こちらのストーリーは、代表 伊藤のnote『伊藤かるろす@BEYOND CAFE』を転載したものです。
「働くを通じて人生を豊かにする若者が一人でも増えれば」という思いでBeyond Cafeというキャリア教育に関するコミュニティスペースを運営しています。
ビジネスモデルの一部として弊社は人材紹介事業を展開しており、今後拡大を図るにおいて、絶対にここだけは忘れたくないし、大事にしていきたいという思いも込めて今回の文章に至りました。
人材業界の諸先輩方からもしかしたら反感をいただくかもしれませんが、拙い文章にお付き合いくださいませ。
この春人材業界に入社する学生へ
人材業界を志す学生はBeyond Cafeにもたくさんお越しいただきます。
- 人の可能性を広げたい
- 人生の転機、きっかけに介在したい
- 人、組織の問題を解決したい
などなど多くの方々は自身の原体験からこのような思いを抱き、人材業界を志すケースが多いと思います。
私自身もそのような原体験からこのビジネスを行なっているので本当に応援したいし、その思いを社会に還元してほしいと強く強く思っています。
しかしそのような思いを持っていた多くの学生がぶち当たる壁が、「浪漫」と「そろばん」問題です。
学生と社会人の違いとして
学生はお金を払って大学に行き学びを得ていますが、
社会人は会社から給料を得て仕事を行います。
ビジネスは基本等価交換なので
あなたが会社から給料を得ている分、会社に還元しなければなりません。
そのため、求職者の未来をよりよくしたいという思い(浪漫)と、同時並行で、会社に売り上げという形で還元しなければいけません。(そろばん)
あるあるですが、新人の頃は結果を出すために、とにかく数打ちゃ当たるみたいな感じで求職者に対して大量の求人を紹介し、そこで決定すれば自身の成果につながるのでOKみたいな。
そこであれ?俺のやりたいことってこうだっけ?と
「浪漫」と「そろばん」のバランスを取れずに、
あぁ自分はやっぱり向いていないんだなぁと辞めてしまう方や、
途中で人材業界を志すことをやめてしまう方々も多いんじゃないかなと思います。
また、あいつらは俺らを金にしているから〜みたいなNot人材紹介みたいな方々もいるのではないかと思います。
ここで僕は声を大にしていたい。
本当にそうなの?やりきった?って。
加工がなければ介在価値って・・・?
仕入れ→加工→販売
ほとんどのビジネスはこの原理に則っていると思うのですが、
多くの人材紹介の場合、
仕入れ→販売
と加工がなされていない点が問題だと思うのです。
人材業界は基本求職者が入社した際に発生する手数料でビジネスが成り立っています。
つまり、求職者がクライアントに決定しないとお金は発生しません。
大量の求職者を仕入れ、多くの企業に紹介して販売。
紹介しないとそもそもお金が発生しないので、CAが大量の求人を紹介することは合理的です。
でもこの間にある加工がなければ、単なる人身売買だし、AIやビッグデータから企業と求職者を自動マッチングする仕組みに勝てないと思います。
Googleさんが求人事業に参入してくることも話題になりましたよね。
加工とは何か?
では人材紹介でいう加工とは何なのでしょうか?
スキルとスタンスという2つに分けて説明します。
<スキル>
求職者の過去や将来から、その人の価値観や強み、経験/体験、将来のビジョンを洗い出し、今後の社会の動向や、業界職種全てを鑑みた上で、その人の今後の人生ストーリーを共に導き出すこと
<スタンス>
目の前の求職者の人生を本気で考え、愛を持って接すること
スタンスに関しては多くの方々が持ち合わせているとは思うのですが、
前者のスキルを習得することが非常に困難なのですね。
コーチングで相手の課題や強みを引き出すことも求められるし、
様々な価値観や経験を体系化して、潜在的な課題を「〜なのかな?」とまとめることも求められるし、
その解決策として、政治/経済/歴史など社会の動向を勉強し、
様々な業界のビジネスモデルと、その業界の職種に求められる才能を理解しなければいけないし、
全クライアントのカルチャーも理解していなければマッチングは成立しないし、
ベストなクライアントが見つかったとしても、職務経歴書や面接でその人の良さが発揮されないと内定は出ないし、、、
とにかく、やることがいっぱいなんです。
上記を見てお分かりだと思いますが、本気で「加工」を行おうとすればそれ相応の努力を必要とする仕事なのです。
そりゃそうだよね。
人の人生に関わる仕事なんだもの。
私はこの仕事を誇りに思っています。
これまでにBeyond Cafeを通じて多くの方々のキャリアに関与してきました。本当にこれで良かったんだろうかと悩むことなんて星の数ほどありますし、自分の実力不足で求職者を幸せにできなかったと絶望したこともあります。
その度にどうしたら良かったんだろうかと思考し、改善を重ね、様々な本を読んだり、諸先輩方からご教示いただき今の自分があると思っています。
もちろん!
まだまだではありますが。
幸いなことに多くの方が就活が終わった後にわざわざ足を運んでくれたり、社会人になっても連絡をくれたり、本気で「加工」に力を入れて努力したからこそ、ビジネス上の付き合いだけで終わらない、人生の豊かさをこの仕事を通じて得られることができているなと実感しています。
(就活が終わった後に遊びに来てくれる求職者さんたち)
- 人の可能性を広げたい
- 人生の転機、きっかけに介在したい
- 人、組織の問題を解決したい
様々な想いをもってこの人材業界を志したのであれば、
是非「加工」にこだわって仕事をしてください。
経験豊富なおじさま方とは違った我々が、人の人生に本気で向き合うのであれば、それ相応の覚悟と努力は必要です。
是非仕事で辛くなった時、
違和感を覚えた時、
環境があーだこーだ言う前に、
当初の想いをを強くもって、
私は本当に「加工」ができているのか、
そのために時間を使えているのか、
まず自分自身に向き合っていただければなぁと思います。
そうすれば量で勝負しかできなかったCAから、質で勝負できるCAに転化しますから。
結果もさながら求職者と人生の深い付き合いができるCAに転化しますから。
これから入社する皆様が上記のような想いを持って仕事に取り組めれば、マーケット全体が愛で溢れ、AIやロボットに代替されない、人間にしかできない素敵な仕事になると思います。
そして人材エージェントを利用する皆様には
是非愛をもった「加工」に力を入れているエージェントを見極めて利用してくださいね。
特に働いたことがない就活生は分からないことが多いからこそ、それを逆手にとってとにかく量を紹介する人材会社が多いのでご用心。
ちゃんと自分の人生に向き合ってアドバイスをくれる人を頼りにしましょうね。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
今回はCD(キャリアデザイナー)の視点からこの記事を書きましたが、RD(リクルーティングデザイナー/法人営業)に関しても同じことが言えると思います。(※)
クライアントの皆様にも本当に可愛がっていただき、おかげさまでプライベートも充実させていただいております。本当にありがとうございます。
(※)弊社Beyond Cafeでは、全ての職種を『アドバイザー』ではなく『デザイナー』と呼んでおります。
(仕事でもプライベートでもお世話になっているクライアント様)
そのため配属がRDになった学生も同様に「加工」を忘れないように!
人材業界で働く人も、それを利用する人も、
みんなで働くを通じて人生を豊かにしていきましょう!
それでは!