今回は、アートディレクターとして活躍中の鎌田さんをご紹介します。
これまでのキャリアや、ワントゥーテンでの挑戦、そして今後チャレンジしたいことを伺いました。ぜひ、最後までお読みください!
Profile
- 学歴:多摩美術大学 美術学部 卒業
- 経歴:広告制作プロダクションでデザイナーとしてキャリアをスタートしたのち、広告代理店で企画・ディレクションを担当。その後、課題解決のためにイベントや空間の企画・制作を行う会社でアートディレクターとして経験を積む。2023年にワントゥーテンへ入社。
Achievement
- 旧芝離宮夜会 by ワントゥーテン 〜ひかりめぐる庭〜(Art Director)
- トヨタスマホショットチャレンジ Presented by 1→10(Art Director / Designer)
https://www.1-10.com/works/smaphoshotchallenge
これまでのキャリアについて
——これまでの経歴を教えてください。
広告制作プロダクションでデザイナーとしてキャリアをスタートしました。当時は「とにかくカッコいいデザインを作りたい!」という思いが強く、グラフィックデザインからWEBデザイン、パッケージデザインまで幅広い領域に携わりました。
8年間勤務した後は、企画やディレクションの経験を積むために広告代理店へ転職。クリエイティブだけでなく、プロデュース業務や制作進行なども担当し、多様な視点でプロジェクトを捉える力が身についた時期でした。企画書作成の機会も多く、コピーライティング講座などで言葉の勉強も重ね、デザイン以外の能力を大きく広げることができました。
体験デザインへの興味と、次のステップへ
2010年代後半になると、広告業界でも「決められた枠の中で表現する」従来のアプローチだけでは生活者に届きづらくなり、SNS、リアルイベント、プロダクト体験など、複数のタッチポイントを横断して体験を設計する必要性が一気に高まりました。こうした背景から、“体験”というキーワードが業界全体で叫ばれるようになり、デジタルとリアルを融合させた新しいコミュニケーションの価値が注目されるようになりました。
私自身もその変化を現場で強く感じ、広告という一瞬の接触だけでなく、生活者の行動や感情の連続性まで含めてデザインする領域に挑戦したいと思うようになりました。
この想いから、デジタルとリアルの統合的な体験づくりに取り組むため、業界大手のイベント会社へ転職することを決めました。
ちょうどコロナ禍の時期だったこともあり、イベント業界は従来とは全く異なるアプローチが求められました。来場者に直接アプローチするだけでなく、SNSでの口コミ、インフルエンサーによる波及など、オンラインも含めた体験設計が不可欠になりました。
その中で携わったエナジードリンクの新商品PRでは、「開封する瞬間がブランド体験になる」体験型パッケージを制作。単なる梱包物ではなく、手元で驚きを感じられるコミュニケーションとして設計し、当時の時代性に合った成果を残すことができました。
——デザイナーとしての転機は?
子どもが生まれ、時間の制約が生まれたことは確かに転機でしたが、それ以上に大きかったのは、“自分ひとりの表現力の限界”を素直に認められたことです。
若い頃は、手を動かすことでクオリティを担保できると本気で思っていました。しかしディレクションに向き合うなかで、自分の視点だけでつくるクリエイティブはどこか閉じていると気づきました。
デザイナーそれぞれが持つ感性や経験、思考のクセ。
そうした“異なる視点”が混ざり合うことで、表現は一段階も二段階も前に進む。その瞬間に立ち会った時、ディレクターという役割の本質が腑に落ちました。
ディレクションとは、ただ指示を出すことではなく、多様な視点を束ね、表現をドライブさせる行為そのもの。
その気づきが、クリエイティブの質を大きく変える転換点になりました。
——ワントゥーテンで働くことになったきっかけは?
ワントゥーテンのことは、WEBアプリ『MY JAPAN RAILWAY』を見たことがきっかけで知りました。フロントエンドやバックエンドだけでなく、UI/UXまで一貫して手がける制作体制に強い魅力を感じました。
調べていくうちに、エクスペリエンスデザイン、ブランディング、デザインシステムなど、多様な挑戦をしている会社だと知り、「もっと深く体験デザインを追求したい」という自分の想いと重なりました。
また、クライアントと直接向き合える案件が多い点も魅力で、仕事の幅を広げることができる環境に惹かれ、入社を決意しました。
現在の仕事について
——現在はどんな業務を担当していますか?
アートディレクターとして、企画段階からプロジェクトに参加し、体験設計におけるビジュアルアイデンティティやキービジュアル開発を行っています。
とある国際展示イベントでは、ビジュアルアイデンティティの設計から空間への落とし込みまで、イベント全体のデザインを担当しました。スケールの大きい案件を総合的に手がける経験はとても貴重なものでした。
——転職して良かったことは?
私が入社した当時は、役割分担が比較的明確なプロジェクト体制でしたが、現在は部署横断でクリエイティブを統合していく動きが活発になってきています。全体を見渡しながら提案できる環境へと進化しており、自分のスキルをより広く活かせる土壌が整いつつあります。
また、私のように子育てをしながら働く人にとって、リモートワークが柔軟にできる環境は非常に助かります。家庭と仕事を両立しながら成長できるのはありがたいですね。
印象に残っているプロジェクト
- 旧芝離宮夜会 by ワントゥーテン 〜ひかりめぐる庭〜(Art Director)
キービジュアルからWEBサイト、ポスターなどの告知物まで総合的に担当。
チームでつくりあげた世界観がインスタレーションとして空間に展開されるなど、大きなやりがいを感じるプロジェクトでした。
- トヨタスマホショットチャレンジ Presented by 1→10(Art Director / Designer)
B.LEAGUE所属のプロバスケットボールチーム「アルバルク東京」のホームゲームで展開された、来場者参加型のスマホ連動コンテンツで、チームカラーを軸に、直感的に操作できるUI・ビジュアルデザインを担当しました。
観客がスマホで“スワイプしてシュート”できる仕組みで、試合会場の熱量と連動する体験を設計。特に、何千人もの観客が一斉にスマホを構えて参加してくれた光景は、体験デザインの力を実感する瞬間でした。
リリース後は7,297件のダウンロードを記録し、イベントの盛り上がりにも貢献しました。
今後に向けて
——今後挑戦したいことは?
“ブランド体験”をより深く掘り下げたいと考えています。
ブランドの世界観を空間やコンテンツにどう展開していくか、体験の連続性としてどう成立させるか——こうした領域をさらに探求したいと思っています。
おわりに
自己完結しようとするこだわりから、人と関わりながら表現をつくるという考え方へシフトしたことで、自分のクリエイティブの幅は大きく広がりました。
これからも、自分が面白いと思える表現や体験を探求しながら、関わる人やチームと一緒に、より良いものを生み出していきたいと思っています。
お読みいただき、ありがとうございました。
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