プロフィール
奥田健生(Okuda Kensei) 大学で機械工学を専攻。新卒で人材系企業のエンジニアとしてアプリ開発を経験し、その後大手ITコンサルにて銀行の基幹システム構築にPMとして参画。現在は株式会社Hitamukiの創業メンバーとして、地方中小企業へのAI導入・伴走支援の最前線に立つ。
「エンジニアが仕事に困る時代」への予感と、地元三重の景色
—アプリエンジニアから大手ITコンサルを経て、なぜ創業期のAIベンチャーへ?
理由はシンプルで、ワクワクしたから。それと少しの危機感です。
前職のITコンサルでは銀行のシステムPMをやっていましたが、ちょうど生成AIが台頭してきた頃で。ChatGPTを触った瞬間に「あ、これ、今までのコーディングや設計の仕事は減っていくな」と直感したんです。だったら、なくなるのを待つより、AIを使って新しい価値を作る側に行きたいと思いました。
もう一つは、自分のルーツ。僕は三重県出身なんですが、地方の中小企業って、本当に人手不足で疲弊しているんです。でも、前職のようなコンサルの支援を受けようと思ったら、月数百万円のコストがかかる。これじゃあ、一番効率化が必要な人たちが置いていかれる。
そんなことを考えている時に代表の澤田と出会いました。
「AIという武器を使えば、彼らを救えるんじゃないか」
そう確信したのと同時に、大手では決してできない距離でクライアントと向き合えることに強く惹かれました。彼の描くビジョンと、僕がやりたいことがパズルのピースのようにハマった感覚。それが、Hitamukiへの参画を決めた理由です。
目指すのは、僕たちがいらなくなる状態。支援の先にある「自走」へのこだわり
今、奥田さんが担うのは、クライアント企業へのAI活用の伴走支援だ。プロンプト設計から業務フローの整理、時にはフィールドセールスまで、現場の最前線に立ち続けている。 一般的なコンサルティングとの違いを尋ねると、彼は少し考えた後、こう答えた。
「僕たちが目指すのは、極論を言えば『僕らがいらなくなる状態』なんです」
一般的なコンサルの多くは、業務を巻き取り、業務に欠かせないハブになることで継続契約を得るモデルになりがちだ。リソースの豊富な大企業であれば、それでも機能するかもしれない。しかし、変化の激しい現代、特に中小企業においてそのスタイルはリスクになると奥田さんは指摘する。
「外部に依存しきってしまうと、会社の中にノウハウが残らない。AIという強力な武器を自分たちの手で扱えないままでは、本当の意味での競争力は生まれません。だからこそHitamukiは、教える・一緒に手を動かすという泥臭いアプローチを徹底しています」
もちろん、内製化(自走)に重きを置くことは、短期的には自分たちの仕事を減らすことにも繋がる。それでも彼が自走にこだわるのは、その先にさらなる進化があると信じているからだ。
「プロンプトが書けるようになったら、次はAIエージェントを作ってみる。それができたら、システム全体に組み込んでみる。一段ずつ階段を登っていくことで、クライアントにしかできない専門的な価値がAIによってさらに研ぎ澄まされていく。その進化のプロセスを、クライアントと一緒に面白がれるチームでありたいんです」
現場で共に汗をかき、クライアントが自分たちの力で壁を突破した瞬間。その時に立ち会えることこそが、この仕事の一番の醍醐味だと奥田さんは笑う。
「先生」ではなく、同じチームの「隣の人」として。フラットなスタンスが生む信頼
—リテラシーの壁にぶつかることも多いのでは?
もちろんです。むしろ、壁だらけですよ(笑)。
「AIって何ができるの?」
「現場の仕事を変える手間がかかるんじゃないか」
という不安は、どの現場にもあります。
そんな時、僕が一番大事にしているのは目線を合わせること。 相手が今何を不安に思っていて、どのITツールなら使いこなせるのか。徹底的にフラットに、同じチームのメンバーとして向き合います。
以前、あるクライアント先で、Excelと社内システムをAIで連携させる仕組みを作ったことがありました。 小規模な仕組みだったので、僕が作って納品した方が早いかもしれない。でもその時は、隣に座って、一緒に画面を見ながら構築したんです。
後日、「奥田さん、俺でもできたよ!」って連絡をいただいて。その方が自信をつけたことで、社内全体が「AIって面白そうじゃん」というムードに変わった。 エンジニアじゃない人が、技術で自分の仕事をハックし始める。これこそが、僕らが提供したい価値の正体なんだと思います。
僕は、答えを押し付けるのが苦手なんです。自分はこう思うけど、現場の状況的にはどうですか?というフラットな対話を、何より大切にしています。
創業期のカオスを楽しむ。巨大な看板を相手に、実力一つで競り勝つ手応え
—今、Hitamukiで働く面白さはどこにありますか?
毎日がヒリヒリするような挑戦の連続です。 正直、リソースも仕組みも整っていない「創業期のカオス」そのもの。でも、だからこそ面白い。それぞれのメンバーがタイプが違っていて、補い合えているのも強みだと思います。
たまに、大手競合とコンペになることもあるんです。相手は誰もが知る大企業。でも、僕らには彼らにはできない「現場への解像度」と「スピード感」がある。 「Hitamukiさんなら、ここまでやってくれるよね」と言って選んでいただけた時は、最高にやりがいを感じます
移り変わりの激しい領域だからこそ、個人のキャッチアップのスピードも一切落とせない。SNSやYouTubeで毎日情報を仕入れ、クライアントの現場で本当に使えるものだけを検証する日々だ。
「プロとして、クライアントが知っているのに自分が知らないという状況だけは、絶対に作りたくない」
エンジニア出身の好奇心と、コンサルとしての意地。そんな心地よい緊張感が、今の彼の大きな原動力になっている。
—どんな人と一緒に働きたいですか?
「AIのプロフェッショナルでありたい」という知的好奇心と、「目の前の人のために泥をすすってでも頑張る」という泥臭さ。この二つを両立できる人ですね。
Hitamukiは、いい意味で変なやつの集まりです(笑)
でも全員、クライアントに対して誠実であることに関しては妥協がなく、クライアントファーストなメンバーばかりです。
AIという新しい力を使って、社会にどうインパクトを与えるか。その仕組みをゼロから一緒に作り上げたいというガッツのある人と一緒に働きたいなと思います。