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スタンドプレーから生じるチームワーク KAI-YOU CEOセルフインタビュー

──本日は株式会社カイユウ(KAI-YOU)代表の米村智水さんにお越しいただきました〜。

米村智水(以下、米村) こんにちは! よろしくお願いします。Wantedlyみたいな高尚な媒体に載るインタビューははじめてなので、とても緊張します……。


(KAI-YOU代取締役社長 米村さん)


──KAI-YOUでは、同名のWebメディア・KAI-YOU.netの運営を事業の軸にされているそうですが、そもそもどういった経緯から創業され、サービスローンチにこぎつけたのでしょうか?

米村 会社にした理由は──学生時代までさかのぼるのですが、そのころ『界遊』という文芸誌みたいなカルチャー誌みたいなのをつくっていたのがはじまりなんです。

文学部の仲の良い人たち、いまの副社長をしている新見とか、もう辞めちゃったけど前に代表をやってた武田とかもそこからの付き合いで。他にもたくさんいましたけど、だいたい何の後ろ盾もない創業期のベンチャーなんてつらいだけなんで、みんなさくさく辞めてきましたね。あはは。

ちょうど『界遊』をはじめたのはみんな就職活動をはじめようかな? みたいな時期でして。正直僕は就職とかまったくしたくなかったし、できる気がしなかったので、この『界遊』を成功させて食ってけるようにしようと思ったのが創業の最も大きな理由です。


(界遊004)


──『界遊』は文学フリマという即売会や、批評シーンではそこそこ名前が売れていたそうですね。

米村 めちゃくちゃ狭いコミュニティですけど……当時、いわゆる『新潮』や『すばる』といった五大文芸誌といわれるものの販売部数が2000部って言われてたんです。『界遊』も2000部刷って2000部売れるくらいには売れていて。だから既存の文脈や制度に介入するんじゃなくて、在野で自分たちの力でがんばるだけでも、商業的にイケると勘違いしちゃったんですよね。

──まあふつうに考えたら1000円のものが2000部売れても食えないですよね。制作費もかかりますし。

米村 そうですね。しかも年に2回の刊行とかだったんで、ふつうに考えればわかるんですけど、小学4年生くらいから算数が苦手なのでぜんぜん理解していませんでした。

──でも続けたと。

米村 そうですね、他にやりたいことが見つからなかったのと、もう一つ理由があって。KAI-YOUという組織に注力しはじめるのが2008年や2009年くらいのできごとだったんですが、当時はpixivやニコニコ動画、そしてTwitterなんかが流行りはじめたことによって、コンテンツの需要の仕方や面白さがそれまでから一変していたんです。これまでになく面白いアーティストや作品が生まれはじめた。

その波に乗るには古い会社じゃなくて、若い自分たちみたいな人をたくさん集めて新しいメディアなりコンテンツなりをつくっていくべきだと漠然と思っていました。いまはスマートフォンの普及によって、さらに状況は変わっていますが。

──よくわかんないですが、つまり勢いで創業したということですかね。

米村 いや、そうではないですけど。

──でもいま雑誌の『界遊』じゃなくて「KAI-YOU.net」というWebメディアになっているのはどうしてですか?

米村 自分たちのやりたいこと、つまり会社の理念に「ポップ」という言葉を掲げているのですが、それを実現するには、雑誌という在庫の縛りのあるものよりも、Webのほうが理に適っていると思ったからです。

僕らは「メディア」であれば、Webだとか雑誌だとかにこだわってないから、そこはスムーズに移行できました。Webに移行しても、当初のコンセプトからはぶらさずにやっています。


(ポップポータルメディア「KAI-YOU.net」)

──なんかよくKAI-YOUの人たちって「ポップ…ポップ……」って念仏を唱えるが如くボソボソ言ってますけど、どういう意味で「ポップ」って言ってるんですか?

