最初はメディア事業からのスタートでした。しかし事業がなかなかうまくいかず、やっぱりまずは得意分野の広告事業をやろうと決めました。お話しした通り、もともと起業する前からインターネット業界に興味があったし、知識もそれなりにあったからです。 とにかく目の前のお客さんのお役に立てるように必死でした。 そして、そうやってがむしゃらに頑張っていた時に、たまたま突破口みたいな仕事の話が出て、そこからは徐々に売上が立つようになっていきました。 本当にいろいろありましたが、結果、流れついた先で目の前のお仕事に必死でやってきたことが今に繋がっているのだと思います。
これまで一番のピンチと感じたことを教えて下さい
一番のピンチ・・・一番のピンチ・・・それが、考えてみたんですが、一番のピンチが思い浮かばない。 そりゃ、仕事ですからトラブルもあります。だいたい半年に1回くらい『うわー。きついな。』と思うくらいの大きなトラブルが起きます(笑)。そして、そのトラブルはだいたい前回を上回った大きさでやってきます。 ですが、これまでも毎回それを乗り越えてきたわけで、これからだって想定もしないようなことが起こるんだろうし、その都度やるしかないという気持ちでいます。それに、今までもできたんだから、これからも何とか乗り換えられると思っています。だから一番のピンチっていうのがないんです。
新しい事業はどう生まれるんですか?
何でもかんでも思いついたからやってみる。ということはありません。僕は30代のうちに会社の年商を100億円にしたいと思っています。なので、大きくならないと思った仕事の話は断ってきたし、自分でもしてきませんでした。あとは、自分たちの強みが生きる事業なのか?社会にとって役に立つか?ということも、新しい事業をスタートさせる上で必ず考えます。 あとは、そもそも新しいことを考えるのは好きです。1あるものを5にするのも好きだけど、0から1の方が強いです。今世の中にないものを0から考えて形にしたいという想いが強いですね。
今後、会社にどういう人が欲しいですか?
①冒険心のある人がいいです。仕事は同じことの繰り返しということがまずない。その毎日毎日変わる変化を笑って楽しめる人。そういう人と働きたいです。
②優秀になりたいと思っている人・自分が優秀だと信じている人かどうか。よく、大企業に入ること=優秀だと思っている人がいますが、大企業に入っただけじゃ全然優秀じゃありません。
大企業では、出来上がったシステムの中で仕事ができる。経営に必要なヒト・カネ・モノ・情報すべてが揃っている。当然それに伴う苦労もありますが、言ってしまえば、『あなたじゃなきゃいけない。』という理由はありません。 決して大企業で働くことが悪いとは思いません。僕も実際働いた事のある人間です。会社にはすごくお世話になったし、そこでの経験は勉強になった。ですが、現場で働いてみたからこそ感じるものもありました。
そこでいうと、うちは全くの正反対です。もう、ボロ船のようなもの(笑)。だからこそ、一人ひとりの社員が優秀である必要があるし、本当に優秀になりたいと言う人にとっては、これ以上ない環境だと思います。
③会社を一緒に創っていきたい人。まだまだこれからの会社なので、一緒に会社を創っていきたい。その一員として頑張りたい。自分の会社をこうしたい。と言う想いを持った人と働きたいですね。
最後に、中福さんの考える『成功』とは何を指しますか?
僕には夢があるんです。 30代で年商100億円達成という目標がありますが、それではありません。
夢は、Cajonで働く社員の家族がたとえばその子供たちが『うちのパパ(ママ)は、”あの”ITブートキャンプを創った人なんだよ。』と、今の主軸事業の『ITブートキャンプ』を、そんな風に誰かに自慢できるようなサービスに創りあげる事です。 自分たちが創り上げてきたものを誰もが知っている。そんな仕事がしたいし、世の中に影響を及ぼせるサービスを創りたいと思います。それが「できた」と実感できた時が『成功』なんじゃないかと思います。
■■■■■■■■■■ 社員に聞く『社長ってこんな人』■■■■■■■■■■
実際に会社で働く社員に、中福さんってどんな人?という質問をしてみました。 社員から見た社長はこんな人です!
『仕事の時は、周りを寄せ付けないほどの(笑)非常に鋭い目をしてます。常に前向きで、人に好かれ、人生を冒険だと考えている素敵な人です。そして、たまにこれNG?と思われるほどの冗談を言います』 (営業マネージャー)
『野心に溢れ、締めるとこは締め、抜くところは抜く。カホンが働きやすく、自主的に動きやすいのはそんな中福さんの人柄が大きく反映されてます。日々カホンで働いててよかったと思えます』 (営業リーダー)
『偉ぶらない・平等』 『どんなことでも真剣に考えてくれる優しい人』 『ヒゲがダンディー』 (営業メンバー)
『時代の先を見透し、切り拓いていく戦国武将のような人です。 突拍子もなくみえることにもちゃんと中福さんの理屈や論が通っていて反面実はいちばん、情にもろい人なんじゃないかなとも思います。カッコいいです。』 (営業メンバー)
『中福さんはとにかく切れ者で、ユーモアがあって、すごい方だなぁと感銘を受けるばかりです。漫画の主人公として中福さんを描いたら、完璧すぎて現実味がないと編集さんにボツにされてしまうかもしれません。』 (営業メンバー)
『誰よりも働き、誰よりも勉強し、かつ誰よりも仕事を楽しんでいる』 (運用チームリーダー)
『せっかち』 ※仕事ができる人はみんなせっかちです。というコメント付き (運用チームメンバー)
『常に全力疾走。年齢や地位、経歴関係なく、働いているみんなに活躍できるチャンスを与えてくれる。』 (運用チームメンバー)
『メリハリがとってもしっかりしている人です。締める時はヒットマンの様な鋭い眼光でビシッと!!ふざける時はとことんふざける愛されキャラです。』 (総務・管理部メンバー)
『自由な考え方・働き方を社員全員に与えてくれます。誰よりも仕事をしていて仕事が好きです。中福さんがいると空気がピリッと引き締まります。ユーモアがあり、実はとても人に熱い人です。』 (総務・管理部メンバー)
『まさにベンチャーの虎!何事にも全力投球でグイグイ引っ張って行ってくれる姿は、人を惹き寄せるとても魅力的な人間味を感じます。』 (制作チームメンバー)