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”メンバーも知らない” 『飲食店のオーナーだった僕が、代表、中福と出会い会社を設立するまで』

エンジニアとは無縁の飲食業界で独立を目指した20代

Cajonを設立、現在は自らがエンジニアとして業務に携わり、エンジニアチームの責任者をしています。会社をスタートするまでは、エンジニアとは全く無縁の飲食の世界に10年以上いました。

飲食の道に進んだのは、父親が洋食のコックをしていたのも影響していると思います。気づいたら漠然と『30歳くらいまでには飲食で自分の店を持ちたい』という夢を持っていました。 料理の中でも和食ができる人のステータスが高いという考えから(これも父親の影響だと思います)、20代で初めて働いたのは、大阪のふぐ割烹の店でした。※ちなみに僕の出身は東京ではなく大阪です。

ただ、その頃はバブル崩壊の時代。そんな時代に高級食材のふぐを食べに来る人なんていないですよ笑。修行するつもりで入ったはいいけど、お客さんは来ないしふぐは捌けないし、雑用ばかりしていました。 そんな状態だったので、1年経つか経たないかで『とにかくお客さんが来る店で勉強したい』と店を辞め、次に入ったのが大手居酒屋チェーン。それが22歳の頃でした。 誰もが知っている大手居酒屋だったので、働き先として求めていた”お客さんが来る店”で厨房の責任者として、忙しい毎日を送りました。

責任のある立場で充実もしていましたが、ある時『今のままじゃ独立できない』という思いに駆られました。 30代で自分の店を持ちたいという思いは変わっていなかったので、働きながら大阪で話題の店に足を運んだり、忙しくてお店まで行けない時は専門誌の記事を調べたり。みたいなことをずっとしていたんです。 そんな中で出会ったのが、それこそ当時大阪で話題になっていたベンチャーの飲食店でした。元暴走族の社長が、仲間と6人で立ち上げた、結構やんちゃな感じの飲食店です笑。 ただ、あの有名な『日経グランプリ』で優勝するような、大阪の誰もが知るような有名な店でした。

居酒屋で働きつつも、『独立するための勉強をしたい』『今のままではそれができない』という気持ちが次第に大きくなっていた僕は、24歳の頃にはその店への転職を決意。 27歳後半、店舗の東京進出が決まり、僕も立ち上げ部隊として上京することになりました。 新天地で、さらに新店舗の立ち上げに携われたことはとても大きかったです。 大阪時代も合わせると、その店には合計7年くらいいました。本当にたくさんの経験をさせてもらったと思っています。 僕が東京に来るきっかけにもなった訳ですから。

20代も後半にさしかかり、店を開業する目標である30歳が間近に迫ってきた頃、『何年も飲食業界で経験を積んできた、今の自分の位置を知りたい』と強く思うようになりました。自分の位置を知って、”今度こそ独立”と思ったんだと思います。

それならば、今いるところよりも上に行きたい。そうじゃないと勝負できない。と思い、イタリア人のシェフが経営する汐留のイタリアンの店に転職。 今考えると、英語なんか全く話せないのによくそんな店に入ったな…と思います笑。 客単2万円くらいする高級店で、良くも悪くも本物とはこういうものだ。ということを学びました。

その店での経験(ここまでやり切った感があったんでしょうね。)と、一冊の本 ”タリーズコーヒージャパン” の創業者である松田公太さんが書いた、『すべては一杯のコーヒーから』という本が、その後独立の一押しとなりました。 突然本の話になりましたが笑。その本がまた、創業者の松田さんが7,000〜8,000万もの借金をしてタリーズコーヒーをスタートさせた。というアグレッシブで、ものすごくテンションが上がるいい本なんですよ笑。 ふとしたきっかけでこの本に出会い、タイミングもあって”自分もここで勝負に出よう。”と、いよいよ独立を決めました。

代表中福との出逢い

念願の独立を果たしたのが30歳。東京の昭島にイタリアンカフェをオープンしました。 中福と出逢ったのは店をオープンしてから6年目、僕が36歳の時です。

中福は元リクルートの営業マンで、ホットペッパーの営業をしていました。僕の店もホットペッパーを使っていて、たまたま担当変更のタイミングでうちに来たのが中福でした。

正直前任の営業マンが微妙だったので笑、ちょいちょい店に顔を出しては話をしてくれる中福とはすぐに仲良く?なりました。 ただ、仕事の話をしていた記憶はあまりないです。笑 EvernoteとかMacの話とか、ビジネスの話をいつもしていました。

なので僕の中で中福は、”ホットペッパーの営業” ではなくて、”なんか分かんないけど月に1・2回店に来るおもしろい奴” でした。 10歳以上も歳が離れていますが、そこはあまり関係なくて、お互い好きな事を話していたし、お互いに馬が合ったんだと思います。