米村 「わかる人にだけわかればいい」という態度とは真逆の発想でつくられるものや人や文化をそう名付けています。閉塞的なコミュニティでガラパゴス的でウロボロス的な消費を繰り返し続けるサブカル的な発想ではなく、遍く者に届きうる、あらゆるジャンルやカテゴライズを越境しようという意思やそれを目指す営為自体を指すこともあります。

──……? なんか難しそうなのであんまり追求はしません。もう少しわかりやすい言葉で言わないとポップじゃない気がするのですが。

米村 すみません、はい。言い換えると、なんか女とか男とかギャルとかオタクとかインテリとかヤンキーとか小学生とかお婆ちゃんとかトランプとかヒラリーとか犬とか猫でも関係なく誰でも楽しめるようなものっていう意味です、はい。

──ところでこれ、人材採用のための会社広報的なインタビューなんですが、KAI-YOUではどんな人を求めてるんですか? っていうか創業から5年経ったとはいえ、まだまだ零細企業なKAI-YOUに人を雇う余裕とかあるんですか? すでに社員も15名を超えてるみたいですけど。

米村 一番大事にしているのはバイブスです。あとふつうにめちゃくちゃな奴とか昔はよく入ってたんですけど、いまは素直で明るくて健全で、事務作業とかもちゃんとできて遅刻とかしない敬語ができる人に入ってもらいたいです。経営の心配をされていますが、論理的に考えて、人を雇えば売り上げもあがるので大丈夫なはずです。

──算数はできないけど論理を語ると。

米村 すみません、はい。


(KAI-YOU スタッフ)


──いまってどんな人が働いているんですか? 偏見ですけど、女の子が職場にいなさそうですね。

米村 ちゃんといますし、むしろ女子がめっちゃ活躍していますよ。草食系男子が多いので生態系的に女子が強くなってきてます。今回のインタビューを仕込んでくれたコーポレート部の部長は女の子です。バイブスで採用しました。

──ふーん……。でも、たしかにバイブスは大事ですよね。少なくともバイブスっていう単語の意味が分からない人ではKAI-YOUは難しそうな雰囲気があります。米村さんから見て「カイユウに合いそうな人」とか「カイユウっぽい人」ってどんな特徴ありますか?

米村 主体的な人が多いと思います。仕事が好きな人は多いかもしれないですね。反面、人の命令とかあんまり聞きたくなさそうな……。自分で考えるのって大事かなって。でもみんな同じ目標は共通できているし、チームワークはありますよ。『攻殻機動隊 S.A.C.』の荒巻のセリフ知ってますか?

──『攻殻機動隊 S.A.C.』?

米村 知らないんですか、勉強してください。「我々の間には、チームプレーなどという都合のよい言い訳は存在せん。あるとすれば、スタンドプレーから生じるチームワークだけだ。」という、『攻殻機動隊 S.A.C.』のテーマともいえるチーム論のことですよ。


(音楽イベント『GRATEFUL POP』、2017年3月17日(金)渋谷WWW Xにて開催予定)


──そんなことより、メイン事業の「KAI-YOU.net」はうまくいってるんですかね?

米村 おかげさまで、2013年3月のローンチ以降、日々試行錯誤していますが、ユーザー数や売り上げも増えています。月間620万PVはあります。ポップカルチャーを主な題材に扱っているメディアのなかではよく見られているほうだと思いますし、最近は付随して、アパレルブランド「POPisHere」も好調です。原宿のラフォーレではじめてリアルで販売する機会があったんですけど、歴史に残るくらいの売り上げだったそうですよ。

──(自慢か…)うまくいってるようでなによりです。

米村 課題は山積みですけどね。まだまだ僕らの標榜する「ポップ」を実現するには至っていないので、一緒にがんばってくれる逸材を募集っす。ご応募よろしくお願いします。

──KAI-YOUに入ってあげてもいいよって人は気軽に応募してみてくださいね。本日はありがとうございました。

米村 ありがとうございました。


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