【代表インタビュー】「AIに仕事を奪われる側か、奪う側か」── 東大発AIエージェント開発OptiMaxがAIエージェントに全張りする理由
創業のきっかけ|「人がやらなくていい仕事が、世の中に多すぎる」
Q1. OptiMaxを創業したきっかけ・原体験は何ですか?
シンプルに「人がやらなくていい仕事が、世の中に多すぎる」と思ったのが原体験ですかね。
東大時代、人工衛星のデータをAIで解析する研究をやっていたんですが、研究室の周りでは「AIで何を解くか」が議論の中心だった。
一方で社会に出ると、ホワイトカラーの仕事の半分は「メールを書く」「資料を作る」「数字を転記する」みたいな、AIで代替できることに人間の時間が溶けている。このギャップが気持ち悪くて仕方なかった。
前職のOwned(株)で経営幹部をやっていた時、自分自身もオンライン診療サービスをLINE公式20万人までグロースさせる過程で、定型業務に時間を取られて本質的な意思決定に時間を使えていない瞬間が何度もあった。「これ、自分で経験している課題を解く会社を作るのが一番早い」と思って、創業しました。
要するに、自分が一番ほしいプロダクトを自分で作っている、というのが本音です。
社会課題|「人を増やす」では構造的に解けない
Q2. 「2040年に1,100万人の労働力不足」という課題に、なぜAIエージェントで挑もうと思ったのですか?
ファクトから逆算した結論です。人口統計の動態だけは未来予測がずれません。
国立社会保障・人口問題研究所のデータで、2040年に1,100万人分の労働力が不足する。これを移民・出生率改善・定年延長で埋めるシナリオを全部足し算しても、ぜんぜん足りない。「人を増やす」では構造的に解けない問題なんです。
だとすると、選択肢は1つしかなくて、「1人あたりの生産性を爆上げする」しかない。そのレバーが現時点で唯一見えているのがAIエージェント、というだけの話です。
ChatGPTみたいに「人間が質問してAIが答える」フェーズはすでに終わりかけていて、次は「AIが自律的にタスクを計画・実行する」フェーズに入る。OptiMaxはここに全張りしています。AGIが来る前提で、来た瞬間にスケールできる組織と技術資産を今のうちに積み上げておく、という戦略ですね。
「なぜ今か」と言われたら、5年後にやっても遅いから、です。
バックグラウンド|研究レベルの最新技術を、ビジネス速度で
Q3. 東大での研究や経験が、今の事業にどうつながっていますか?
直接的にはあまりつながってないです(笑)。衛星データ解析と業務AIエージェントは技術的には別物なので。
ただ、「研究レベルの最新技術を、ビジネスに落とす速度」という点では、東大の経験は完全に効いています。論文を読んで、再現実装して、自分の仮説で改造する、というサイクルを学生時代に大量に回した。これって今やってる「最新LLMが出た翌週には実案件で検証する」というOptiMaxの動き方そのものなんですよね。
あともう1つ、共同創業者の浦田(灘→東大鳥海研、LLMエージェント研究)、高田(東大関本研、3D都市モデルAI)、開発PMの高橋(都立大・RAG研究)と、研究バックグラウンドで言語が通じるメンバーで経営できているのは、東大コミュニティの恩恵が大きい。
「研究は分かるけど社会実装は分からない大手SIer」と「社会実装は分かるけど研究は追えないコンサル」の間に、両方やれる会社が圧倒的に少ない。そこにポジションを取れているのは東大ネットワークのおかげです。
創業期の壁|3ヶ月で前提が変わる世界
Q4. 創業期に一番苦労したことは何ですか?
「AIエージェントって何ですか?」と毎回説明するところからスタートだったことですかね。
2023〜2024年初頭は、ChatGPTは知ってるけど、エージェント(=AIが自律的にツールを使ってタスクを完遂する仕組み)の概念がクライアントに浸透していなかった。「で、それで何ができるんですか?」という質問に、毎回ホワイトボードで概念図から書いて説明する、みたいな日々でした。
ただ、苦労よりも「仮説検証サイクルの速さ」を担保するのが大変だった。AIの世界は3ヶ月で前提が変わる。先月ベストだったアーキテクチャが今月は陳腐化する。これを「最新技術への投資」と「クライアントへの納品品質」で両立させるのが、今でも一番難しい経営課題です。
採用も最初はキツかった。「AIエージェント」という言葉に反応する優秀層がそもそも少なかった。今は逆に、AIの最前線をやりたい人が集まってくる流れに変わってきています。
5年後のビジョン|「日本企業のAI変革といえばOptiMax」
Q5. OptiMaxを5年後、どんな会社にしたいですか?