こんな感じで1年くらい付き合いが続いていたんですが、ある時から自然と、『何か一緒におもしろい事ができたらいい』という話をするようになりました。 この漠然としていた話が具体的になったのが、中福がリクルートを辞める数ヶ月前です。 実はその頃、僕も店をやり尽くした感でいました。店の売上は安定していたし、そこそこな繁盛店。 だけど、常に400メートルダッシュを続けているような感覚だったので、この先ずっと続けるのは自分が持たない。とも思っていました。僕が店をオープンした頃は何もない街だったのが、普通にやってるだけじゃダメになって来ていたし、何というかお役御免。というやつです。飲食ではない新しいことに挑戦したいと思っていました。

それに、中福のキャラですかね。なんかかけてみたいな。という思いにさせられたんです。

マンションの一室で、メンバー3人からのスタート

2011年7月28日、株式会社Cajonを設立。 麻布十番のシェアオフィスの一室を借りてのスタートでした。社員は代表の中福と僕、メンバー1人の合計3名です。

中福も僕も、デジタルの分野で何か新しい事ができないか。と事業を始めたんですが、スタートから何年間はまさに暗黒の時代で、記憶が曖昧です笑。

当時、Twitterが話題になり始めていた頃だったので、最初はただ単にTwitterのアカウントを作成し、投稿をしたりフォロワーを増やしたりといった運用代行をしていました。テレアポだけを外注し、2人で営業に行っていました。今いるメンバーに、僕が営業をしていたと言うと、かなり驚かれます笑。 とにかく仕事がなさすぎて毎日めちゃめちゃ早く帰宅する日が続いてました笑。本当に今思うと恐い… それでも今があるんだから、やっぱりなんかラッキーパンチを持ってますよあの人は(中福)。

会社が軌道にのるまでは、僕も中福も、どこかにいい仕事の話はないか?と必死でした。 自分たちで新しいサービスを考える事ももちろんしましたが、業者の交流会に参加して、バンバン名刺交換をしたり社外の人脈を広げました。 実際にそこで出会ったクライアントと組んで仕事をさせてもらったり、大きな仕事を紹介してもらったり。 そういったことを繰り返し、安定とまではいかないですが、何とか会社として成り立っていました。

ありがたいことに、自分たちと同じような、スタートしたばかりの会社のオーナーに出逢う機会などもあったので、お互い切磋琢磨しながらいろんなことに挑戦する。といういう経験もさせてもらいました。 当時のクライアントとは今でも一緒に仕事をさせてもらっています。

今では、会社事業の軸となるサービス『ITブートキャンプ』ができ、社員も20名近くになりました。 振り返るとゴールに向かって山を登ってきたというより、流れついた先で精一杯やってる。っていう感覚です。

これからのCajonについて

会社設立から今年で6年目に入りますが、会社として良くも悪くも変わっていない。僕は、更に会社が大きく成長することを考えると、変わっていないことに危機感を感じます。

今はどうしても、中福とか僕が『これをやる』と言った事に対してみんなが付いてくる。という事が多いです。 もちろんその方がスピードが速いし、方向転換も早かったりします。 でもそれだと、ある程度の所までは成長してもその先延びないと思うんですよ。

それに、結局クライアントが求めてるサービスのヒントって、現場に転がっていると思うんです。 現場でもらうクライアントの声の中に、必ずそれがある。 だから、現場で直接クライアントに接しているみんなから、どんどんアイディアが出てきてもいいはずなんです。 うちのメンバーって、面倒くさい奴がいないから笑。みんな『やります!』って言っちゃうから。 もっと、『こんな事を試したい』『これを売りたい』みたいな自分勝手な奴が出てきてもいいし出てこないといけないと思ってます。

人に言われて売ってくるのと、自分から言い出したものに対する熱量は全く違うもので、生まれる責任も違う。その責任をメンバーにも持たせていかないと会社はこれ以上強くならないと思うからです。

今の状態から次のステージに行くために、まだまだやることはたくさんあります。

求めるエンジニア

僕が今年、エンジニアを採用する上で決めている条件が3つあります。

1、いい奴であること 営業でもなんでも、結局『こいついい奴そう』って思えるかどうかって大事だと思います。 エンジニアの勉強会とかでもいるんですよねー。技術はあるけどそれを人前でひけらかしちゃう奴とか笑。かっこ悪いし、いい奴ではないよなーって思います笑。 だからとにかく、『いい奴そう』って思える人。

2、コミュニケーション能力があること 特にうちみたいな小規模の会社だと、周りと調和できるかどうかっていう部分はすごく大事だと思ってます。 うちのエンジニアの場合はクライアントとのやり取りも発生するし、営業メンバーと仕事を進めることもあります。 そういう意味でもコミュニケーション能力は必須です。

3、自分より技術がある奴 中途採用の場合はやはりここは重要視したいです。 一から全て丁寧に教えるんじゃなくて、即戦力になってくれるような人を希望します。

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