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Supershipエンジニアの小野寺です。
Supershipに入社したのが1年と数ヶ月前で、入社してからはアドテクノロジーセンターという広告プロダクト開発の部署でScaleOut DSPという広告配信プラットフォームの開発に携わっております。
Supershipに入社する前は、受託の開発会社やフリーランスでWebサイト・ゲームなどの開発などをしていました。
いわゆるネット広告だったり、アドテクとよばれる業界にはほとんど直接的には関わったことがなく、正直なところ「何をやっているのかよくわからないけど、儲かってそう」くらいの漠然としたイメージしかありませんでした。
そんなよくわからないアドテク業界に飛び込んでみて、実際思っていたのと違った、とか意外と良かったなーと思うことがいくつかあったので
まとめてみました。
アドテク業界未経験の人の参考になればと思います。
業界内での横のつながりが多い
まず驚いたのは、同業他社とのつながりが意外とあるということです。
例えばいろんな業種で競合他社と呼ばれるような会社の人とちょくちょく会って話すということってありますでしょうか?
自分が経験してきた業界だとまずなくて、むしろイベントとかで顔を合わせてもなかなか直接喋ることはないですよね。(エンジニア同士だとあるかもですが、営業もとかだとどうなんでしょうね?)
アドテク業界だと、頻繁にミートアップやカンファレンスなどで結構同業者と会って話す機会が頻繁にある気がします。
理由は大きく2つあるかなと思っているのですが、まず、1つは広告配信は、DSP,SSP,DMPなどといったいくつものサービスを利用して配信することが近年は大変増えてきていて、それぞれ別の会社同士で協力しないと、そもそもお客様の要望を満たす配信ができないということ。
もう1つは、業界全体でよくしていこうという意識があると思います。
例えば、広告は一般ユーザーからすると、結構ウェブページを見ている上で邪魔な存在だったりすると思います。
こういうのって1つの会社が利益を優先してたくさんのタグを配信したり、ユーザーにとってよくない広告を配信し続けることは短期的には利益につながっても広告業界にとってはマイナスだったりするので会社同士で協力していかなければならないというのもあると思います。
アドブロックアプリのような、ユーザー目線だけのソリューションではなく、ちゃんと全員がプラスになるような方向性について考えていくのは重要だと思います。
エンジニアリングをつきつめていくと会社的に利益があがる、エコシステムがある
広告配信は、あるユーザーがページを表示する度に発生するもので、これはとても膨大な量のトラフィックになります。
だいたい1秒間に数万回リクエストがきます。弊社にはだいたい常時、こういう広告を出したいという広告主さんからの要望であるキャンペーンと呼ばれるものがだいたい数万件あります。
RTBとよばれる広告配信では1秒間に数万回、数万件の中から最適とおもわれる広告を最適な値段で入札する処理を行っています。しかもそれぞれ100ms以内に応答しないと失格なのです。
(RTBについてわからないかたはこちらをご覧ください)
いかに効率良く少ないリソースで、たくさんのオークションに参加し最適な配信ができるか?(しかもオークションなのでお得に買わないといけないなど、ほかにも考えることが色々あります...)
エンジニアとしてはとても燃えるトピックですよね。と、同時にそれを追求することでビジネス的にもプラスになる。
エンジニアリングの追求が会社の利益になるというすばらしいエコシステムになっているのではないかと思います。
受託の時は、開発するシステムのパフォーマンスを細かくチューニングするというよりも、問題が起こらない程度に仕様書通りに動くシステムをなるべく短い期間で納品するかが重視されていました。
そういう意味では、開発に取り組む姿勢は大きく変わりました。
技術の範囲が広いので飽きない
先ほどいったような配信処理効率もふまえ、とてもたくさんの軸で技術が関わっています。
()内はScaleOutでの技術スタックなど。
- いかに少ないリソースで配信処理が行えるか (c++, Scala)
- 大量のログデータをいかに高速に集計できるか (hadoop, kafka)
- 大量のログデータの中から価値ある情報を導き出して、次の配信に役立てるか (datamining)
- 配信を行うたくさんのサーバをいかに安定的に日々稼働させられるか (オンプレ, cloud)
- 管理画面で広告配信設定や、レポートをいかに使いやすくするか (rails, reactjs)
- 新しい広告フォーマットへいち早く対応できるか
- 新しい広告配信手法にいち早く対応できるか
- アドフラウドなどの不正に対する対応をどれだけ行えるか
挙げたのは主にDSPにかかわる範囲ですが、弊社はほかにもSSP、DMPなどのプロダクトもあるので、全体を通すとまたさらに範囲が広がります。
正直に言うと、自分はいわゆる飽きが早い人間ですが、アドテクに関しては、本当に範囲が広く1年やってもまだ知らないことがたくさんと言う感じです。かつ、日々新しい技術も生まれてきてキャッチアップが大変です。
それだけ注目が集まっていて、かつ盛り上がっている業界でもあるのかなと日々感じます。実は飽きが早い方におすすめです。
まとめ
いかがだったでしょうか?アドテク業界は他にはない特殊な部分だったりが結構多いですが、それゆえにそれが面白いと思えれば、きっと長いこと興味を持って取り組めると思います。