「日本企業のAI変革といえばOptiMax」というポジションを取りたい。これに尽きます。
具体的に言うと、3つあります。
1. AIエージェント開発で1兆円規模の市場を取る 今は受託開発のフェーズですが、ナレッジが溜まればプロダクト化できる業務領域が必ず出てくる。営業AI、経理AI、法務AI、いずれも垂直特化でSaaS化していく。
2. 「AI実装力 × 組織変革力」の両輪を持つ唯一無二の会社にする 技術だけ強い会社、コンサルだけ強い会社はあるけど、現場に定着させて成果を出すまでやり切れる会社がほぼない。ここを取り切る。
3. 100人規模で全員がAIエージェントの開発者・運用者である組織 今20人ですが、人を増やすというより「1人あたりの生産性を10倍にする組織」を作りたい。社内が一番のAIショーケースになっている状態が理想です。
5年後、AGIが社会実装される瞬間に「OptiMaxに頼めば大丈夫」と言われる会社にします。
経営の判断軸|ファクトベース・未来逆算・スケール
Q6. 経営者として大事にしている判断基準はありますか?
3つあります。
1. ファクトベースで決める 「なんとなく」「直感的に」は使わない。データと根拠を必ず添える。逆に、ファクトがあれば判断は速い。迷う時間がもったいない。
2. 未来から逆算する AGIが来た時に正解になる選択を、今しておく。短期の最適解より、5年後の最適解を取る。AIエージェント領域に全張りしているのもこの基準です。
3. スケールするか?を毎回問う 1回しか効かない施策はやらない。自動化・仕組み化できないものは原則やらない。「手作業1回→仕組み化→大規模運用」という型を全業務に適用しています。
あと、判断する時は必ず反論を自分で出すようにしています。「これでいいですかね?」「批判的に考えると?」を毎回挟む。賛成意見だけで進めると必ず事故るので。
「忖度」と「曖昧さ」は組織の癌です。これは絶対に許容しない。
チームの強み|全員、自分の頭で考えて動く
Q7. 今のチームの「ここが好き」というポイントは?
全員、自分の頭で考えて動くところですかね。
20人いて、誰一人として「指示待ち」がいない。AIの世界は前提が3ヶ月で変わるので、マニュアル化したものが翌月使えなくなる。だから「自分で仮説を立てて、検証して、判断する」ができる人しかいないと回らない。今のメンバーはそれが全員できる。
あと、ナレッジを共有する文化が強い。誰かが新しいAIツールを試したら即Slackで共有、誰かが失敗したら原因と対策を全社にシェア。情報を抱え込む人がいない。これは意図的に作った文化ですが、メンバーが自然にやってくれているのが嬉しいです。
経営陣4人が研究バックグラウンド出身で、議論が抽象論で終わらず必ず実装に落ちるのも気に入っています。「で、どう作るの?」が必ず議論の最後に来る。
正直に言うと、自分より優秀なメンバーが何人もいる。これが一番の強みです。
求める人物像|「変化を楽しめるか」だけが採用基準
Q8. どんな人と一緒に働きたいですか?逆に合わない人は?
一緒に働きたい人は3タイプ。
- 「なぜ」を3回聞ける人 ── 表面の事象で止まらず、構造まで掘れる人
- 手を動かすのが速い人 ── 議論より、まず作って試す。失敗してから直す方が早いと知っている人
- AIに置き換えられる仕事を、自分から手放せる人 ── 自分の業務を自動化することに抵抗がない人。むしろ楽しめる人
逆に合わないのは、
- 指示を待つ人 ── OptiMaxにマニュアルはほぼないです。自分でルールを作る側に回れない人はキツい
- 忖度する人 ── 「社長が言ってるから」で動く人は要らない。反論してくれる人がほしい
- AIに警戒している人 ── AIに仕事を奪われる側ではなく、AIを使う側に立ちたい人と組みたい
学歴・経歴はどうでもいいです。「変化を楽しめるか」だけが採用基準です。
候補者へ|AGI時代の最前線に、当事者として立てる
Q9. 候補者に「うちに来る理由」を一つ挙げるなら?
「AGI時代の最前線に、当事者として立てる」、これに尽きます。
5年後、10年後の社会を振り返った時に、「あの時、AIエージェントがビジネスに実装されていく瞬間に立ち会った」と言える人と、「ニュースで見ていた」人に分かれます。OptiMaxは前者になれる場所です。
具体的には、
- 大企業(プライム上場企業など)のAI戦略の中枢に、若手のうちから入れる
- 最新LLMが出た翌週に実案件で検証できる環境がある
- 経営陣が研究バックグラウンドなので、技術的に妥協した提案は通らない=本物のAI実装を学べる
- 自分の業務をAI化することが評価される(=自分の仕事をAIに奪わせる側に回れる)
「AIで稼げる人材」になりたいなら、ここより速い場所はないと思います。
給料だけ上げたい人にはおすすめしません。市場価値を上げたい人には全力でおすすめします。
最後に|読んでる側か、作る側か
Q10. この記事を読んでいる人にメッセージをお願いします
長くなったので最後は短くします。
AIで世界が変わる、という話はもう聞き飽きていると思います。でも実際に「変える側」に回っている人はまだ少ない。読んでる側か、作る側か。それだけの違いです。
OptiMaxは作る側に張っています。同じ景色を見たい人、お待ちしています。
株式会社OptiMax
- 代表取締役CEO 大須賀彰太
- 所在地 〒113-0033 東京都文京区本郷4丁目2−4 本郷Aビル3F
- URL https://www.optimax.co.jp
- 事業 AIエージェント開発/AI-SaaS開発/AIエージェント研修