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価値観を変えれるようなデザインを

バルニバービで働くメンバーを紹介します!
今回は、2013年に入社し大阪本部の企画部でグラフィックデザインのチームを率いるデザイナー、米澤 友宏さん(以下、米澤)を紹介します。とってもお酒が大好きでデザインの話をしたら止まりませんよ〜。

デザインは面白い

「美術と音楽しか興味がなかった」
ご家族の影響もあり幼少期から芸術に触れてきた。そんな彼が芸術大学に進み専攻したのは「版画」だったという。けれども実際、版画も油絵などと同様にほんの一握りがお金を生み出せる世界。
そんな時、1冊の雑誌に出会う。当時GUCCIのクリエイティブディレクターであったトム・フォードの特集だった。

米澤:「トム・フォードはそれまでのクラシカルなデザインを刷新し斬新で新しい世界観を生み出していました。その特集を見て、デザインっていいな、面白そうだなと思ったんです。その雑誌に出会ったのが大学2年生の頃。グラフィックデザインをやりたいなという思いも募っていきました。」

大学を卒業後、お父様の会社で舞台美術の仕事をしていたいう。しかしグラフィックデザインをやりたいという気持ちがあり、半年間グラフィックデザインの専門学校に通うことに。

米澤:「そこでMacやIllustrator、Photoshopなどのソフトの使い方を勉強しました。それまでも遊び程度には使っていたんですけど、未経験で就活しても受からなかった。通いながら作品を作り倒しました(笑) ポートフォリオを送った1社目で受かって、1年半ほどアシスタントとしてデザイン会社に入社しました。最初に新聞の一面の広告を作ったんです。新聞を広げて自分のデザインを見たときに本当に涙しました。すごく感動した覚えがあります。」

言葉で説明できるデザインを

アシスタントをした会社を退社後、不動産の広告を主に手がける会社でデザイナーとして勤務し始め、自分が今やっている考えやデザインに対する取り組み方など、その会社の社長に影響された部分が大きいと話す。

米澤:「広告っていうものは絶対的にストーリーが必要だ。と最初教えられました。単純に自分が思っているかっこいいではなく、相手にどう捉えられるのか、どういう風に見て欲しいのか、これは本当にすんなり情報が入ってくるのか、とか。相手が何を伝えたくて、それを自身がどのようにデザインしたのかっていうのを全部言葉で説明できるようにしておきなさいというのが社長の考えでした。かっこいいや可愛いというのは主観的な部分が大きい。主観に左右される案を作ったとしてもクライアントは迷ってしまい、付け加えたり、混ぜちゃったりしたくなってしまうものだと教えられました。」

意味のないデザインはない。
なぜそうデザインしたのかを誰にでも説明できるように準備すること。
そう教えられた。

米澤:「書体ひとつにしても、なぜこの書体を選んだのかっていうその書体の意味はちゃんと考えています。単純な例ですが、これは話言葉なのでどちらかというと華奢な明朝系で語るようにつくりました。これはインパクトが出るようにゴシック体を選びました。とか意味を必ず説明できるようにしています。」

今なお米澤の核となるデザインへの考え方を培った会社。人にも恵まれ、様々な経験を積むことができたという。そんな会社からバルニバービへと転職したきっかけとは?

米澤:「広告の世界だとクライアントと制作会社の間にどうしても代理店が挟まってしまうんですね。もっと寄り添って色々な提案をしたいと思っても限界を感じてしまっていました。今思えば自分の実力不足だったこともあるのですが(苦笑)インハウスであれば、もう少し現場に近い形で仕事ができるんじゃないだろうか。もっと違う提案の仕方を自分は学べるんじゃないか。そう思ってバルニバービに入りました。」

バルニバービとデザイナー



米澤:「入社してすぐぐらいに京都のIN THE GREENのロゴコンペがありました。これは絶対とったるって思ってつくったんですけど、まぁ大変でした(笑)でも、コンペで決まって店舗の担当になって、初めて店舗を見たとき、すごく驚いてすごく嬉しかった記憶があります。ロゴがインテリアとかいろんなところに使われていた。新聞に載った時の気持ちを思い出しました。本当に、見せびらかしたい気持ちでいっぱいになった。店舗のブランディングの要素のひとつとして関われたことが嬉しかったんです。こういうことがしたかったっていう思いが爆発した瞬間でした。」

ロゴデザインというのは彼が考えるデザインの中でも特に大事なデザインだという。

米澤:「何年経ってもくたびれないデザインなのか、例えば使われる場所が変わったら違う印象を与えてしまわないか。シンプルにデザインしようと心がけていますが、その中でも意味性であったりストーリーっていうのを必ず持たせられるようにと考えています。気合い入れてます。」

お店の顔とも言えるロゴデザイン。
バルニバービでは新店ができる際にグラフィックデザイナー全員でコンペを行います。彼のように入社してすぐでもコンペで選ばれれば新店のロゴを担当することもあります。

米澤:「デザイナーひとりひとりに個性があると思います。私は人の気持ちを動かすデザインができたらいいなと思っています。」

より現場の近くにいたいと考えてインハウスを選び、実際に働いてみて感じたインハウスの難しさとは?

米澤:「まず、ダイレクトに自分がつくったものを店舗のスタッフが喜んでくれたり、効果を感じられるっていうのはインハウスの楽しい部分です。しっかりと話し合うことができる。でも、社内にいると依頼しやすいというのはいい面もあると思うんですが、自分が独善的になってしまったり、お互いが金銭関係にないので、やり取りでの意志の共有が課題かなと思います。」

また、店舗スタッフ側からしても不満がでることはあるのではと考える。

米澤:「店舗スタッフがデザイナーを選べない。本当はデザインってこの人のデザインがいいからって選んだりとかして発注依頼かけますよね。私のデザインがしっくりこなくても私に依頼しなきゃいけないっていう状況はあります。だからこそ、本当に店舗が考えていること、やりたいことができているかどうかを感じとることが大事だなって考えています。ときには対等に言い合ったりしながらも、そういったことを直に聞けることがインハウスではありがたいことだなと思います。」

近ければ近いほどよりしっかりと何でも言い合える関係を築くことの大切さを感じているという。
そんな米澤がなりたい自分とは?

米澤:「トム・フォードのように自分自身が影響を与えられるような、価値観を変えられるようなデザイナーになりたいです。それをずっと目指してる。
あと梅原真さんっていう大好きなデザイナーさんがいるんですが、彼が「自分は日本の風景を守るんだ」って言ったんですね。そんな梅原さんは例えばカツオの一本釣りの広告デザインをしたりするんです。梅原さんの広告がでるまではその会社は瀕死の状態で業績も落ちていた。
でも広告を出した後、業績がV字回復したんです。会社が続けられるということは「カツオの一本釣り」という日本の風景を守ったことになる。私も日本の風景を残せるデザイナーになれたらいいなって思います。地域の食材を使う店舗が増えていく中で積極的に私も関わっていきたい。
こだわり抜いてデザインしていきたいです。
これでいいやって妥協しちゃったら私じゃないなって思います。」

企画本部 関西グラフィックデザイン課 チーフデザイナー 米沢 友宏
2013年バルニバービ入社

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